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本屋に行く理由

本屋に行く理由を深掘りしようと思ったのは、先日ある記事を読んだからです。

上のnoteは書店員歴30年の大ベテラン書店員、野坂匡樹さんが書かれました。

野坂さんとはページ薬局開局を機にSNSで繋がり、その後色々と情報交換するようになり、今や書店経営を一緒に夢見る間柄となっています。


考えや想いも頻繁に共有しているのですが、noteを読んで琴線に触れた箇所がありました。

私は、「街に本屋があったほうがいい」とは思っていますが、なぜいいのかは明確な答えを見つけることができていません。その問いを抱き続けながら進んでいきたいと思います。

僕が本屋があったほうがいいと思うのは「本との偶然の出会いがあるから」

いくつかnoteでもリアル書店の機能、価値については自分なりの考えを綴ってきました。

それでも今回野坂さんのnoteを読み、改めて本屋の存在意義を考えさせられました。

本屋に価値を感じるのは何かしら行く理由があってのこと

今から7年前、本屋に週1回足を運ぶようになったのは、『王様の速読術』という書籍の影響です。

 書店では、「今、どういう本が売れているか」、つまり「みんなの関心がどこにあるのか」がわかる。そして「どういう書き手が喜ばれているのか」、つまり「時の人」「キーパーソン」がわかる。さらに最新刊の傾向やベストセラーの傾向まで、さまざまなキーワードが発見できるに違いない。
 残念ながらインターネット書店では、なかなかこうした奥深い楽しみは得られないのだ。
 忙しい人こそ、週に一度は三〇分か一時間ぐらい書店に行ってみよう。
*本書123-124ページより引用

つまり、情報収集の名目で徐々に本屋に通う習慣が身についたのです。


15歳から69歳の男女2000人を対象としたアンケート調査によれば、書店に足を運ぶ理由上位5位は

「紙の書籍を買うため」 58%
「情報収集のため」 45%
「時間つぶし」 39%
「試し読みをするため」 33%
「書店の雰囲気が好きだから」 27%

という結果が得られています。

本屋に本を買いに行くというのは当然だとして、情報を得るためであったり、時間を潰すためというのも大きな理由の一つみたいです。

情報収集には目的の情報と、そうでない偶然性の情報と二種類あるかと思います。


また中身も見てから買いたい気持ちも理解できます。

特に教科書、学習書の類いに関しては合う合わないもあるため、試し読みをしたい方も多いジャンルではないでしょうか。


他の切り口を調べるとこのような記事も出てきました。

こちらの記事では本屋に行くメリットとして

自分自身とコミュニケーションがとれる
世の中の流行を幅広く知る事ができる
本を買うことはストレス軽減にも役立つ

の3つを紹介しています。

2つ目に関しては情報収集の括りになりますが、1つ目は内省や自己理解、3つ目はストレス解消とも言い換えられそうです。


まとめると

・紙の本を購入するため
・情報収集のため
・時間つぶしのため
・試し読みのため
・書店の雰囲気が好きだから
・自分自身との対話のため
・ストレス解消のため

というのが人が本屋に行く理由として考えられました。

代替しにくい理由はほとんどない

様々な本屋に行く理由の中で、もしかすると本屋でなければならないのは

・書店の雰囲気が好きだから

のみではないかと感じました。


紙の本の購入も、情報収集も、時間潰しもインターネットが代わりになり得ます。

なお、情報収集に関しては偶然性の情報と出合おうとするなら本屋が適していますが、ネットサーフィンを繰り返せば出合えないこともありません。

試し読みは図書館でも行えますし、自己理解やストレス解消については他の手段も色々と考えられます。


だからといって本屋がなくなってもいいかというとそうではなく、本屋に行く理由を深掘りしたからとて何か明確な答えが見つかったわけではありません。

ただ本屋の空間を好きな方が一定数いて、言語化が難しいのですがこれは図書館とも違う本屋独自なもののはずで、ヒントになるかもしれないと感じました。


そういえばこないだ買ってすっかり積読になってしまった本を思い出しました。

深く考えたこともなかったのですが居心地の良さを感じられる空間デザイン、雰囲気作りも書店経営の重要なファクターなのかもしれないと思えてきました。

これを機に本棚から引っ張り出し、読み進めてみようと思います。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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