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全く本を読まない人に読書を勧めるなら

読書はプラスしかない

読書を勧める様々な書籍が出版されており、それらを読んで度々思うのが、読書は本当に良いことで、加えてデメリットもまず見当たらないと感じています。


方や巷で「活字離れ」と言われるよう、読書を好む人は年々少なくなっています。

なぜ良いこと尽くめなのに、本を読まなくなっているのでしょうか。

読書プロデューサー、角田洋一郎さんの著書によると、ある若手起業家Aさんから若い人が本を読まない理由を次のように聞いたと記されています。

Aさんが言う「読書しない人が本を読まない理由」は5つありました。
 (中略)「つらい」「楽しくない」というのはそのままですし、「時間がかかる」「著者を知らない」というのも、ゲームのように「面白ければ話は別」としています。最後の「ネットのほうが便利」というのも、面倒に感じてイヤだという感情から来ているものです。
本書P16、P31より引用

つまり、「辛く」「楽しくなく」て、「時間がかかって」「誰かもわからない人も意見は聞きたくなく」て、「ネットより面倒」で、という理由から若い人は読書をしていないとのこと。


辛辣ですが、私自身も成人するまで本を読まなかった人間なので、なぜ読まなかったのかと問われると、「時間がかかって」「楽しくない」というイメージが刷り込まれていたからだと答えます。

学校教育の中で、読書の時間や読書感想文の提出に面倒だった記憶しか浮かんできません。

仮に面白くて手軽だったら、読書≧スマホもあり得る?

ではもしも「面白く」「手軽」な読書が実現できれば、役に立つことが多い分、読書≧スマホが成り立つかもしれないと考えました。

スマホが生活の一部に溶け込んでいるのは間違いなく、それと同様に手軽に楽しめて、かつ面白ければ、TwitterやYouTubeをはじめとしたSNSに勝るケースも考えられます。


読書のメリットは「語彙力が高まる」「視野が広がる」「教養が身につく」なんて訴求したところで、本を読まない人からしたら「語彙力を高めて何になるんだ」とかえって面倒臭いと思われかねません。

もちろん語彙力が上がり、それらがコミュニケーションを取る上で有用なのも承知の上ですが、20歳前後の本を全く読まなかった自分に、読書を勧めるとしたら違うアプローチの方が効果的だと思います。

ページ数が少なめな、わかりやすくて印象に残る小説

全く本を読まない人に読んでもらうなら、上記の考察から手軽さも視野に入れて、前提として「薄い本」がいいと考えました。

分厚い本を勧めたところで読書のハードルが高くなる恐れがあります。


次に考慮したのが「読みやすさ」です。

どんなに薄い本でも専門語や横文字、知らない熟語だらけだとこれまた読書が辛くなってしまいます。

読書をしてない人に勧めるなら、おそらくここはかなり重要なポイントのはずです。


そして最後は「感動や衝撃を与えてくれるストーリー」

興味のある分野の実用書なども取っ付きやすいのかもしれませんが、感動できたり、衝撃がある物語の方がより面白かったと感じやすいのではないかと考えました。


以上のことから「薄めの本」「読みやすく」「感動や衝撃を受けやすい小説」を、全く本を読まない人に勧めるのが適していると思います。

オススメするなら「イニシエーション・ラブ」

2015年に映画も公開された、1980年代の静岡が舞台の恋愛小説です。

「恋愛」のジャンルにありながら、最後のどんでん返しから「ミステリー」とも称される作品です。

300ページにも満たない文庫本のため、厚みはそこまで感じないと思います。


オススメしたい理由はなんといっても衝撃のラスト。

最後の2行を読むと、思わずページをめくり返してしまいました。

それだけインパクトがあったと記憶しています。


読書好きな方は、ガクッと肩を落とされたかもしれません。

単にオススメしたい小説なら、村山由佳さんのだって、池井戸潤さんのだって、辻村深月さんのだって、伊坂幸太郎のさんだって、瀬尾まいこさんのだって…と挙げていけばキリがありません。

あくまで全く本を読んでない方に勧めるなら、と考えた際に真っ先にこの本が頭に浮かんできました。


本を読まない方に読書を勧めるのに、今回紹介した「イニシエーション・ラブ」ではなくとも、「手軽に楽しめそうな薄めの本で、読みやすく印象に残る小説」が参考になれば幸いです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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