『評伝中勘助』覚書(2) 伊東静雄の日記より

昭和18年9月15日
《・・・帰りに中勘助の『蜜蜂』を買つてよむ。・・・『蜜蜂』は自分の近来の心持に云ふに云はれぬ静粛・沈静の気分を与へてくれる。感謝する。一字一字指で押へてよみたい心持也。》

同年9月21日
《『銀の匙』よみ了る。》

同年9月26日
《弘文堂で四時まで署名やら発送の準備、弘文堂に托したものは四十五冊。》

第三詩集『春のいそぎ』。昭和18年9月10日、弘文堂書房から刊行されました。謹呈先の44人の名が列挙されている中に、三好達治、井上靖、保田與重郎、田中克己、佐藤春夫、神保光太郎、大木惇夫などに混じって「中勘助」の名が見えています。





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