20240328_現物投資の相場感と見通し

※掲載しているすべての相場情報は2024/3/38付

あまりに資産が円と国内株式に偏っているので、リスク分散をしたいと思う今日この頃。そもそも、アセットがあまりに限られているので投資したところで旨味が少ないから、労働した方が良いとは思ってもいたが、昨今の株価の急騰や仮想通貨の値動きを見ると、何もしないのはあまりにアホだなと、そろそろ思い出した。
そこで、手がかりとして、まずは現物投資について、金・銀・プラチナの値動きと投資のポイントを簡単にまとめてみた。

結論、金へは三菱信託のETF「純金上場信託」に積立投資をするのがコストを抑えられて良さそうである(最低投資額7,300円程度、信託報酬0.44%)。
銀は今後の埋蔵量の制約やEVへの自動車業界への動きに合わせて、長期的に保有をしていくことが望ましい。
プラチナは、ボラティリティもあるため、金銀よりは優先順位は下がるため、あまり投資しない方が良さそうである。
なお、現物投資につき利息がつかないことがデメリットである。あくまでキャピタルゲイン狙いでの投資ということで、リスク分散の観点で一部を投資することが適切である。
ただ、三菱信託のETFが会社のコンプラ的に問題ないかは要確認である。


1. 金

1-1. 相場チャート

相場情報は以下のサイトから引用

長期チャート(1978年〜)
2000年頃に一度底を打ち300US$/tozとなっていたが、リーマンショックなどを経て価格は2012年に6倍となる1,800US$/tozに急増。
5年チャート
米国金利やコロナの影響で変動はあったものの、5年スパンで見ると1,300US$/toz→2,200US$/tozに相場は順調に上がっている。

1-2.投資のポイント

不動産を買うほどまとまった資金は用意できないが、インフレ対策で実物資産を保有したい――。そんな人にとって、金投資は有力な選択肢だ。金は主に宝飾品向けとして世界的な需要を見込むことができ、ドルなど法定通貨の代替資産として意識されやすい。金価格と連動するように設計された投資信託やETF(上場投資信託)もあり、それらを活用すれば100円や数千円などの少額から金投資に取り組むことも可能だ。
エモリファンドマネジメント代表の江守哲さんは、「日本人投資家にとっては金投資の妙味はある」と語る。円安が続く前提であれば、インフレヘッジと代替通貨の両方の側面でメリットが生じるからだ。楽天証券経済研究所のコモディティアナリスト、吉田哲さんはウクライナ危機の長期化にも着目する。実物資産の裏付けがある金は「有事の安全資産」ともいわれ、戦争や災害などで世界的にリスク回避姿勢が高まると買われる傾向にある。「市場参加者の"不安"を起因とした金の需要は今後も増えるとみている」(吉田さん)今後の金価格を読む上で鍵となるのは、米連邦準備理事会(FRB)の利上げの動向だ。江守さんは、「過去の実績を見ると、米10年国債利回りがピークを迎えるタイミングの半年前に金価格が上昇し始めている。つまり、利上げが終わるのを皆が織り込み始めた時に金が買われる」と話す。また吉田さんは、「ウクライナ危機で株価が不安定化し、景気後退のムードが強まれば、株や不動産の代替としての金に耳目が集まる」との見方を示す。
金投資をしたいのならば、現物の地金を買うという方法もあるが、一般に最も小さいサイズである5gでも4万円程度が必要だ(9月上旬時点)。さらに数千円の手数料がかかるケースもある。手数料がかからない500gなどで投資したいのならば、400万円程度(同)を用意する必要がある。「初心者であれば、積み立てのほったらかし投資が取り組みやすい」と吉田さん。これには貴金属会社やネット証券の純金積み立てや、金価格に連動する投資信託などを活用する手がある。運営会社などが保管するため、保管コストや盗難リスクが抑えられる。江守さんは、手数料の小さい投資信託やETFで少しずつ買い続けることを勧める。総資産の5~10%程度が保有の目安だという。「一度買って満足せず、例えば株式を買うタイミングなどでアセットクラス(資産分類)のバランスを見て、買い増していく癖を付けておきたい」(江守さん)

個人が取り組みやすい金投資
①純金積み立て
大手ネット証券なら月1000円からの積み立てが可能。g単位での定量購入もできる。現物に裏付けされている安心感があり、一定以上積み立てると現物との交換も可能。ただしコストはETFや投信よりも高めになる。
②ETF・投信
投信は100円から、ETFは数千円から投資できる。手数料を抑えて少額から投資することが可能。ETFでは難しいが、投信であれば自動積み立てに対応しているものもある。現物交換はできないケースが多い

日経マネー特集「円安で妙味が増す金投資 プロに聞いた賢い買い方 実物投資で稼ぐ(中)」(2022年9月29日)

2.プラチナ

2-1. 相場チャート

長期チャート(1978年〜)
5年チャート
5年間の間でかなりボラティリティがあり、最低600〜最高1,300US$/tozで値動きがある。

2-2.投資のポイント

(プラチナに投資妙味はあるか?)
最後にプラチナの投資妙味について考える。既述の通り、足元のNYプラチナ先物価格は供給制約による自動車生産の落ち込みと世界的な景気後退懸念を受けて大きく落ち込んでいるため、今後、供給制約が緩和して自動車生産が持ち直し、世界経済が失速を避けられれば、内外プラチナ価格は上昇に向かう可能性が高い。ただし、プラチナは保有していても利息や配当が得られないうえ、情報が少なく、価格の変動が大きい。世界経済に対する成長期待や自動車生産の回復を見込むだけなのであれば、配当を得られる国内自動車株を選んだ方が良いかもしれない。むしろ、プラチナ独自の強材料は「水素関連需要」だと思われる。プラチナは燃料電池(車)や水素製造装置の電極触媒に使われるため、世界が脱炭素を進めるなかで代替エネルギーとして水素が普及する場合には、需要増加と価格上昇が期待される。ただし、いつ、どの程度水素が普及するのかについては政治的な要因も絡み、不透明感が強い。また、今後技術革新が進んで、燃料電池(車)や水素製造装置のプラチナ使用量が大幅に削減されたり、代替材料が開発されたりすることで、水素関連需要が低減する恐れもある。プラチナが高価であることがその動機付けになる。つまり、投資家が水素社会の実現とそれに伴うプラチナ価格の上昇を期待するのであれば、プラチナに投資する意義を見出せるものの、不確実性が高いハイリスク・ハイリターン型の投資であることは念頭に置いておきたい。

ニッセイ基礎研究所「プラチナはまたも金の半値以下に~プラチナに投資妙味はあるか?」(2022年07月07日)

3.銀

3-1. 相場チャート

長期チャート(1978年〜)
40年スパンで眺めると5→15→25と価格は安定して成長。今後の埋蔵量を鑑みると、安定資産として安心感がある。また、デフレ局面で価格が上がるというのも、また良い。
5年チャート
2020年中に12→28US$/tozに価格が急増したものの、それ以降は安定。

3-2.投資のポイント

図表1の通り、銀の供給は2014年をピークに頭打ちになっている一方、需要は、工業用、宝飾品、投資など多くの用途で、増加傾向にある。その結果、銀の国際調査団体、シルバー・インスティチュートによると、2022年は2年連続の供給不足となり、不足額は過去最大となった。特に需要の半分近くを占める工業用途においては、最近、太陽光パネルの需要増が顕著となっており、今後の脱炭素やEV化の流れが銀需要を押し上げていくことが予想される。EV車は、ガソリン車の2倍の銀を使用すると言われている。

2.銀価格動向
銀1オンス当たりの対円価格は、2020年のコロナショックで急落した後は、世界経済の回復に合わせ、ほぼ一本調子に上昇を続けている。昨年のロシアによるウクライナ侵攻以降は、質への逃避として、金や銀の貴金属が選好されることとなった。その後、米国の金融引き締め開始によるドル高局面で下落に転じる局面もあったが、昨年末、米国のインフレ率がピークアウトすると、将来的な米ドル金利の先安観が台頭し、銀価格をサポートする状況になっている。

3.今後の銀相場の行方
一般論として、ドル相場と貴金属相場は逆相関の関係にある。理由としては、貴金属は金利がつかないため、ドル金利が上昇し、ドルが強含む局面では下落しやすい傾向がある。米国の金融引き締めが最終局面に入っている一方で、インフレ率の低下が、米国の賃金上昇圧力の高止まりや原油価格の高騰などにより停滞することで、利下げ局面への移行が来年以降に先延ばしされる状況にある。そのため、市場は、利下げが視野に入った段階で、ドル売りに動くが、当面ドルが下落しにくい状況と言える。これは、銀相場が対ドルで上がりにくいことを意味する。
更に、日本での銀取引は、対円での取引が主流のため、ドル円相場の行方にも大きく左右される。現在の日本のインフレ率の上昇により、今後、大規模金融緩和政策が修正されていくことで、昨年来の円安相場が終焉を迎え、円高に向かうと銀の対円価格も頭打ちになる
しかし、世界経済の潮流として、気候変動対策が重視される中、米国政府がインフレ抑制法(過度なインフレを抑制すると同時に、エネルギー安全保障と気候変動対策を迅速に進めることを目的とした法律)に基づく、国産車のEV化に多額の補助金を付与する施策が実行されており、銀の工業用途は、一層増加していく傾向にある。
また、銀の埋蔵量の制約から、銀の供給が2040年以降、枯渇に向かうとの分析もあり、長期的な需給が需要過多に傾くことで、銀価格が大きく上昇する可能性も取り沙汰されている
従って、短期的には、ドル高の継続如何では、1オンス3,000円程度まで調整するリスクはあるものの、中期的には、2011年以来の4,000円超えを試す局面も出てくるものと予測する。

てらす証券アドバイザーズ株式会社「上昇を続ける銀相場の現状と行方!」(2023年9月15日)








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