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劇場総集編 SSSS.DYNAZENON

本作は、2021年に放送されたテレビアニメ「SSSS.DYNAZENON」の総集編映画だ。

円谷プロダクションの特撮ドラマ「電光超人グリッドマン」から派生したアニメ作品の第2弾で、2018年放送の第1弾「SSSS.GRIDMAN」とともに「GRIDMAN UNIVERSE」というものを形成しているそうだ。「SSSS.GRIDMAN」の方も今年1月に総集編映画が公開されている。
今のところ、「SSSS.GRIDMAN」と「SSSS.DYNAZENON」のストーリーは直接繋がっていないようにも見えるが、間もなく公開される新作映画のタイトルが「グリッドマン ユニバース」となっているということは、おそらく両作品のクロスオーバー的な内容なんだろうね。

ちなみに、「SSSS.GRIDMAN」も「SSSS.DYNAZENON」もテレビ版は見ておらず総集編映画のみの鑑賞となっているが、その程度のライトな視線で作品の印象を語らせていただくことにする。

両者とも円谷作品ということで、「ウルトラマン」シリーズや「ゴジラ」シリーズなど円谷が関わった特撮作品の世界観がベースにあるのは言うまでもない。
それにプラスして、ロボットが登場したり、チームを組んで戦うなど、東映の戦隊シリーズの影響も感じる。
さらには、「エヴァ」のように怪獣とかロボットを超えた得体の知れない存在も出てくるし、主人公たちには「まどマギ」のように厳しい宿命が課せられているのでセカイ系の要素も高いと思う。

あと、どちらもエンディング曲は内田真礼で(「SSSS.GRIDMAN」は“youthful beautiful”、「SSSS.DYNAZENON」は“ストロボメモリー”)、しかも、どちらもかなりの良曲。

巻き込まれた高校生たちがヒーローとして活躍することになる。

ヒロインがめちゃくちゃ可愛い。

こんな辺りが共通点だろうか。

その一方で相違点もある。

「SSSS.GRIDMAN」は「エヴァ」や「まどマギ」に匹敵するような衝撃的な展開が待っているが、「SSSS.DYNAZENON」はそこまでのダークな展開はないし、ちょっと投げっ放しの設定もある(ネット民が無闇矢鱈に使う言葉で言うところの伏線回収されていない状態)。

また、総集編映画としての出来は「SSSS.GRIDMAN」は、テレビシリーズの各エピソードのサブタイトルを途中で展開が変わるたびに入れていたせいでダイジェスト感が強くなり、そのせいでテンポも悪くなっていて映画としては非常に出来の悪い作品だった。

これに対して本作はそういう編集をしていなかったのでダイジェスト感もなく全体を通して1本の作品として楽しむことができた。
まぁ、“○○の時は✖︎✖︎だったよね”みたいに言っていたシーンはおそらく、テレビ放送時にはきちんと流れていた場面だと思われるので、そういうところはうまくごまかせなかったのかなとは思ったけれどね。でも、映画としての出来は本作の方が良かったとは思う。

まぁ、2本の総集編映画ではよく分からないことも多かったので、それは間もなく公開される両者がクロスオーバーすると思われる完全新作映画で解決されると信じておこうと思う。
それぞれの総集編映画のエンドロール後の追加シーンらしきものって、おそらく映画につながる場面なんだろうね。
どちらもクリフハンガーとしては良くできたシーンなので、新作映画を見るのを楽しみにして待っていたいと思う。

《追記》
そういえば、姉妹なのに姉を名前呼び捨てで呼ぶキャラがいたり、いとこなのに先輩呼びしているのがいたりしたのがよく分からなった…。
家族観が普通の日本人とは違う世界観ってことなのか?

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