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ソーシャル・ネットワークと私の筋肉増強行動

三角筋、大胸筋、上腕三頭筋、筋肉たちが少しずつ大きくなってきた。

寒くてしばらくの間サボっていたジムを再開したことと、タンパク質を中心とした食事管理や完全栄養食導入の影響が大きいだろう。

ふと思ったのは、
なぜ私はジムに通っているのだろう?
なぜ私はこの鶏むね肉と完全栄養食を食べ続けているのだろう?
という問いだ。

一体何によって私の行動は決定されているのだろう?
これはあまりにも大きな問で、様々な観点から考えられることだと思う。

進化心理学者なら

「原始を考えれば筋肉量が多いほうが生存や繁殖において有利。筋肉が増えることに喜びを感じない個体は淘汰され、現在の人類は筋肉増加に幸福感を感じる個体が多いのだろう」

遺伝子研究者なら

「あなたは少しの筋肉負荷で筋肉が増強しやすい遺伝的特性を持っているのだろう。コストに対する成果の果実が大きいので他人より筋肉増強行動に向かいやすい可能性がある。」

脳神経科学者なら

「筋肉負荷という苦痛に対して神経伝達物質エンドルフィンが放出され一種の脳内麻薬状態になっているのだろう」

法律家ならもしかしたら

「人間の行動は法と制度による制限とインセンティブ設計によって決まる。」

などと言うのかもしれない。
つながり 社会的ネットワークの驚くべき力」という本を読んだのだが、
私の筋肉増強行動を考える上で重要なヒントが書いてあった。

たがいに認め合う友人が肥満になると、自分が肥満になるリスクも3倍近くになる。
友人以外にも、さまざまな社会的絆を通じ、体重の増加は人から人へ広がることがわかった。

人びとがリスクにさらされるかどうかは、その人がどんな人であるかより、誰と知り合いであるかで決まるのだ。つまり、ネットワークのどこにいて、周囲で何が起こっているかが問題なのである。

人間はたがいに認識を共有するものだが、こうした認識がどれだけ食べ、どれだけ運動するかにも影響するのだ。たとえば、周囲の人を見て、その人たちの体重が増えているのに気づけば、許容できる体型について認識を改めることもある。多くの人が太りはじめると、太り過ぎとは実際に何を意味するかについて期待値が再調整される。人から人へと広がるのは、社会科学者が規範と呼ぶもの、つまり、何が適切であるかに関して共有される期待値なのだ。

つまり「個人としての特性」以上に「誰とつながっているか」「ネットワーク上で何が起きているか」が人の行動や規範に対して大きな影響を与えているという主張だ。

私は、「筋肉の大きさこそが重要である」という規範がマジョリティである米国の大学に留学をしていたし、筋トレにいそしむ先輩との交流もある。完全栄養食についてはホットリンクの親しい先輩から話を聞いて影響を受けた。属しているネットワークからの影響で私の行動や規範が変わり、私もまた身の上話をすることでネットワーク上に存在する周囲の人々に情報を伝達し、行動に影響を与え、新たなる筋肉増強者を増やしているかもしれない。

マスメディアを用いて国民に情報を一括送信する時代は終わりに向かいつつあり、世はソーシャル・ネットワークの時代だ。情報は数珠つなぎのように人から人へ、グループからグループへ伝達され、人の行動を変容させる。

企業のソーシャルメディア活用においても、
「どういうコンテンツならバズるか」
という視点だけでなく
「どういうネットワークを築けば情報が伝播するのか」
これを考える必要がある。

最近の私の筋肉増強行動からそんなところへ考えがつながっていった。


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