【冷蔵庫腐らせ組緊急ブリーフィング】ブロッコリー司令官不在につき

冷蔵庫腐らせ組隊員の諸君、キャベツ・ブラック隊長だ。

こんな時間に集まっていただき、申し訳ない。緊急に伝達する案件ができた。

結論から言おう。

ブロッコリー司令官がファンレターを募集していたのが、奥方にばれた。

基地内の私信については、軍事機密漏洩防止のため、わたしが内容を点検しているのは諸君もご存じのとおりだ。

最近増えたブロッコリー司令官へのファンレターも点検して、司令官のところへ持って行こうとしたら、なぜか突然、奥方が現れたのだ。

「それ、主人へのファンレターですよね。見せてくださるかしら。」

そう奥方に言われ、一応俺は抵抗した。

「いや、しかし……」

がしかし、司令官の奥方は美人だ。

透き通るような色白の肌に、エメラルドグリーンの瞳。あの目で見つめられて嫌だと言える男はいないだろう。

「見せてちょうだい。」

俺はあっさり白旗をあげ、奥方にファンレターの束を渡した。

奥方は、こめかみをふるふるさせながら、中身を見ていたが、読み終わったら、持ってきたテープのりで再び元通り手紙に封をして、束を俺に手渡した。

「じゃあ、これ主人に渡してくださるかしら?」

「よろしいのですか?」

「ええ、かまわなくてよ」

そう言って、奥方はにっこりほほえんだんだが……

いいか、美人が怒ってるのほど怖いもんはないぞ。

だからな、諸君。これは、隊長命令だ!!

万が一、後日、ブロッコリー司令官になにかあっても、

「あれ? 司令官、葉っぱがちぎれてますけど、どうかしたんですか?」

とか、

「あれ? 司令官、頭のつぶつぶもげてますけど、どうかしたんですか?」

とか、

「あれ? 司令官、幹がえぐれてますけど、何かあったんですか?」

とか、絶対言うんじゃないぞ!!

何かあっても全力でスルーしろ。

見なかったことにしろ。

違反したやつは、減俸だ。

緊急ブリーフィングは以上だ。

いいな、諸君、忘れるなよ?



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