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アナログ営業会社にインサイドセールスを導入したら

営業マンが過半数を占める昔ながらの営業会社に、「インサイドセールスを導入したら、どうなるか?」の実体験を共有したい思います。

■結論:導入から10か月後の今は、
インサイドセールス自身のスキルと経験が不十分なので十分に機能していないのが実情です。加えて、インサイドセールスの導入は営業にとって、自分たちが行っていた活動の一部を奪われる気持ちになるので、受け入れられない人が多いです。そして営業マンは体に染み付いた営業スタイルを変えることに対して、否定的な人が大半を占めているのが現状です。

この記事を読んでいただきたい方

・インサイドセールスの導入を検討されているマネージャーの方
・インサイドセールスを導入して間もないマネージャーの方

まず、私の会社と業界の説明をしたいと思います。

私の会社はインテリア建材メーカーです。
会社設立時は業界の常識を覆す存在の会社で、業績は右肩上がりでした。
しかし10年以上経過した現在は、自らが覆した業界の常識に固執するあまり、他の会社に追いつかれ、差別化ができずにいます。

そのような状況になったことで、
設立から10年以上経過して「一気通貫型」から「分業型」の営業スタイルに変更することを余儀なくされました。

■一気通貫型
・「認知」→「育成」→「提案」→「クロージング」→「受注」を1人の営業マンが全てを行う。
・営業工程間の抜け漏れが少なく、受注率は高い反面、1人で全工程を器用にこなさなくてはならないので、営業マンのスキルで業績が左右されます。いわゆる個人商店化しやすい営業スタイルです。


■分業型
・営業活動をいくつかのフェーズに分けて、役割分担して活動する。
 「認知」→マーケティング
 「育成」→インサイドセールス
 「提案」→インサイドセールス・営業
 「クロージング」→営業
 「受注」→営業

一気通貫型の営業マンの活動の流れは、こんな感じです。

「認知」
・建築設計事務所の設計者やデザイナーに面談のアポ取りをします。
・新商品をカタログやサンプルを使ってPR。

「育成」
・定期訪問で接点を持ちながら、相談がくるような関係性を作ります。

「提案」
・設計者から依頼されたサンプルを持参して要望に沿った商品を提案する。

「クロージング」
・設計者と面談を重ね、図面に自社商品の品番を指定してもらう。
・施工をするゼネコンやサブコンへ訪問して価格交渉や納期調整する。

「受注」
・サブコンと価格と納期を調整して代理店経由で正式発注をもらう。 

私自身が、この営業スタイルを長く行っていた実感として、一気通貫型の営業スタイルが徐々に通用しなくなった理由は下の2つだと思っています。

1.ベテランになればなるほど、手持ちの顧客だけである程度売上が作れるので、「認知」の活動をしなくなる。そうすると将来のための新しい事務所や若い設計者との関係構築が疎かになる。売れる営業マンほど、活動内容はブラックボックス化しているので、売上が下がって事態が表面化するまで周囲は気づきにくい。

2.「認知」→「育成」→「提案初期」の過程が営業マンからインターネットで代替えされるケースが増えてきています。設計者は「提案後半」→「クロージング」段階で初めて営業マンに声をかけることが増えた。

以前、設計者に対して以下のようなアンケートをとったことがありました。「インテリア建材を探し始める際に、どの媒体を参考にしますか?」
「営業担当者から」と答えた人は、わずか6%でした。
この数字からわかるように、営業マンが活躍する工程は後ろの方に移行しているのだと思います。

このような状態が顕在化しているにも関わらず、今までの営業スタイルをずっと変えなかったので、ここ最近の業績は低迷が続いていました。

切羽詰まった状態に加えて、コロナウィルス感染拡大の影響で、訪問に頼った営業スタイルが制限されました。
ついに、ずっと先送りにしていた営業スタイルの変革をしなくてはならなくなりました。

そのために去年新設されたのが、営業出身者数名で構成されたインサイドセールスのグループです。そのリーダーが私という訳です。

今回はここまでにして、次回からはインサイドセールスチームがどのような活動をしてきたかを書きたいと思います。

最後までお読みいただいて、ありがとうございました。

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