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461個のおべんとう

自分が高校生の時を色々と思い出した。うちの母親は自分が料理が上手いと思い込んでいるフシがあるが、正直言って、他人に見せるものではないと感じていたので、弁当なんて作らなくてもいいよと思っていた。残り物を煮たり焼いたりしてごまかしたものがおかずになることも多かった上に自分はチャリ通だったから、カバンの中で汁もれしたり、においがこびりついたりすることも多かった。だから、弁当作りをフェイドアウトするように仕向けたんだよな…。

でも、自分の通っていた高校は都立高校なので、いわゆる学食もないし、購買でのパンの販売もわずかな量しか行われないので買い逃すことも多かった。そして、下校するまでは校外に出ることを原則禁止されていたので、近隣のコンビニやスーパーに行くこともできなかった。

なので、途中からは登校前にコンビニで買ったパンとかを食べたることが多くなったような気がする。

 それはさておき、映画自体の出来は微妙だった。面白いけれど、“おべんとう”作りに生きがいを見出した父親を描きたいのか、両親の離婚に巻き込まれた高校生の葛藤を描きたいのか中途半端だと思った。親子の両方をジャニーズメンバーにするということで、両方を立てなくてはならないから、こういう中途半端な内容になったのではないかなという気もする。

ところで、本作では息子がさんざん、受験ノイローゼのような状態になり、かつてのドリカム状態のような関係の同級生2人に当たり散らしていたが、進路が決まらないうちに、“今日が最後の弁当だ”となっていて、思わず、“受験の話はどうした?”って言いそうになった。

確かに高校3年になると、2月以降は登校回数が減るけれど、その最後の弁当の前に息子がドリカム的仲良しグループの紅一点のみを誘ってライブに行っていたから、受験はどうでもよくなっていたのかな?まぁ、あまり、細かいことは考えていないんだろうなとは思った。

 そういえば、この息子の携帯画面が映るシーンがあったが、そこに記されていた父親の名前が“父親”とか“お父さん”とかではなく、フルネームだったことに、ちょっと驚いた。それだけ、父親との距離感があるってことなんだろうな。自分なんか、母親にイラつくことがあっても、携帯には“母親”と登録しているからな…。

 それにしても、森七菜って出る作品ごとに違う人物に見えるな。それだけ、演技力があるってことなんだろうが。今回のちょっとウザい女子も可愛いかった。本作の息子とは同級生だけれど、1歳年下の女子って設定だが、年下の娘に下の名前で呼び捨てにされるっていいよね。そして、今回も思った。森七菜って肉食系女子の役が合うよね。本作にしろ、朝ドラの「エール」にしろ、声優としてのヒロイン役での出演作「天気の子」にしろ。まぁ、全部、同じ人には見えないんだけれどね。

 それから、野間口徹がまた、マネージャー役をやっていた!最近ではWOWOWドラマ「有村架純の撮休」でもやっていたが、彼のマネージャー的イメージって「AKB48SHOW」のコント「妄想少女」シリーズでSKE・大場みなるんのマネージャー役をやったおかげで定着したような気がするな。というか、本作で彼をマネージャー役でキャスティングした人の頭の中には、このイメージが絶対あったはず!

 そして、ふと気付いた。本作って、ジャニーズメンバー主演映画としては画期的な作品なのではないかと。先述したように父親役(V6・イノッチ)と息子役(なにわ男子・道枝)が両方、ジャニーズの現役アイドルというのはレアなケースだよなと思った。というか、V6好きのオーバー30と、関西ジャニーズJr.をはじめとする若手のファンである彼らと世代の近いアンダー30。その両方をターゲットにする映画が作られるようになったってことに驚いた。

「検察側の罪人」でキムタクとニノが共演したけれど、SMAPのコアなファン層と嵐のコアなファン層は親子2代ってほど離れてはいない。親子2代でSMAPや嵐のファンってのはいるだろうけれど、コアなファン層はSMAPが40代から50代半ば。嵐が30代から40代前半くらいだろうからね。

「エイトレンジャー」シリーズで関ジャニとヒガシが共演というのもあった。コアなファン層でいえば、親子2代くらいにはなっているだろうが、でも、あのシリーズはあくまで、関ジャニがメインの作品だった。なので、本作のように、ベテランと若手がW主演というのは珍しいケースだよなとは思った。

90年代前半までのジャニーズは、スクラップ&ビルドだったが、90年代後半以降は活動期間が長いグループも増え、それだけ、ジャニーズのファン層も拡大していったってことなのかな?

 最後に一つ、どうでもいいことだが、冒頭の背景紹介シーンに流れる音楽、何かに似ているなと、ずっと考えていたが、TOTOの「パメラ」だよね、アレ?

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