30年前の日本のターニングポイント
TOKYO FMの報道特番で「2046~30年前の日本のターニングポイント~」という番組がやっていた。
中身の中心は、東国原英夫さん、古市憲寿さん、速水健朗さんの鼎談で、その模様を、
2046年の位相にいる講談師の宝井琴柳さんが、「30年前の日本の番組の音源です」という形で振り返ってみせる形式。
この視点がちょっと面白い。
確かに、ターニングポイントというのは、基本的にその瞬間に生きている人間には、明確に意識できず、
事後的に、振り返った時、
「ああ、あそこがターニングポイントだったんだなあ」
という形でしか認識できないものでもあります。
番組はあくまで、「日本の」ターニングポイントという話題なために、正直、直近の小さな話題が多い印象があったんだけど、
僕も個人的には、世界の経済構造的にも、政治の大きな流れにしても、2012年~2017年の辺りのどこかが、
後の世界で、「ターニングポイント」といて、指さされる年になるんじゃないか?と考えています。
経済の話で言えば、
戦後のドル基軸体制、がこの数年でどう変化するのか?というのが大きなテーマになるでしょう。
ブレトン・ウッズ体制(=ドル基軸体制)成立から、金兌換制を廃止した1971年のニクソン・ショック=「ペーパーマネーの時代」が始まって40年。
実物資産の裏付けのないマネーの時代が、一方向に進んできた(とにかくドルをジャンジャンばらまく)のがこの40年だと考えます。
近年の「QE(量的緩和)」はその最後のお祭りみたいに、僕には見えます。
そうして40年間、アメリカドルの価値は一貫して下がり続けてきた。
さあ、これだけばら撒いたドルが、アメリカ連邦準備銀行FRBの利上げ、引き締め方向への転身で、一体なのが起こるのか?
これが、ターニングポイントの一つ目です。
そして、それと時を同じくして、アメリカの大統領選挙で、政治の世界がどう変わるのか?
2017年1月には大統領が替わり、大きくアメリカの政治の方向性も変わるでしょう。
一つには、アメリカの軍事的な支配力の“西進”が止まる。
この“西進”という話は、中部大学の武田邦彦教授が最近言ってて、すごく面白かったんだよね。
アメリカは、イギリスからやって来た移民が東海岸に上陸して、建国してから、一貫して西に進むことを続けて来た。フロンティアを求めて西海岸にたどり着いてからも、
海に飛び出し、ハワイを併合し、アラスカ、フィリピン、グアム、韓国、ベトナム、カンボジア、とドンドン西に進む。
そして最後にイラクまで来た時に、ヨーロッパの手前まで来て、地球を一周した。
2011年のオバマさんがイラク撤退宣言で、アメリカの西進が終わった。
今後は、ドンドン東に戻っていくだろうという説です。面白いよね。
トランプさんの言っている「アメリカ・ファースト」というキャッチフレーズは、経済についても、軍事についても、同様に自国が安全ならばそれが一番いい。という考え方ですから、
アメリカは、もう「世界の警察」であろうとすることを辞めるつもりだということでしょう。
その時に、現状アメリカの軍事力、世界中に置いた米軍基地網によって作ろうとしてきた、「積極的平和主義」というのが、どのような枠組みに変化するのか?
この経済と、政治の大きな転換点が、この数年、おそらく2017年までの間に起こる大きな変化だろうし、
それは、やはり数年、数十年経った後に振り返らないとわからないターニングポイントになるだろうと。
そんな風に、「事前的」に予言しておくのも、一つの妙味かなと、書き留めておきましたー♪
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