【これ、うまくいくの?】

今晩も進めていきます。

タイトルを見ても何の話なのかわからないと思います。

今回はソニーとホンダのEV(電気自動車)事業提携についてです。

みなさんはこの取り組みがうまくいくと思いますか?

わたしの予想は「NO!」です。

理由は以下でお話していきます。


●どうしてうまくいかないの?

まず、うまくいかない理由として多くの人が思いつくのは次の2点だと思います。

①テスラや中国メーカーはずっと先に進んでおり、いまさら追いつけない。

②スピード感がなく、合意形成に時間がかかる組織では難しい。

新会社の出資比率など、詳細はまだわからないのですが、2つの会社が共同で1つの会社を立ち上げること自体、②に陥りそうな予感がするのはわたしだけではないと思います。


実はもう1つうまくいかないと思う理由があり、そちらのほうが本命です。

それは「ホンダ本体のEV戦略とは別に取り組む」(引用元:日経新聞3/4付記事より)としている点にヒントがあります。

つまり、EV事業が2つできる⇒人・モノ・お金が分散⇒足の引っ張り合い⇒テスラ・中国メーカーははるかかなたへ という図式が思い浮かんだのです。

経営資源を分散することがもしかしたら、ホンダ自体のEV戦略・今回の提携どちらかが失敗してもリスク分散しているので影響は抑えられる、と考えているのかもしれませんが。深読みしすぎですかね。

(ホンダ単体の)EV事業を競い合わせて相乗効果を狙う、ともホンダの社長は述べているのですが、そんな余裕があるのかなと。




いま、「サイロ・エフェクト 高度専門化社会の罠」(ジリアン=テット著 土方奈美訳 文藝春秋)という書籍を読んでいます。

サイロというのは、収穫した穀物を保管しておく、細長い塔のようなものです。日本ではあまりなじみがないので著者は「たこつぼ」と表現しています(P95を加工)。

どういうことかというと、専門家集団は専門性のゆえにほかの部門と協力はおろか、情報交換さえおこなわず、自部門の利益追求にのみ明け暮れている、という意味です。

会社にとって致命的な影響を与える可能性のある情報を得ても組織内で共有されないため、会社自体が衰退していく、ということになります。


前著第二章「ソニーのたこつぼ」でウォークマンの後継として互換性のない3つの製品を出したことを例に著者はその弊害を説明をしています。

今回の事業連携とは状況が異なるかもしれませんが、それと同じようなことにならないか、非常に気になるところです。




●まとめ

・今回の提携はおそらく、うまくいかない。

・テスラや中国メーカーとはスピード感や合意形成面で大きく異なっており、追いつくのは難しい。

・ホンダのEV戦略とは別の事業として取り組むことで経営資源が分散してしまう(リスク分散?)。

・ホンダ自体のEV戦略と今回の共同出資会社との間で情報共有がなされないと、共倒れの可能性


以上となります。

それではまた!

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