全館空調の入替工事もやったりする
現在の家作りに求められる「快適・省エネ」についての技術的ポイントを
工務店側の視点でご紹介。
全館空調が日本に導入されて久しい。
(と、書いたものの黎明期は知らない。
すわりが良いからこう書きだしてみる。)
建物は20年、30年と齢を重ねていくが、そこに搭載された空調設備は10~20年の間に交換を迎える。
よって、設備更新が発生する。
しかし、いざ壊れた時、
「どうやって交換したらよいか分からん。」
とか「新築の時に導入した設備メーカーに見積とったら途方もなく高かった。」という声が多い。
実は交換はそんなにややこしくない。
当時の全館空調システムはアズビル、デンソー、パナソニックだったり、ダイキンだったりだが、今まで入替できなかったことはない。
入替にはほとんどのケースでダイキンのパッケージエアコンを採用する。
こやつはエアコンとしては「半製品」で、吹出側と吸込側にオーダーメイドで吹出チャンバと吸込チャンバを製作してそこに既存ダクトを接続する
接続する既存ダクトは2本しかない場合もあれば、8本ある場合もある。
8本。タコ足。
そうなると、エアコン本体とタコ足をつなぐ吹出チャンバは8個のダクト接続ができるように仕込む。(イメージ画像参照)
吹出(吸込)チャンバーはメーカー純正品もある。
こうやって、本体を入れ替える。
既述したように、ダクトは既設のものを使う。同様に冷媒管やドレン管も既設品を使う。
当時から全館空調は熱交換気と接続されていた。
入替工事でも熱交を採用する。
エアコンにダイキンのパッケージエアコンを採用した場合は熱交もダイキンの熱交「ベンティエール」を使うことが多い。
ベンティエールはダイキン製のパッケージエアコンと連動するので、運用しやすい。
事ほど左様で、ダクト工事、冷媒・ドレン工事もないので、意外と工事は簡単に完了する。
つい先日も入替工事があった。
場所は愛知県某所。
築15年ぐらいの2×4住宅。
施主は中古物件でこの住宅を取得したが、全館空調は壊れていた。
いよいよ入居する段になり、リフォームを担当した工務店に相談したところ
その工務店も対応に困り、なんとか私にたどり着いた。
矩勾配の小屋裏内にパナソニック製のダクトエアコン2台と熱交換気が2台設置されていた。
梅雨の中休みの暑さの中、小屋裏の作業となったが、幸いにも屋根断熱だったので断熱区画内での作業となった。
小屋裏内は高さもあり作業はしやすく、スムーズに2日で工事は終わった。
試運転を行い、吹出口の温度を計測し作業を完了した。
エアコン入替作業なので、エアコンが効いていない空間での作業。
それが唯一しんどい作業だ。
そんなこんなで、今後も昔の全館空調入替どうしよう、という案件は続出すると思う。その際は「入替できない案件はほぼない」という事実と「意外と簡単に工事できる」という事実を知っておいてほしい。
また、そういう案件がある場合、エリアを問わず相談に乗るので是非声をかけていただきたい。
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