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EF85mm F1.4L IS USM

5年ぶりくらいにレンズを新調した。
意外なように思えるかもしれないが、カメコ始めて1年半くらいになるがその間1本もレンズを新調してこなかったのでかなり久しぶりにレンズを新調した。(70-200mmが登場したら近々もう1本増える可能性があるが)

前回までのあらすじ
RF 85mm F2 MACRO IS STM欲しいなぁって記事書きましたが、なぜか気づいたらEF 85mm F1.4L IS USMを買っていたのでこの記事があります


EF85mm F1.4L IS USMを選んだ理由

1,EF 50mm F1.2L USMの解像度不足

EF 50mm F1.2L USMはボケは綺麗だし、重量も軽く、スナップ目的とかおおらかな気持ちで使う分にはまあまあいいレンズだったが、解像度が不安定でAF精度も微妙だったため、アイドル現場においては特典会の写メレギュレーションで1ショット2000円くらいかかる場合もあるのでAF精度や画質の問題でせっかくコストかけて撮った写真が没になるとしんどいので扱いづらいシーンもあった。解像度だけならEF 24-70/2.8iiのほうが良いし、構図の微調整もできる。RF 50mm F1.4Lの噂もあるしもうこのレンズはいいかなぁと思って85mm導入の養分になってもらった。2007年発売のレンズには今の高解像度の時代は過酷だった。

2,85mmの単焦点が欲しかった

他のカメコさんの写真を見ていてもポートレートで85mmの単焦点レンズの画いいなーと思っていたので前から欲しかったのもあり今回は50mmを放出して85mmに入れ替えた。

3,RF 85mm F1.2L USM高すぎ問題

予算があるならRFマウント版を買えばいいと思うし、描写力を考えると手ぶれ補正ユニットなど余計なものがなく、口径が大きく、設計の新しいRFマウント版のほうが良いと思うのでポートレートしか撮らない人などガチ勢の方はRFマウント版を選ぶほうが良いのかもしれないが、85mmの使用頻度が低い自分的には85mmに40万は高すぎて買えなかった…

4,RFマウントのボディ不足問題

手持ちの機材の中にRFマウントのボディがまだ1台しかなく(EFマウントも現役で使用しているのは1台だが)、近々導入するであろうRF 70-200mm F2.8のことを考えるとRFマウントでしか使えないレンズの本数が増えるとレンズ交換の回数が多くなってしまいボディ2台体制で使うことができなくなってしまうので85mmに関してはEFマウントにも対応させておこうと思ったのも理由の1つだ。

外観

以前からマウントアダプターが付いた状態の長い姿はあまり好きではないので予算があるならRFマウント専用レンズが欲しいなとは思っていたが、RF 85mm F1.2L USMは約40万円と金額が絶望的に高すぎて将来的にも導入する(できる)気が全くしないので85mmに関しては当面マウントアダプターと仲良くしていくしかないようだ。このレンズに関してはかなり高解像度でたぶんEOS R5とか高画素機でも普通に使えると思うので、次わざわざ買い替える理由が現段階では想像がつかない。買い替えるとしたら今Canonが進めている35mm F1.4のシリーズで静止画と動画の両方に強いコンパクトなF1.4のシリーズが出たらワンチャンこのレンズから入れ替えるかもしれないが使用頻度と入れ替えの追い金の額とか次第だなーと思う。
50mm F1.2のときと比べてレンズ本体が大きい分マウントアダプターが「ついてる感」が薄れてるので見た目は意外と悪くない(?)

持ってみた感触としては、24-70mmよりも若干短いので(誤差レベルだが)、まあ片手でもなんとか持てるサイズなので左手でストロボを持ったりすることもやろうと思えばできなくはないなと思った。

レンズフードに関しては焦点距離の割には小さめだなーって気がした。
NikonのZマウントの85mm F1.2やRFマウントの85mm F1.2などの画像を検索してみるともっと長いレンズフードがついていたので、このレンズのレンズフードが短いのは光学設計的にこの長さにしかできないのか、それとも意図的に短めに設計しているのかは謎だ。

あと、自分がこれまで使ってきたレンズフードは内側に反射防止の黒い布みたいなのが貼られていてホコリなどが付着するので定期的にテープでペタペタしてゴミを除去していたが、このレンズではレンズフードは内側に布みたいなのは貼られていなく溝が掘られていた。

レビュー

今回は中古で約16万円だった。新品だと約21万円。

レンズ内手ぶれ補正について

このレンズが発売されたのは2017年、当時はまだRFマウントのミラーレス機が登場していなくまだ一眼レフの時代だったが、自分の中の認識としてはこの手の大口径レンズには手ぶれ補正がないのが当たり前で「そういうもの」だと思っていたのでレンズ内手ぶれ補正はいらないと思っていた。F1.4もあると暗いところでもそれなりのシャッター速度で撮ることができるので手ぶれ補正は不要だと思っていた。

現在では、ボディ内手ぶれ補正があることで再びこの手の大口径レンズには手ぶれ補正が搭載されないものになった。

F1.4という大口径で中に入っているレンズの径も大きく、ただでさえ難しい85mm F1.4の光学系にわざわざ手ぶれ補正ユニットを入れてさらに光学系を複雑にする必要性があるのかは疑問に思っていたし、将来的にRFマウントに移行していくことを考えたらあのときIS付きレンズを出す意味があったのかは今でも分からない。

ボディ内手ぶれ補正とレンズ内手ぶれ補正どっちが良いのか問題はさておき、レンズ内手ぶれ補正の効きを試してみた。

開放で撮ってこれだけ細かい部分を見ているので、たぶん微ブレというよりはレンズの解像度の限界といった感じだろうか。

AF速度

細部を見ると列車の客室内にピントが持っていかれている感じがする、拡大して連写カットを見てみても客室内のピントが持っていかれているので、AF精度が悪いというよりは、追従はできているが追従する場所が間違っているというほうが正確だろうか。(これに関しては要再検証)

たぶん、自分が鉄道を撮り慣れていないという問題もあると思う。

ボケ、口径食

開放で撮影。
ボケとしては年輪などもなく全体的に綺麗。
ボケは周辺部はレモン型になるが開放ならまあこんなもんだろう。

F1.4
F1.4

SS 1/50で撮影したが、この焦点距離で1/50は微ブレを気にしながら撮る必要がある領域だと思うが、レンズ内手ぶれ補正のおかげで焦点距離の割にはブレを気にせずサクサク撮れるなと思った。(繰り返すが、レンズ内手ぶれ補正じゃなくてボディ内手ぶれ補正で良いと思うが)

解像度

絞り開放で撮影してみたが、屋根までシャープに撮影されていてEF 50mm F1.2Lとは比較にならない解像力があった。

画質評価

画質評価のためにレンズのアラを探すための撮影なのでまずは開放(F1.4)のみで撮影した。

このカットは間違えて1.6倍クロップで撮影してしまったので純粋な85mm F1.4としての作例ではなくなってしまったが、クロップで撮影して細部まで拡大したとしても「立ち飲み」の看板の針金の細部まで綺麗に描写されているので開放から十分な描写力があると思う。

ここからはクロップなしの85mmの画角。

鮮やかに撮ることも出来るが、淡めに撮っても発色が綺麗。

重量計測

リアキャップなしの重量は測定していないが、公称の950gは結構正確だった。
重量的にはまあ重いレンズだなって感じだが、70-200mmよりは軽いし、70-200mmほど長くないので重量が先端に来ないぶんそこまで辛い感じはしない。

サイズ感

サイズはEF24-70mm F2.8L II USMに比べて少し短いが、フィルター径は24-70/2.8が82mmなのに対して85/1.4は77mmと1段階小さい。レンズ本体の外径は85/1.4のほうが太い。重量では24-70mmに比べて150gくらい重いのでずっしり来るが70-200mmの重量を考えると許容範囲だなと思う。

総評

RFレンズのLレンズが欲しかったというお気持ち的な問題はさておき、概ね大満足ないいレンズだった。

良いところ

1,解像度は高い
デジタルの高画素全盛期に作られたレンズだけあって解像度は素晴らしい

2,大口径レンズにしてはAFは速い
意外なことにこのレンズはAFの動きはまあまあ速い。

3,レンズ内手ぶれ補正はよく効く(けど、ミラーレス的にはIBISでいいよな)
レフ機で使うことを考えたら、レフ機でも手ぶれ補正を使えるメリットはシーンによっては大きいので、暗所での利便性を考えると便利ではある。

4,ボケが綺麗
自分はモデル撮影とか撮影会では撮っていないのでなかなかチャンスはなさそうだが、玉ボケが綺麗なので夜景ポートレートなどに使ってみても綺麗だと思う。

5,純正の85mm Lレンズとしてはまだ安い方
RFマウントのRF 85mm F1.2L USMは約40万円してめちゃくちゃ高いが、今回買ったEFマウント版の85mm F1.4は中古では購入当時(2024年6月頃)、フジヤカメラのAB-品で14万円くらい、AB+品で16万円くらい、新品で21万円くらいと比較的入手しやすい金額だった。
最近、SIGMAのEFマウント版Artレンズの雲行きが怪しいので在庫があるのか、注文すれば買えるのか謎だが、SIGMAの85mm F1.4 Artが新品で11.5万円くらいだが、純正のレンズ補正や周辺光量補正が使えることや、レンズ内手ぶれ補正の利便性などを考えたら中古で安い個体に巡り会えれば14万円くらいから買うことが出来るのでアリかなと思う。

悪いところ

1,寄れない
このレンズは最短撮影距離が0.85mで、最大撮影倍率が0.12倍で全然寄れないので扱いやすさとか本体のサイズなども考慮するとRF 85mm F2などのほうが現実的に扱いやすいのは間違いない。

2,コンパクトではない
サイズ的には全然小さいレンズではない。(持ってみた感覚は良いし、バランスは悪くないが)

3,F値から考えると許容範囲だが重い
マウントアダプター込みの重量で考えるとRF 85mm F1.2と150gくらいしか差がないらしいし、実際に持ってみてもそこまで重くないので予算があるならRF85mm F1.2でもいいなって思うくらいにはこのレンズの重量は許容しているが、1kg近いレンズはやはり世間一般では重いと言わざるを得ない。

余談

今回、EF85mm F1.4L IS USM導入にあたりそこまでの金額自腹を切りたくなかったので手持ちのレンズを放出してレンズ代になってもらいました。

1本はEF24-105mm F4L IS USMで、高校時代から使っているレンズで付き合いも長く思い出深いレンズだった。自分も長いカメラ歴の中で金策のために思い出のあるレンズをこれまでもいくつか売却してきたので、今回もこれを売却していいのかはかなり悩んだが、もう5,6年は使っていないレンズだったし、同じような焦点距離をカバーする24-70mm F2.8などに画質面で完全に凌駕されてしまっているし、ミラーレス化に伴い将来的にはRF 24-105mm F4などの便利ズームレンズは導入しようか思っていたりと、今更このレンズを使うシーンが考えられなかったので防湿庫で眠らせておくよりは新しいレンズをお迎えしてカメコとして更に成長する原動力になるならと思い泣く泣く売却することにした

2本目はEF 50mm F1.2L USMで画角としては特典会の写メレギュレーションのときでも比較的扱いやすい距離感で撮れるので良いレンズと言えば良いレンズでしたが、解像度に一貫性がなく、絞りを開けていてもなぜか解像度が高いときもあれば、全然だめなときもあったりでおそらくピント精度があまり良くなく、撮れたと思ってもピントが悪かったりピント関連のトラブルに泣かされることも多かったレンズだった。あとは、このレンズは歪曲が多く撮影後にレンズの歪曲補正を使う前提で撮ることを考えるとレンズとしてどうなのか?と思ったところもある。データとして事後的に振り返るとこの状況だったら50mm F1.2の単焦点レンズを使うより24-70mm F2.8を使うので良かったなというシーンも多々あるので、それなら今は24-70mmで50mmの焦点距離はカバーしようという方針になった。
今回ポートレートの強化目的にEF 85mm F1.4を買うか、50mm域の解像度を向上させるためにSIGMAの50mm F1.4のどっちを買うかで悩んだが、自分はどちらかというと85mmの焦点距離のほうが好きだったのと、85mmを試してみたかったので純正レンズでAFも速いしEF85mm F1.4L IS USMをチョイスしてみた。

今回50mmを一旦放出しようと考えた理由はもう1つある。
最近新製品の噂として話題になっているが、CanonのRFマウント用の50mmはF1.2LとF1.8の2種類がでているが、F1.4Lが近々登場する噂がある。前日のRF 35mm F1.4Lの発表と、同様のコンセプトのレンズのラインナップ拡充の発表があったことで、そのうち50mm F1.4が登場するなと自分の中で確信が持てたので、どうせそのうち50mmは新調することになるなと思い今回のタイミングで売却を決断した。


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