80年代Japanese Rockの30曲 26位〜30位

------

下から順番に5曲ずついきましょうか。

30位 桑田りん/世界中の時計を止めてしまいたい夜(85)

佐野元春のプリティ・フラミンゴスなど、バックコーラス畑を歩んできたシンガーのデビューアルバム『世界中の時計を止めてしまいたい夜』より。事務所がりぼんだった縁か、当時ブレイカーズで活動してた真島昌利と篠原太郎が曲を提供。
これはマーシーの曲なんですが、オールドタイミーなロッカバラードで、ブルーハーツを始めてからは硬派なメッセージソングも多いマーシーのロマンティストな一面が出た名曲。そういうとこ、事務所の先輩、キヨシローと似てるのね。男目線の歌詞なんですが、それを女性が歌うってのも、なかなか粋で良いです。

29位 THE REDS/ジュリエット・ゲーム(89)

後にSCANDALなどを担当するプロデューサーとなる大平太一のバンド。件の本では、アルバム限定という縛りがあったので、マーキームーンに改名してからのアルバム『もっと強くなれるよ』を載せたんですが、本当に紹介したかったのはシングルオンリーのコレ。マーキームーンのアルバムとは別録音です。
これ、曰く付きの原曲がありまして、その「She's Standing」という曲は、白痴の売春婦というなかなか過激なテーマで、しかも言葉選びがストレートだったので(その歌詞のままで映画に使われた)、わざわざ誰かを傷つけるようなことを歌わなくてもいいと大平は説得され、リリース時には歌詞を大幅に変え、曲名も変更。それでも80年代らしいヒリヒリした熱さを孕んだ名曲となりました。

28位 ARB/抵抗の詩(89)

ARBは好きな曲が多くて困るんですが、楽曲単位だと初期に偏っていたので、あえて、変化球でこれを。活動停止前のアルバム『SYMPATHY』から。
ARBといえばワークソングなんですが、その根底にある負けん気というか、社会のシステムに潰されてたまるかという抵抗感が集約された曲ですね。こういうストレートなメッセージソングって、今の音楽シーンには本当に少なくって、ヒネリなしで熱さだけで押し通して、それがカッコよかったのは80年代ならではでしょう。個人的には、心の1曲みたいなところがあるかも。

27位 ROSY ROXY ROLLER/Baby Bang!(92)

ガールズバンド・ブームの中デビューしたことや、演奏があまりにもヘタだったこともあって、よくあるギャルバンの1つくらいにしか思ってない人も多いでしょうが、僕の評価は、オールディーズ調のパプロック・バンドという感じ。なんといっても、ニック・ロウのカヴァーやってるしね。
1stアルバム『ROSE BUDS』はいろいろ納得のいかない出来だったんですが、2nd『Rock Girls Rock』で個性を発揮し始め、3rd『BANG!』ではさらにスウィートに。これはそこからのシングル曲で、オールディーズ感覚たっぷりのロックンロール。なんと言っても、使い古された"BABY"という言葉をここまで新鮮に響かせるのは、ほんとにセンスがいいんだなと思った。甘ったるい平間希和子とピリッと硬派な西美由紀というツイン・ヴォーカルのツンデレ具合も良し。
この後、Rosyとバンド名を短縮して活動を継続。ちなみに、当時のギャルバンの中で最もルックスが良かったと思います。

26. PASSENGERS/With You(88)

個人的にはご贔屓のバンド。好きすぎて1曲が選べなくて26位に沈むというw もともとはヴォーカルの大野美樹をデビューさせるプロジェクトがバンドに発展。そう言った経緯もあって、この曲が収録されたデビューアルバム『GYPSY BLUE』は、ギターの森永淳哉以外はセッション・メンバーによる録音。当初はプリテンダーズを標榜しており、ソリッドでシンプルな楽曲とアメリカのロードムーヴィーを見ているかのような場末のドラマが展開するような歌詞がカッコよかった。
この曲はその最たるもので、届いた手紙を「過ぎた日々を封じたままに煙草の火で焦がしていく」なんてカッコ良すぎでしょう。大野美樹の綺麗なお姉さん然としたルックスに似合わないワイルドなヴォーカル(後にただの下ネタ好きと判明w)。特に森永のギタープレイは特筆モノで、音色のセンスの良さ、ソロの微妙にアウトな音使いで先が読めないフレージングなど、本当に素晴らしい。この曲のギターソロは、日本のロック史上に残る名演だと思う。それを支えたサポートメンバーの関雅夫のムダのないベースも凄い。8ビートでこのグルーヴはなかなか出ないです。

#japaneserock80s30songs #japaneserock80s #桑田りん #thereds #arb #rosyroxyroller #passengers

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?