見出し画像

セアカゴケグモ調査記録3

セアカゴケグモ調査記録3記事目です。
今回は新しい調査ではなく、過去の調査記録のまとめです。今後、必要となった時のことも踏まえてまとめておこうと思います。
2022年11月19日
岡山県倉敷市玉島
この時はセアカゴケグモの調査・駆除を初めて1回の駆除数が最も多かった時の記録です。
2022年の11月頃、ニュースでセアカゴケグモと似ているハイイロゴケグモが取り上げられたことがありました。岡山県内でもハイイロゴケグモの発見報告はなされており、玉島地区近辺での報告があることから当初はハイイロゴケグモの調査を行う予定で向かいました。
残念ながらハイイロゴケグモは発見できませんでしたが、異なる発見のある1日となりました。

公園等でもみかけるベンチ

セアカゴケグモはこういった木製ベンチの支柱等によく巣を作るので、こういったベンチの裏側等を中心に捜索します。

ベンチの裏側にいるクモ

セアカゴケグモを調査する時によく他のクモを見かけますが、こういった他種類のクモを見つけた場合は駆除せずに放置します。生息環境が似ている他種のクモが居る場合はセアカゴケグモが侵入、定着することを抑止することにも繋がるので駆除してはいけません。
クモの巣を発見した場合に無闇に殺虫剤を使用するのではなく、セアカゴケグモかどうかを判断して駆除を実施しないといけません。

セアカゴケグモ雌雌成虫

他のベンチを捜索しているとセアカゴケグモを発見しました。セアカゴケグモを発見した場合はピンセットで取り除いてから潰すか、少量の殺虫剤を吹き付けて弱ったところで駆除します。出来るだけ周りの環境に負荷をかけないように注意する必要があります。

公園に設置された台

こういった器具もセアカゴケグモが好む環境なので、支柱や裏側部分を捜索します。


支柱に作られたセアカゴケグモの巣


複数のセアカゴケグモ幼虫

この台は支柱の隙間が多い為か複数のセアカゴケグモが巣を作っていました。同じ巣に複数の幼虫や成虫が潜んでいる場合もあったため、セアカゴケグモが高密度に生息している環境となっていました。

ベンチの支柱に作られたセアカゴケグモの巣

付近にあるベンチの支柱をみると、頑丈な糸で編まれた塊を発見しました。一見するとクモの巣とは思えないですが、これもセアカゴケグモの巣です。

セアカゴケグモ雌成虫と卵嚢

編まれた糸を剥がすと中からセアカゴケグモの雌成虫と卵嚢が出てきました。セアカゴケグモは頑丈な支柱糸で住居部分を作り、普段はその住居部分に隠れています。住居部分は枯れ葉やゴミで覆われてよく解らないことが多いですが、この時は綺麗な状態で住居部分が確認出来ました。


木製のベンチ

この時の調査で最も驚いた部分としては木製ベンチに多数のセアカゴケグモが営巣していたと言うことです。写真のベンチは長辺が2mほどの木製ベンチで敷地内にいくつか設置されていました。

支柱との隙間に作られた巣

ベンチの隙間を見ると虫の死骸と編まれた支柱糸が確認出来ます。この様なセアカゴケグモの巣が各隙間に作られていました。


成長段階が異なるセアカゴケグモ

成長の段階が異なる複数のセアカゴケグモが同じベンチに巣を作っていると言う状態でした。


セアカゴケグモの若虫と幼虫


1つのベンチから駆除したセアカゴケグモ

1つのベンチに10頭以上のセアカゴケグモが営巣していると言う場合もありました。セアカゴケグモは余り大きな巣を作らなくても生息出来るので、隙間の多いベンチは多数のクモが共同で生活するのに適していたということかもしれません。


フェンスにいたセアカゴケグモ


自動販売機の根元に作られた巣

ベンチだけでなくフェンスや自動販売機の台座等様々な場所に多くのセアカゴケグモが営巣していました。
この日の調査でセアカゴケグモの雌成虫26頭、若虫41頭の合わせて67頭のと複数の幼虫を駆除しました。数時間の調査でこれだけの数のセアカゴケグモを駆除したことはなかったため、最も駆除数が多かった1日となりました。
セアカゴケグモは現在45都道府県で生息が確認されており、もはや普通種と変わらないと言われるほどに生息数が増えている状況です。
身近な環境中にセアカゴケグモが侵入してきていないか日頃から注意して観察する必要があります。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?