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Numberの表紙を将棋棋士が飾る快挙!

これまでの人生で一度だけ、私の氏名が全国中継のテレビ画面に流れたことがあります。小学生の頃、NHK教育テレビの「将棋の時間」で出題された詰将棋に正解し、抽選に当たって名前が載りました。後日、前年のNHKトーナメント覇者である羽生善治さんの扇子をいただき、今でも大事に保管しています。

爾来、将棋を勉強する際には、分からないながらも『羽生の頭脳』シリーズを片手に、駒を並べてました。すっかり羽生ファンになり、1996年に、空前絶後の七冠制覇を羽生さんが成し遂げた時には歓喜したものです。

その十二年後、その羽生さんが永世竜王戴冠(=永世七冠戴冠)を目指して対峙したのが若手ナンバーワンとの呼び声の高かった渡辺明さんでした。羽生さんは、三連勝からの四連敗という主要棋戦で初の逆転敗退で渡辺さんに敗れたのが2008年でした。

さらに十二年後の今年。現役最強の呼び声高い渡辺さんから、史上最年少でタイトルを奪還したのが藤井聡太さんです。羽生さん、渡辺さんのすごさを見てきた身からすると、藤井さんのすごさには感じ入るばかりです。

これだけすごいと、あのスポーツ雑誌の表紙を、藤井さんが飾るのも驚きましたが納得的です。チャンピオンズリーグ(CL)の決勝がたった二頁しか割かれないのにはびっくりですが(笑)。

さすがナンバーだなぁと思ったのは、現役の棋士たちによる藤井さんに対する評価や感想がふんだんに書かれている点です。さすがの取材力です。中でももっとも印象的だったのは、藤井さんの初タイトル戴冠の引き立て役になった渡辺明さんへのインタビュー記事です。

「過去にもタイトル戦で負けたことはあるけど、この人にはどうやってもかなわない、という負け方をしたことはありません。でも今回はそれに近かった」(32頁)

羽生ファンの身としては、2008年の竜王戦での逆転負けは衝撃的で、渡辺さんの強さに驚きました。その後の渡辺さんの活躍はご存知の通りで、現時点では現役ナンバーワンの棋士と言えるでしょう。その人物をしてここまで言わしめる藤井さんの凄み。これからも目が離せないですね。早くNHKの「プロフェッショナル」に出てくれないかなぁ。


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