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ネットに勝る本屋さんの機能

先日の記事、「本屋をしてみてわかった、小さな本屋がネットに勝てない理由」の反響が予想をはるかに上回りました。

今回は利便性の高いネットよりも、本屋さんが勝るであろうポイントについて自分の考えを綴りました。

結論としては、ネットのレコメンド機能より本屋さん直々のオススメ、あるいは本屋さんの選書サービスの方が優れているのではないか、という提言です。


きっかけはTwitterでのあるやり取りでした。

「オススメ本を教えてくれませんか?」とフォローしている方のツイートを見てオススメ本を書き込んだところ、「本の紹介をしてもらうのって楽しい」との返事がありました。

本を勧めてこのように言ってもらえるのは嬉しい限りです。

自分が読み終えて良かったから単に勧めたいと思ったのではなく、その中から「この人に喜んでもらえそうな本はどれだろう?」と色々考えた結果、ある本を選んだので尚更のことでした。


そして、ここでふと思ったのです。

本屋さんがお客さんにオススメを紹介するのもきっと同じ過程だろう、と。


ページ薬局に知り合いが来局して、「どれがオススメ?」と尋ねられると、いつもどういう本を読むか、どんなのが好みか等、自然といくつか質問させてもらいます。

本職の書店員さんも、趣味趣向のわかっているお客さん以外だと何かしらの探りを入れなければオススメ本を提案するのは難しいと感じるはずです。

この紹介までの過程こそ、ネットのレコメンドよりも価値があるのではないかと考えました。

本屋さん直々の推薦がいいと思う理由

本屋さんに直接オススメの本を聞く、あるいは選書サービスを使う。

選書サービスについて補足ですがどんなものかというと、カウンセリングをして本を選んでくれるような形態から、金額、例えば1万円という予算内で同じようヒアリングを行い選書してくれるものまで様々です。

先月末にも産経新聞にて選書サービスに関する記事が掲載されていました。

「一万円選書」というと、北海道のいわた書店さんが走りとして知られていますが、今では選書サービスをしている本屋さんも徐々に増えているようです。


基本的にこれらは依頼主に合うような、もしくは何かしらの解決に役立つような本をセレクトしてくれます。

ランダムに予算内前後の本が選ばれるのではなく、多くの本を扱ってきたプロフェッショナルが個別に対応してくれるのです。

選書サービスが的外れなものであれば、おそらくここまでの広がりを見せていないのではないでしょうか。


対してネットのレコメンド機能は、購入や検索した本の類書や他のユーザーが購入した書籍などがわかるとはいえ、それはあくまで本の特性や購入者の傾向といったデータ上のものであって、本を買おうとしている「個人」を見ているわけではありません。

決してレコメンド機能が悪いと述べたいのではなく、より自分に合う、もしくは役に立つ本を手に取りたいなら、個々に対応してくれる本屋さんにオススメしてもらう方が確率は高まると考えました。


買いたい本が決まっていて、書店に行かずとも購入できる点でネットは便利ですが、本を読みたいけど特に読む本が定まっていない場合には本屋さんでオススメを聞いてみてはどうでしょうか?


ちなみに、いわた書店さんの一万円選書は年に1回、10月頃に受付を開始して、毎月当選者に連絡が来るようなシステムです。

2019年10月には私も申し込みましたが、当選の連絡はまだ来ていません。

当選した方のブログを見ると、何と4646通もの応募があったのだとか。

次回受付も秋頃となっていますので、気になった方は今年の受付開始の情報を是非見逃さないようにしてください。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。

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