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22枚目 ASTURIAS「Circle In The Forest」(1988年)

 前回、ヴィエナを紹介したので、ついでにアストゥーリアスをいってみましょう。そのつながりは何かって?ヴィエナのベーシスト、永井敏己がサポートしていたアフレイタスの後任のサポート・ベーシストが、このアストゥーリアスの中心人物である大山曜なのです。マニアックすぎますか?w

 アストゥーリアスは大山曜のソロ・プロジェクト。ここでの大山はベーシストである以上に、コンポーザーやアレンジャーといった方が正解かもしれません。アストゥーリアスはプログレと言われますが、基本的にはインストゥルメンタルで、曲によっては環境音楽やニューエイジ、イージーリスニングだといってもいいほど静かで心安らぐものがあります。特に初期のマイク・オールドフィールドに影響を受けているようです。また、大山自身はそのマルチプレイヤーぶりからも分かるようにエグベルト・ヂスモンチからも影響を受けているようですが、音楽自体にはヂスモンチのような高度なテクニックを主体としたものではありません。

 このファースト・アルバムは、4分台程度のコンパクトな曲が4曲と、22分超えのタイトル曲の計5曲を収録。どの曲もギターやキーボードの美しいサウンドが際立ち、あまりリズムを意識したものではないようです。曲のタイトル通りのものをイメージして聴くと、本当にそんな曲だったりして、プログレと言われながらこういうところは案外ヒネリがなかったり。例えば、「Ryu-Hyo」だったら(なんと氏が22歳の時に作った曲らしい)、まさに流氷がゆっくり流れていくイメージだったりするのです。そういった視覚的なイメージは、NHKのネイチャー系の番組のBGMに似合いそうっていえば通じるでしょうか。あえてマイク・オールドフィールドを意識したしたというタイトル曲の「Circle In The Forest」には、当時ZABADAKにいた上野洋子がVoiceで参加しています。

 大山はもともと元新月の津田治彦の元でスタジオ・ミュージシャンとして活動を始め、アストゥーリアスとしての活動を停止していた間は、ゲーム・ミュージックの世界でも有名になりました。何かのモチーフがあった上で作品を作るのが得意なタイプなのかもしれません。

 なお、2003年の活動再開以降、アストゥーリアスはレコーディング用のプロジェクト(Multi Asturias)、アコースティック編成のAcoustic Asturias、ロックバンド編成のElectric Asturiasと名前を使い分けて活動しています。

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