願いは叶う

　こうなりたい
　ああなりたい

　ああしたい
　こうしたい

　あれがしたい
　これがしたい

　一つも願いはかなわない

　こうなればいいのに
　ああなればいいのに

　ああしたいなあ
　こうしたいなあ

　あれがしたいのに
　これがしたいのに

　一つも願いはかなわない

　どうして願いが叶わないんだろう？
　もしかして、願う内容が悪いのか？

　別のことを願ってみよう。

　お金が欲しい
　彼女が欲しい
　時間が欲しい

　働きたくない
　何も考えたくない
　動きたくない

　眠っていたい
　いやな事を忘れたい

　ようやく願いが叶った

　働きたくない、動きたくない
　交通事故にあって働けなくなった、身動きできない

　ようやく願いが叶い始めた

　眠っていたい
　好きな時間に寝て起きる生活になった。

　ようやく願いが叶う毎日がやってきた

　時間が欲しい
　入院中有り余る自由時間が手に入った

　ようやく願いが叶う喜びを知った

　お金が欲しい
　保険金が支払われてお金が手に入った

　ようやく願いを叶えて満たされるようになった

　彼女が欲しい
　僕の世話をしてくれていた看護師さんが彼女になった

　ようやく願いが叶う幸せを噛み締める日々がやってきた

　いやな事を忘れたい
　嫌なことばかりか、いいことまで忘れるようになってきた

　二分前の事が思い出せない
　ここがどこだか分からない
　今が何時なのか見当もつかない

　自分の目の前にいる人が誰だか分からない。
　自分が何をしているのか思い出せない。
　自分の名前が思い出せない

　これは誰が書いたものだったかな
　これは何と書いてあるのかな

　これは何だろうかな

　なんだったかな

　まあ…いいか

　何もかも忘れた僕は……。

　ぼく、は・・・・・・？

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昔何の気なしに目にした外国の格言？だったかなんかに、神様に感謝を伝えるやつがあって、その内容が『お金を与えてくれなかったから小さな幸せに気づく事が出来ました』『健康を与えてくれなかったので生きる意味を知りました』『友を与えてくれなかったので人の温かさを知りました』みたいな感じだったんですよ（うろおぼえ）。で、その卑屈さにドン引きしたと同時に…あまりにも気持ちがわかりすぎてですね。しばし闇落ちした過去があります…。