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アイの歌声を聴かせて

出来の悪いAIと学校に居場所がない生徒の交流を描いた作品というのはつい最近、ディズニー配給による20世紀スタジオ(旧20世紀フォックス)のCGアニメーション映画「ロン 僕のポンコツ・ボット」で見たばかりの設定だ。

生徒が片親世帯という設定まで一緒だ。まぁ、AI、生徒、片親の性別が「ロン」は全て男性なのに対して、こちらは女性となっているのは、日本の観客、特にアニメが好きな人へのアピールなんだろうとは思うが。

ちなみに、祖母が存在するのも共通(これはどちらも祖母。ただし、本作は存在が言及されているだけで作中には登場していない)。

なので、嫌でも比較して見てしまうんだよね…。

それ以外にも電脳世界と歌をテーマにしているところは細田守の「竜とそばかすの姫」とも共通しているし、地方都市が舞台というのは、ここ最近の日本の劇場オリジナルアニメ映画でよく見かける設定だ。

AIを“アイ”と読ませることなんて、それこそ、今は自民党の犬=ネトウヨになってしまった赤松健が1990年代に「A・Iが止まらない!」でやっていたことだし、どこかで見たような設定をつぎはぎしたようなものなんだよね。

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予告編を見た限りでは、土屋太鳳の声優演技は酷すぎるなとは思った。
元々、実写作品の演技だって、声質があれだからどうやったって、下手な演技にしか見えない。しかも、美人顔で胸も大きいから尚更、ビジュアル要員にしか思われない。

そういう彼女をポンコツAIに起用するって、本当、悪趣味だよねって思うし、それを受けた事務所や本人もどうなんだろうって気もするけれどね。
まぁ、そんなイメージのせいもあってか出演映画へのオファーも微妙なものばかりが来ているしね。

コロナ禍になってから公開された彼女の出演映画って、
「フード・ラック!食運」
「哀愁しんでれら」
「ヒノマルソウル〜舞台裏の英雄たち〜」
「鳩の撃退法」
と、興行的には失敗したと言っていい作品ばかりだしね…。

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ところで、この作品のポスターなどで土屋太鳳の文字だけ、他のキャストよりフォントが大きくなっているのは何故?

それこそ、本業でない人が声優をやるとブーブー文句を言う連中からバッシングされる要因なのに、何故、わざわざ、こんなことをしているのだろうか?

でも、ポンコツAIという設定だから、実際に見てみると間の抜けたような演技が意外とハマっていて良かったと思う。

一方で、こちらは本業が声優なのか女優なのか分からないが、福原遥に対しては批判的な声はほとんどないよね。声優を目指す女子たちを描いた深夜ドラマ「声ガール!」に出ていたから声優寄りのイメージがあっただけで、これまでのキャリアを見れば顔出し作品の方が圧倒的に多いから、最近、女優という肩書きで紹介されることが多いのは間違いではないんだろうけれどね。

でも、タワレコ秋葉原店で、えなこのCDは声優・アニソン歌手のコーナーに置かれているのに、福原遥は邦楽コーナーってのは違和感あるよな…。

子役出身でその時の代表作である「クッキンアイドル アイ!マイ!まいん!」で実写パートとアニメパートの両方を担当していたこともあるせいか、批判されにくいってのはあるとは思うけれどね。

それにしてもツッコミどころだらけの話だったな。しかも、最近のエンタメ作品に多い、それまで全く描いていなかった過去の描写の回想シーンで謎解きをするというクソみたいな脚本だしね(朝ドラ「おかえりモネ」もそう)。

でも、力技で感動させられてしまうし、棒に聞こえる土屋太鳳の声優演技もあれでいいかなって思ってしまうんだよね。

ところで、本作をMOVIX亀有で見たが、本編前に“アンケートに答えようキャンペーンのQRコードが出るので協力してください”みたいな告知が出ていたのに、本編終了と同時に劇場スタッフがスクリーン前に仁王立ちして、“とっとと出ていけ”アピールするのはなんなんだろうかね。
だったら、アンケート告知画面をとっとと消せばいいのに。というか、画面に出さずにチラシを配ればいいのでは?

そして思った。本当、テレビアニメの劇場版でない国産のアニメ映画って、細田作品や新海作品以外はほとんど当たらないよね。ジブリは閉店休業状態だしね。結局、画柄は萌え要素が強いから一般層には敬遠される。でも、メインキャラのボイスキャストは本業が声優ではない人が多いから、オタクには興味を持たれないというミスマッチが起きているんだよね。

細田作品や新海作品だって、最初は一般に認知されていなかったんだから、次の細田・新海がこうした作品から出てくるはずという期待からそういうキャスティングになってしまうんだろうけれどね。

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本作の上映スクリーンはガラガラだったが、MOVIX亀有自体は混んでいた。
ほとんどが家族連れだから、おそらく、「すみっコぐらし」か「プリキュア」を見に来たんだろうとは思う。
コロナ禍になって、長らく映画館から遠ざかっていた中高年が「007」で戻ってきたように、ファミリー層も「すみっコぐらし」や「プリキュア」でやっと映画館に帰ってきたって感じなのかな?

《追記》

劇場での新作映画の鑑賞本数が今日時点で去年の年間鑑賞本数に並んでしまった。コロナ前の2019年の11月上旬での鑑賞本数よりもちょっと多い。それだけ、コロナの影響で延期されていた作品の公開ラッシュ状態が続いているってことだよね。

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