ほんとうの豊かさとは
昭和31年、今の広島空港に近い集落で生まれた。
小学生の頃に一度父親と行った記憶があ る。そこは細い山道の傍らにせせらぎがあった。父は終戦の直前にこの地で原子爆弾を投下した エノラゲイを目撃したと言っていた。
日本の戦争に敗れてからの復興ぶりは目を見張るものがあり、多くの人は脇目も振らず働いた。 目指すものは何だったのか、いつか楽になれる。明日は美味いものが食べられる。家族のため に、の一心だったのだろう。裸電球一つで大方の家庭が貧乏だったが心は豊かだった。
世界で最 も幸福