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EF50mm F1.2L USM

レンズレビューシリーズ第?弾
今回も自分が所有しているレンズの中からの紹介です。


これまでの自分の経験的には、主にタワレコ渋谷B1や、ラフォーレ原宿のポップアップストアなどのライブではないイベント、あとはカメコとしての活動に関係なく旅行やスナップなどで使ったことがあるが、使用頻度が高いレンズではないので、このレンズに関しては積極的にいろんなカメコにオススメできるレンズではないかもしれない。

良いところ

F1.2と明るく、余裕がある

→レンズの明るさに余裕があるので光量が少ないシーンでも色々やる余地はある。

F1.6 ISO 2000 1/1000

ちょっと甘めな描写

→この特徴は悪いところでも挙げることになるが、このレンズは良くも悪くも描写が甘めだ。
描写がちょっと甘いのは割ることだけでもなく、最近のレンズは描写がちょっと硬すぎるのでちょっと線が柔らかいのは悪いことでもないと思う。

EOS R3+50mm F1.2
F1.8 ISO800 1/200
このレンズは描写は甘めだが、ちゃんとポートレートの距離で撮ればまつ毛のディテールもあるし、柔らかいが一応解像度もそれなりにはある。

ボケが綺麗

→このレンズは軽く収差が残っているのが味で、ボケに軽く色がつくし、背景は溶けるようなボケでちょっとグルグル系のボケな感じもるすし、ボケが綺麗なのはこのレンズの魅力だ。

重量が軽い、小さい

→比較画像がなかったので他のサイトを紹介するので見に行ってほしいが、サイズを比べるとかなり違う。(マウントアダプターをつけるとEF版も長くなってしまうが)
サイズ的な違いもあるが、重量的な違いではEF版は590g、RF版は950gと350gくらいの重量差があり、持ってみるとずっしりと重量差を感じる。

小さくて軽いというのはEF版の魅力だ。

悪いところ

AFが遅い

→レンズの描写力が甘めなので、AFが遅くてピントが追いつかないと尚更描写は甘くなる。
描写が甘めなこともデメリットではあるが、描写に関しては好き嫌いの問題もあるし、甘い描写も写真表現の1つなので、描写が甘いことに関してはすべての人にとってマイナスなわけではないのでまあよいとしよう。
このレンズの最大のネガティブポイントで、RF 50mm F1.2L USMが欲しくなる一番の理由かもしれない。このレンズに関してはLレンズなのにAFが遅くてライブ撮影ではAFの追従性が悪いのでそれによって撮れ高をかなり失っていると考えられるので、最新のRF 50mm F1.2L USMのほうがAF速度が速く歩留まりが良いと思う。

絞り開放では描写が甘い

→描写が甘めなのと、F1.2だと被写界深度が浅すぎるのでF1.8やF2.2とかで使用するシーンが大きがする。
24MPのEOS R3くらいではまだ許容できても45MPもあるEOS R5とかだとたぶんレンズの甘いところのほうが気になると思うので高画素機ではあまりオススメできない。

F1.6で撮影したが、容易にパープルフリンジが出ている。

RF版ほしいな…

自分はどちらかというとRFレンズの辛口評価な傾向で、EFレンズのほうが高く評価する傾向にあるが、このレンズに関しては予算があるならRF版を買いたいし、RF版をオススメしたい。(RF版を使ったことはないが、EF版はAFが遅いし描写が繊細すぎる

金額の問題

EF版の50mm F1.2は中古なら11万円くらい、新品で17万円くらい
RF版の50mmF1.2は中古で26万、新品で32万くらいで金額差がかなり大きいのでRF版が欲しいと言っても使用頻度も低いし、その金額なら70-200mmとかに投資したほうが良いので買うハードルが高いという難点はある。

他の選択肢

Canon以外の選択肢としてはSIGMAがあるが、執筆時に調べてみたらSIGMAは中古で7万円くらいからで、新品だと9.5万円くらいだった。
SIGMAの50mm F1.4は解像度が高いので硬めの描写が好きな人には良いかもしれないが、展示品で触ってみた感じAFはEF 50mm F1.2と似たりよったりでそこまで速くないのでAF速度が遅いのはEF版と共通の難点だ。

今後への期待

2024年6月追記

先日CanonからRFレンズに35mm F1.4のLレンズが登場した。そろそろ35mmが出るとは噂では言われていたのでF1.2かなぁと思って発表を待っていたが、今回はF1.4でF値はEF版から据え置きになり、重量もEF版では760gだったのが555gまで大幅に軽量化され、鏡筒のサイズもEF版に比べて小さくなった。

https://personal.canon.jp/product/camera/rf/rf35-f14lv/feature

さらにこの物価高のご時世では意外なことに、RF版の35mm F1.4はCanonの直販価格でもEF版より安い。メーカー直販価格が25万円くらいなので、ポイントのつかないマップカメラとかフジヤカメラだと23万円弱が実売価格になるのかな?と期待している。

RFの50mm,85mmのLレンズがそれぞれメーカー直販価格でそれぞれ約36万、41万とかなり高価な金額設定で、レンズのサイズも大きく、50mm F1.2ですら重量が1kgに迫る重量でかなり巨大で重く高価なレンズだったので、次出てくる35mmも高いんだろうなぁと思って冷めた目で発表を待っていたが、今回かなり大幅にコンセプトを変更して小型軽量低コスト路線にシフトしてきたので、次に単焦点レンズで登場するのではと言われている50mm F1.4Lなどもこのサイズ感や価格感だったら現実的に導入しやすくていいよなーと思う。(今出ているRF 50mm F1.2は使用頻度も考慮すると流石に高くてコストをペイできないから無理)

個人的に気になるポイントとしては、35mm F1.4にしては前玉のサイズが小さめな印象を受けるので周辺光量がどうなのかとかコンパクトな光学設計で弊害はないのかは気になるところだが、最近のレンズは各社とも多少の周辺光量低下は許容してデジタル補正前提の製品も多いので実用性的に軽ければまあいいかとも思う。(どうせ絞れば改善するし、開放での撮影ではISO感度が低いから周辺光量補正で多少増感されてノイズが増えたとしても大きな問題はないのでまあいいかと思う。)

あとは、フィルター径に対して前玉が小さく、もう少し鏡筒を小さくできたのではないかとか他にも気になるポイントもあるが、今回のフィルター径が67mmなので今後他にも登場してくる50mm F1.4とかのLレンズとかも同じフィルター径で使いまわしが効くならそっちのほうがフィルターのコストを抑えられるし、そのへんのバランスを考えてのこの設計かもしれないので、フィルター径に対して前玉が妙に小さい問題に関してはもう少し様子見したいところだ。

余談

余談だが、このレンズは静止画での使用目的の場合はND8フィルターの所有を推奨する。(実際には滅多に使わないが

ND8フィルターの所有を推奨する理由としては、野外でピーカンに明るいシーンで使用する時にF1.2で撮影する場合に白飛びしてしまうのでNDフィルターが必要な場合があるが、野外で50mm F1.2を使える撮可現場はライブハウスなど屋内でどちらかというと光量が不足している現場でカメコをやっていても遭遇率は低いと思う。50mmはライブよりはどちらかというと特典会の写真撮影のレギュレーションなどで使用することは考えられ、その中で野外のピーカンでF1.2で撮影するシーンはかなり限定されると思うのでほとんどの方は遭遇しないシーンなような気もするので使いもしない高いフィルターを絶対に買ったほうが良いって他人に言うのも悩ましいところだ…
逆に、そのようなシーンに遭遇してしまった場合にはND8フィルターがないと白飛びしてしまって開放で撮影することができなくなってしまうので、やはり転ばぬ先の杖ではないがF1.2のレンズを保有するならND8フィルターは持っておいたほうが良い。

屋内の暗いところがメインのライブ現場はさておき、スナップなどの用途での使用などでは、結構屋外のシーンも多くなり、NDフィルターがないと白飛びしてしまうシーンは夏場とかだと結構遭遇する。

F1.2やF1.4などのレンズを持ち出す場合は撮影不能なシーンが発生しないように一応レンズと一緒に持っていくアイテムな印象だ。

ND8フィルターは使用頻度が低いので、レンズフードが使えなくなってしまうデメリットはあるが、大きいサイズのフィルターを1枚保有して、ステップダウンリングで対応するのも一理あると思う。
参考としては、RF 28-70mm F2が95mm、RF 24-70mm F2.8やRF 135mm F1.8が82mmなので、そのへんを基準に将来的に所有しそうなレンズや現在所有しているレンズの最大径を基準にして大きいフィルターを1枚買ってそれで複数本のレンズのNDフィルターの役割をカバーするのでもいいと思う。


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