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本屋開業までの道のり②~取次との打ち合わせの内容①~

前回の①の続きとして、取次さんとどんな打ち合わせをしているのか、その内容について記事にまとめてみます。

なお、前回のnoteはこちら↓をご覧ください。

早速、第1回目の内容から紹介していきます。

第1回目 2021年6月16日(水)

記念すべき第1回目。

打ち合わせというより、この日はとにかく疑問を解消したく質問を投げかけたのがほとんどでした。

「取次さんの抱える課題って?」
「欲しい本が入って来ない状況はなぜ起こっているの?」

素人じみたことを伺いました。

なぜストレートに聞いたかというと、取次さんの事情がわからなければ書店単体での経営は到底無理だろうと考えたからです。

それにページ薬局を開局してから知り合った書店員の方、書店経営者の方が、取次さんに対して肯定的な見方をされていない現状を目の当たりにしたからというのも理由としてあります。

「卸がここまで言われて手を打てていないのって卸側にも何かしらの事情があるんじゃないのか」

薬局の薬剤師をしていて医薬品の卸数社とも付き合いがあり、その対応は会社、担当者レベルで様々で一概に全部を良しとするわけではありませんが、かといって取次さんを見る目ほどではないと思いました。

そんなこともあって取次さんが書店の要望に応えられない理由が何なのか、そして取次さんの抱える課題とは何なのかを質問するに至ったのです。


結論としては業界で幅広く知られているように返本率が課題で、欲しい本が入らないのはこれも周知の事実で売上が関係しており、出版社からの指定もあってどうしても制限されるとのこと。

1日200点近い本が発刊され、これらを適性に配本するのも難しく、書店側が買い切りを導入したり、あるいは再販・委託の両制度をどうにかせざるを得ないと取次の担当者の方は仰られました。


小規模書店の経営者が制度に手を付けるなど無謀にもほどがあります。

これらを伺った上でできることがないのかをもう少し考えてみたいと話し合いを延長したところ、ふと「給与」に関する話題となりました。

売上が右肩下がりの業界で、原資がなければ困難なのは承知しているけれども、仮に待遇改善が実現できれば前向きな取り組みが増え、売上改善にも繋がるのではないか、と。


「給与」が一つの切り口になるかもしれない、といったところである程度時間が経ったため次回も打ち合わせの機会をもらえないかと頼み、第2回の開催に繋がりました。

第2回目 2021年7月14日(水)

書店経営を何とかしたいという想いから改めて時間をもらうことになったのですが、これには取次さんも諸手を挙げて賛同してくれました。

売上というよりも、書店経営が成り立つことで本との出会いの場が残るのは大事だと足並みを揃えてから話は前回の続きに。

上のnoteが2回目のほとんどを占めるため、よかったらお読みいただければと思います。


補足をすると自分の売りたいと思った本を売るのは書店員の醍醐味ではあるものの、これは文芸書や実用書、ビジネス書の割合が多く、売上を作るなら自分の売りたい本以外にも目を向けなければならないとの話になりました。

また品出しやシュリンク、問い合わせ等の業務が多く、お客さんとコミュニケーションが取りづらいのも現状として浮かび上がってきました。


売上にコミットする、コミュニケーションが取れる書店員が増えたら何とかならないだろうか。

「給与」を糸口に「書店員像」を掘り下げたのが第2回目です。


時間が経過し、書店員像についても各自の意見があったため、どのような書店員、どんな書店が理想なのかを次回までの宿題とし、打ち合わせは終了。

加えて経営を成り立たすには「人」の要素以外にも上手くいっている書店の取り組みを真似たり、情報を共有するのも大事だとの話から、採算の取れるアイデアも宿題に組み込まれました。


初回は取次の方2名、現役書店員野坂さんと4人で、第2回には取次の方が1名増え計5名。

第3回から他の現役書店員の方や元書店員の方にも参加いただき、大体4~6名で毎月行っています。


現在までを一挙にまとめようと考えていましたが思いのほか長くなったため、次の記事にでも紹介させていただこうと思います。


最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

続きはこちら↓


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