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聴くことの効果。苦しみの出口。
全然知らなかったんだけど、作家の柳美里さんって今、
福島県の南相馬市にお住まいなんだそうです。
僕はたまたま、You Tubeの対談に出演して喋っている柳美里さんの動画から知ったのだけど、
南相馬で暮らしながら、震災以降できた南相馬・ひばりエフエムという災害エフエムで、
「柳美里のふたりとひとり」
という番組を続けているそうです。
この番組は、ゲストの南相馬在住・南相馬出身・南相馬に縁がある
「ふたり」(親子、兄弟、姉妹、従兄弟、師弟、友人、同僚、夫婦、恋人など)と、柳美里さんがお話をする
というもので、特に地震や津波や原発事故に限定した話をするのが本題というわけではなく、二人の過去から今までの、なにものにも回収されることのない時間の記憶。というコンセプトなんだとか。
(ふたり呼ぶのは、素人さん一人だと緊張されるので、一番親しい方と来てくださいということにしたんだそうです)
どうしても、震災以降の想い出には、哀しみの記憶とか、抱えている苦しさとかはあるわけで、
そういう思いの、出口って必要だ。
とおっしゃってたのが印象的でした。
苦しみの出口をどこかに用意しておかないと、溜め込んでおくだけだと、何かしらの支障をきたすことって確かにありそうです。
だから、ただただ、聴いてあげる。
心理学のカウンセリングの概念も基本は、ただ聴くことから始まっていると思いますけど、
それだけでもちゃんと、メンタルケア、ヘルスケアになるんですよね。きっと。
そして、柳美里さんの言っていた話でもう一つ心に残ったのは、
相手が、ココロの中にあるけど形をとったことのない思いを、声に出して、声帯を震わせて、身体の外に出し、
それが、受けての鼓膜を震わせて、相手のその時の表情や空気を感じて、受け取るという作業。
つまり、「聴く」という行為は、肉体的なやり取りである。
というもの。
広い意味では、肉体のふれあいでもあり、人間同士でしかできない大切なグルーミングの一つなのかもしれないよねー。聴くってことは。
聴くことの効果。苦しみの出口。
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