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本屋開業までの道のり①~単体で経営が成り立つ本屋を思い描く~

本で経営が成り立つ本屋。

いかにこれが厳しいか、薬局×本屋「ページ薬局」を始めてから余計に実感しています。


上手くいっているであろう小規模新刊書店の経営手段をまとめたのが今年の5月。

この2,3ヶ月前から書店経営についてぼんやりと考えるようになりました。


きっかけとなる明確な出来事があったわけではないのですが、本屋という業態は社会的、文化的にも意義があり、シンプルに「良い」と思われる商売なのにどうしてもこうも厳しくなったんだろう、とかどうにかできないんだろうか、とか。

その「良い」を言語化すると、実物を手に取れたり、やはり偶然の出会いを提供してくれたりがリアル書店の価値になるのだろうとある程度考えがまとまりました。

そして何度も考察を行う内にリアル書店の価値を伝えたいとの気持ちが高まり、もっといえば場を残すための活動や自分で新たに場を作るのにも興味が湧いてきたのだと思います。


薬局×本屋「ページ薬局」は1周年を迎えるまでに、想像していなかったほど各方面から注目してもらいました。

そして地域においては薬局として本屋として利用していただける方も徐々に増えてきています。

初めこそ「薬局で本屋?」と戸惑われる方が多かったものの注目を集め、患者さんとして来られた方々に本棚から本を手に取ってもらえるのを目にすると、他の場所でもこのモデルが役立てられないか、と2号店出店を夢見たりもしています。


一方で上で述べた通り、個人的には「本屋」単体への関心も強まっています。

本も本屋も「良い」ものならば、書籍だけ成り立つのが本筋ではないか。

掛け合わせの業態を行っているため矛盾しているとは自覚していますが、ページ薬局をオープンしてからもチラホラと閉店話が耳に入ってきて、何とかならないものかとおこがましくも臍を噛んでいました。


個人書店を営む上で流通に関しては課題の大きい部分ではないかと感じています。

2月にもボソッと思い付きを呟きましたが、「本が売れない」と嘆いているのに欲しい本は入荷しない事態が頻繁に起きていて、しかしこれはもはや出版業界ではある種の「慣習」のようで、ただ元々業界に馴染みのない僕のような人間からするといつまで経っても腑に落ちません。


開局前からサポートいただいている、現役書店員でもある野坂さんとの定例の連絡の際にも、似たような質問を投げかけました。

「何とかできないもんなんですかね…」と小一時間ほど話し合っているうちに、ふとあるアイデアが頭に浮かびました。

「取次さんと一回話をしに行きませんか?」

野坂さんがお勤めの書店にも担当者は来られているみたいですが、書店経営についてじっくり意見交換する機会もないようですぐに賛同してくださり、早速取次さんに連絡を取り合ってみました。


そうして今年の6月、第一回目の話し合いが実現しました。

初回は雑談も多かったのですが疑問に思っていた流通に関する質問を投げかけたり、取次からみた書店経営について意見を伺ってみたり。

その翌月も時間を設けてもらい、たまたまキーワードの一つとして浮かび上がったのが待遇改善だったのです。

仕入れに関しても「Amazonでできるのに…」と思うところをぶつけましたが、そこにメスを入れようものなら再販・委託の両制度が立ちはだかり、末端の弱小書店レベルではどうにもならないのだと痛感しました。

そんなこんなで取次さんを睨みつけるより、肩を組む姿勢の方がはるかに前向きだろうと考えを改め、ありがたいことに毎月定期的に打ち合わせの機会をいただいています。


まずは本のみでの書店経営を思い描くようになった経緯、それから動き出しについて綴りました。

いつ開業できるのか、本当にオープンできるのか、不安ばかり感じていますが、取次さんとの打ち合わせの内容やはるか遠い開業に向けての行動などをnoteで発信していこうと思いますので次回もよろしくお願いします。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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