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本屋での「偶然の出会い」のエピソード

本屋さんに行くことで出会う、「目に留まってつい買ってしまう本」


以前の記事でも触れましたが、これはリアル書店だからこその現象だと思っています。

では私にどんな「偶然の出会い」があったのか、一つエピソードを紹介します。


話は遡ること5年以上前。

当時、九州は宮崎で働いていて、週に1回近所の本屋さんに通い始めました。

本屋さんに行くのが習慣として定着しそうになった2,3ヶ月後に出会った本がこちらです。

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「えんぴつの約束」

当然買おうと決めていたはずもなく、何となく手に取った本です。


大企業に勤めていたアダム・ブラウンが退職し、「ペンシル・オブ・プロミス」という非営利組織を立ち上げて、発展途上国に次々と学校を建てる、お涙頂戴のストーリー。

しかし私の印象に残ったのは、学校を建てる理由でも、会社を辞めると決意した場面でもありません。


アダム・ブラウンがある経営者との口約束を破って指摘されたシーンです。

「この前別れ際にジュース断食がどうなったかと教えてくれと頼んだ。君は教えてくれると言ったがそうしなかった。口にしたことは、絶対に実行しなくちゃならない。」

経営者はこれだけ細かいことも気を配らなければならないのか、と正直面倒だとも思える感情を抱きました。

「小さな口約束」を体験

本を読んだ時はセリフをぼんやりと記憶していた程度で、自分自身が約束を守るのを意識的に取り組んだわけではありません。

小さな口約束が大事だと感じたのは2年半ほど経ってから。


2017年、キャリアコンサルタントという資格取得のために全10回の通学講座に通いました。

最終回の講座の後、受講生と講師の先生を交えて懇親会が開かれ、その際先生に、せっかくの機会なので名刺を頂戴したい、とお願いすると試験に合格したらあげる、と体よく断られました。


それから約半年後。

試験には無事合格し、通学講座の運営企業主催で祝賀会が開かれ、そこで恩師とも再会。

挨拶をすると早速、「そういえば名刺っていうとったな」と名刺を取り出して渡してくれました。

「覚えてくれてたんだ」

驚きとともにすぐ頭に浮かんできたのは先ほどの本、「えんぴつの約束」のワンシーンです。

「これが約束を守るってことなんだ」

この時にようやく、どんな小さい約束だろうと守らなくてはない、と自分の肌感覚で認識しました。


名刺交換の出来事だけでは単なる感動に留まっていたはずです。

何年も前に、たまたま購入した本を読んで頭の片隅に残っていたからこそ、自分の中にスッと入ってきたのだと感じました。


それ以来、自分の中ではどんな小さな口約束でも守るようにしています。

また飲みにいこうといったら食事の機会を設ける、あとで連絡するといったら連絡をする。


約束を守る、子供の時分に教わる当たり前のことです。

でも、改めて「小さな約束でも守る」と心掛けるようになってから、人に対してだけではなく、自分でやろうと決めた、自分自身の約束との向き合い方も変わったように思います。


偶然にも本屋さんで本と出会えて、自分自身が変わったエピソードの一つです。

あなたにも是非、本屋さんで人生が変わるような「偶然の出会い」を体験してもらいたいと思います。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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