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コミュニティ運営が失敗するたった1つの理由と3つの関門


「この方法で本当にうまくいくの?」
「失敗しない保証はあるの?」

コミュニティづくりをお手伝いさせていく際、どうしても避けられない問いです。

僕はコミュニティのプロとして「成功します」と自信を持って回答しないといけない。

でも、それでも心のどこかで「本当に成功できるだろうか」と不安の渦が巻き起こります。

コミュニティの「変数が多いこと」を言い訳に逃げたくなる。自分のせいじゃないと言いたくなる。環境のせいにしたくなる。

そんな自分が情けなくて悔しくて、脳汁がブシャーと出てくる時間が毎案件に一度は振ってくるんですよね。

ただ、だいたいこの脳汁が出る瞬間が私の思考を新たなブレイクスルーに導いてくれる。絶妙な崖っぷちがサービスに新たな「解」を与えてくれる。
(この瞬間が超楽しい)

そしてついに最近ようやく「コミュニティが失敗する共通点」を導き出すことができました。

という訳で今回は「コミュニティが失敗するたった1つの理由」と「3つの関門」というタイトルで記事を書いていきたいと思います。

コミュニティが失敗するたった1つの理由


コミュニティが失敗するたった1つの理由、
それは「順番を間違えること」です。

どんなにいいコンテンツをつくっても、有能なメンバーがいても、順番を間違えればコミュニティは必ず失敗します。

その中でも最も多い間違いは、「熟成していないのに、大量の人を補充すること」にあります。

恋愛で考えてみるとわかりやすいかもしれません。

「知り合って」→「ご飯に行って」→「デートして」→「告白して」→「付き合って」→「体の関係を持って」→「結婚する」という感じでまあ全てではないですが、それなりに順番が決まっていると思います。

恋愛工学ではACSモデル(「魅了して→安心させて→勝負に出る)という勝ちパターンが非常に大事と言われているように、「順番」はどの局面においても重要なものとなります。

コミュニティおける上記の「熟成していないのに、大量の人を補充すること」は恋愛でいわば「まだ知り合って間もないのにいきなり結婚を申し出るようなもの」です。

ちょっと色々手順が飛んでいますよね。

でも何故かコミュニティ運営となると大体が順番を間違えて失敗してしまいます。

この原因でよく多いのは、コミュニティの成功の定義が「会員数の増加」にあると思ってしまっているからです。

コミュニティの成功は会員数ではなく、「本当にオススメしたいと思える場所と思ってくれる人が何人いるか(NPS)」なのです。

仮に5000人メンバーがいたとしても、だれかにオススメしたいと言う人が誰一人としていなければ「失敗」でしかないです。

くれぐれもPRなどにある「コミュニティ会員数〇〇人!」なんてキャッチフレーズに惑わされないでください。

コミュニティ成功のために抑えておくべき最重要ポイントは「小さくコツコツ丁寧に始める」です。

3つの関門

もう1つ。

コミュニティを諦めてしまう「3つの関門」についてもお話したいと思います。

関門その①「把握」


コミュニティの第1関門は「ニーズの把握」です。
これが関門になる理由は「1on1不足」にあります。

どうしても企画者は「いいコンテンツをつくること」に注力しがちです。
たしかにいいコンテンツをつくることもコミュニティの成功において必要な要素ですが、それ以上に大切なのは「メンバー1人1人を知ること」です。

コミュニティに参画してくれる1人1人を知ること。
その人のストーリーを知り、葛藤を知り、「好き」を知る。ここからしかコミュニティは始まりません。

コミュニティの基本は「1on1」にあるのです。

関門その②「浸透」


コミュニティの第2関門は「浸透までの時間」です。
これが関門になる理由は文化浸透の段階で声掛けを諦めてしまうことにあります。

文化浸透には、いいコンテンツを企画するだけでなく、「根気強く声をかけ続けること」が重要になります。

正直イベントに誘うことは怖いです。
DMされたら無視されるし、リアクションは薄いです。
それでも、めげずに誘い続けることが大切です。

もし「誘い続けること」に葛藤があるのであれば、安心してください。

「誘われて嫌だと思うメンバーなんて誰もいません」

そもそも、無機質に無視するようなメンバーはコミュニティのオンボーディングフェーズには必要ない層なので、気にする必要はないです。

なので気にせず誘い続けてください。
その情熱は必ずメンバーに伝わります。

たった1人でもその情熱が伝わればそれはもう立派な「文化浸透」です。

だから諦めずに声をかけ続けましょう。

最悪コミュマネ(私)がついてます。
どれだけメンバー無視られても僕だけは本気で向き合う貴方を肯定し続けるので、安心して声をかけてください。

関門その③「確信」


コミュニティにおける最後の関門は「サービスに対する確信」です。
これが簡単なようで、一番難しいポイントです。

「何かを信じ続けること」は非常に怖いことです。
だから自然と疑いたくなる。

「このプロダクトはイケてない」
「この会社はマネジメントが下手だ」
「こいつはいつ裏切るかわからないから関わらない」

気持ちはわかります。
けれども、信じないと何も始まらないのも事実です。

もしかしたらそのコミュニティのサービスは不完全なものかもしれない。
競合製品よりUIはイケてないし、機能も充実していない。挙句クレームも沢山来るもんだ。
メンバー同士の仲もそこまで良くない。

それでも、そのプロダクトの価値を信じて欲しいし、
コミュニティの価値を信じて欲しいと思います。

メンバーたった1人が信じ続けることでそのプロダクトは世界を震わす革新的なものに変わるかもしれない。

わたしがコミュニティマネージャーとして関わった経験で生み出された「革新的なもの」は頭のいい人のアイデアではなく、いつもたった1人の「盲信者」でした。

コミュニティ運営の成功を促すものは最終的にはスキルでも能力でもありません。
「サービスに対する確信」なのです。

コミュニティは「確信の伝染」によって熟成し、大きなエネルギーとなり、あらゆる人を熱狂させるプラットフォームへと変容します。

どれだけ素晴らしいコンテンツを企画したとしても、イケてるビジネスモデルを考えたとしても、優秀な人材が揃っていたとしても、「確信」なしでコミュニティが成功すること絶対にありません。

たった1人、貴方の「確信」が、コミュニティを動かす最初の原動力になることを信じて、どうか諦めずに一緒に走り続けてくれたら嬉しいなと思います。



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