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恐ろしく楽しそうなライブ 俺じゃなきゃ見逃しちゃうね(4月9日 at渋谷RING)

地下アイドルの基準をドルオタでない人間に明確に説明するのは難しいと思う。というか、ドルオタや当のアイドルも曖昧にしか把握していないかもしれない。

今はコロナ禍で地上・地下問わずほとんどのアイドルが握手会はやっていないものの、ビニールシートを挟んでのチェキ撮影はほぼ全ての地下アイドルが実施しているし、地上アイドルの中にだって、やっているグループがある。つまり、接触系イベントの開催の有無は地上か地下かの判断基準にはならない。というか、コロナ禍になって失速したものの、依然として女性アイドルの最大派閥である秋元康系アイドルは接触系イベントで成り上がっていったわけだしね。

また、乃木坂46の5期生メンバー、中西アルノが加入直後に活動休止になった背景の一つには、彼女に個撮(個人撮影会)のモデルとしての過去があり、その際に不適切なことをしていたのではないかとウワサされていることもあったのではないかと思う。
個撮が実質、オタクが金を払って被写体とデートしてもらうような場になっている面があることは否定できないと思う。要は、被写体であるモデルやアイドルはレンタル彼女というわけだ。
そして、その関係が親密になれば、セクシーショットの撮影もOKになり、それがパパ活的なものに発展し、さらにエスカレートすれば、性的なサービスの提供にまでつながることがあるのも事実だとは思う。
だから、個撮という仕事をネガティブに捉える人も多い。

でも、地下アイドルって、実はチェキ撮影以上にこの個撮が収入源になっている面もあったりするんだよね。
じゃ、個撮を開くのが地下アイドルであり、個撮には良くないイメージがあるから、アルノを批判したのかというと、そうでもないと思う。
地下アイドルのようなデートっぽい設定はしていないものの、メジャーアイドルだって、イベント会場で撮影会をやっている。
また、=LOVEあたりから盛り上がってきたカメコ席という制度だって一種の撮影会だ。金を払ってチケットを買ったファンにアイドルを撮影させて満足させるシステムだからね。

間接的な接触イベントであるSHOWROOMやツイキャスのような配信サービスでのファンとの交流だって判断材料にはならない。
そもそも、SHOWROOMの存在を秋元系アイドル経由で知った人も多いだろうしね。

となると、ライブハウスやフェス形式のイベントでの対バンライブを主戦場にしているのが地下アイドルという定義になるのかというと、これも違うと思う。
こうしたグループの中には、SAY-LAのようにオリコンのデイリーランキングで1位を獲得しているアイドルもいる。オリコン1位は地下ではないよね。
また、対バンライブよりも定期公演が中心だが、民族ハッピー組だって、接触系イベントなどで稼いでいるグループだ。このグループには日本レコード大賞新人賞(最優秀は逃したが)望月琉叶が所属している。レコ大新人賞に選ばれたメンバーがいるグループは地下とは呼べないよね。

勿論、メジャーレーベルに所属しているか否か、CDをリリースしているか否かなんてのは、アイドルに限らず、地上か地下かを判断する材料にはならないと思う。
ジャンルを問わずインディーズ作品がオリコン上位にランクインするようになって久しいし、そもそも、今はストリーミング時代だから、CDをリリースしないアーティストだっている。
まぁ、地下アイドルの中には、ストリーミングどころか、ダウンロード販売もやっていないし、MVも作成していない。楽曲はアイドル側がアップしたSNSで見聞きするしかないという場合は多いけれどね。

なので、同じ対バン形式のライブに出演しているアイドルでも、それ以外の活動や世間的知名度も含めて、トータルで見なければ地上か地下かの判断は難しいという感じなのではないだろうか。

まぁ、アイドル側としては自分から地上とか地下とかは言いにくいし、本音を言えば、地下とは呼ばれたくないだろうから、結局のところは、オタクやアイドル系メディアがどう見ているかってことになってしまうんだけれどね。

自分はやっぱり、一応、マスコミ業界の人間だから接触系イベントには関わらないようにしていた。地上アイドルなら、コンサートなど接触系でないイベントもあるので、気にせず参戦していたが、地下アイドルの現場は接触系イベントありきになっているのでこれまでずっと避けていた。 

そんな自分が地下アイドルの世界に足を踏み入れるきっかけを作ってくれたのが雨宮楓というアイドルだ。

出会いの場はTOKYO IDOL FESTIVALだった。
去年、五輪の関係で例年より約2ヵ月遅れでTIFは開催された。
例年、TIF会場周辺では、TIF出場者か否か、地上か地下かを問わず、多くのアイドルがビラ配りをしている。

大抵は無視するか、ビラをもらってもロクに見もせず、家に帰って古紙扱いにしてしまうのだけれど、何故か、去年、TIFの会場周辺で彼女からもらったビラは真剣に見てしまったんだよね。

去年、TIF最終日のメイン会場のステージ観覧が事前抽選制になり、TIFのチケットを持っているのに見たいアイドルを全然見られないという状態になってしまい意気消沈していたことも影響していたのだとは思う。

そんな時に、彼女からビラをもらったが、その彼女が自分好みのルックスだったことから、一気に一目惚れに近い状態になってしまったというのもあるのかもしれない。

結局、帰りの電車の中で早速、彼女のSNSをフォローし、近いうちに行くことができるライブはないかチェックしてしまった。
しかも、フォローしたことをリプしたら返事が来たので、それで一気に親近感を抱いてしまったというのもあるのかもしれない。リプに対する返事が来るなんて地上アイドルではまずないことだしね。

ちなみに、その時、彼女はRAISEというグループに所属していた。このグループがデビューライブを行ったのが8月で、彼女自身はこれが初のアイドル活動ということなので、この時点ではまだデビューして2ヵ月ほどしか経っていなかったということになる。

そして、気づいたらTIFでビラをもらってから1週間も経たないうちに、自分はRAISEが出演する対バン形式のライブに参戦していた。そして、あれだけ拒否していたチェキも撮ってしまった…。

ところが、その直後、グループは10月いっぱいで活動を休止し、メンバー全員が所属事務所を離れるというアナウンスがされてしまった。
“自分がRAISEというグループを知って1ヵ月も経っていないのに活動休止ってどういこと?”と驚いてしまった。
なので、最終ステージを見ることはできなかったものの、10月中に足を運ぶことができるライブにこの後2回参戦することになった。

その後しばらくは彼女の今後については明らかにされず、SHOWROOMやツイッターで彼女の動向を追う程度だった。
そして、年末になるとSHOWROOM配信をやらなくなったので、“あっ!新しい職場が見つかったんだな”と察知するに至った。

そして、今年1月、スタガロという新しいグループのメンバーとして活動し、同月デビューライブを行うことが告知された。

このデビューライブはこの日に自分が別のライブ(アニソン系)に参戦する予定が元々あったので見ることはできなかったが、デビューからちょっと経った2月にやっと、スタガロのライブを見ることができた。

相変わらず笑顔が素敵なアイドルだと思った。

そして、その後も何度かスタガロの現場に行こうと試みたが、なかなか実現しなかった。
夜のライブが多いことや(夜勤・早朝出社の多い自分にとっては金土以外の夜は参戦しにくい)、発声OKの会場が多いこと(自分がドルオタというのは職場にバレているから、コロナに感染したら、そんな所へ行くからだと批判されるのは目に見えているしね)がスタガロのライブを見に行けなかった理由だ。

そんな中、突如、スタガロから彼女が4月14日をもって抜けることが発表された。しかも、彼女だけでなく藤宮美月というメンバーも一緒に脱退するらしい。
つまり、RAISEの時とは違い、グループは存続するけれど、彼女自身はメンバーでなくなるということだ。

事務所の公式の発表では2人とも“個人的な事情で脱退する”としている。
現在のアイドル業界でメンバーが抜ける際に、“個人的な事情”とか“脱退”という言葉が使われるとどうしてもネガティブなイメージを持ってしまう。

一般の職場で働いている人がその職場を去る際に当たり障りのない言葉として“一身上の都合により退職する”と言うような感覚で、“個人的な事情”という言葉を使っただけなのかもしれないが、どうしても、契約違反をしてしまったように思えてしまうんだよね。

BOYS AND MENをクビになったメンバーのように万引きという犯罪行為を行っていたのは問題外だけれど、一般的にはファンと私的につながっていたとか、風俗やキャバクラでバイトしていたとか、AVに出ていたとか、あるいは、情報漏洩とか、そういうダーティーなイメージを抱きやすいから、あまり、こういう言葉を使うのはよろしくないとは思うんだよね。

というか、アイドル業界ではメンバーが抜ける際に、“卒業”という偽善的な美辞麗句を使うケースが主流となってしまったので、“脱退”という言葉を使った際には喧嘩別れ的な意味を込めているなんて思われてしまうが、実際はどうなんだろうか?

雨宮楓は“精神的に活動継続が困難”と説明しているし、藤宮美月の方からもまだ続けたかったようなニュアンスを感じ取ることができたし、脱退発表直前までのSNSを見ると普通な感じだったから、急な脱退発表、しかも、2人同時というのは気になって仕方ない。しかも、所属事務所が所属グループのメンバー募集をしていることから、辞める2人よりも運営好みのメンバーが見つかったから追い出されたようにも見えてしまうんだよね。

推測で書くのは好きではないけれど、あまりにも話が急だから、どうしてもネガティブに見てしまうんだよね。

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そんなわけで、2人が脱退するまでの期間で夜のライブでもなく、発声OKでもなく、尚且つ、自分の行動時間に合うライブはこれしかないということで何とか今回の「 恐ろしく楽しそうなライブ 俺じゃなきゃ見逃しちゃうね」に参戦することにした。

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出番はトップバッターだし、その後、すぐに物販という名のチェキ撮影会が行われるから、この日のライブで見ることができたのはスタガロだけになってしまったけれど、まぁ、スタガロとしての2人を見る最後のチャンスということで、それは割り切ることにした。

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おそらく、スタガロの雨宮楓を見るのは自分にとっては今回がラストだと思うと感慨深いものがあった。

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そして思った。いつ見ても、かえちゃんって笑顔が最高だ!

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この笑顔を見ている限りではメンバー間の対立とか、事務所と険悪な関係にあるとか、そういう感じには思えないんだよね。

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それにしても、雨宮楓はRAISEとしてもスタガロとしても約3ヵ月しか活動できなかったのか…。
アイドルとか芸能の世界に残ってくれるのかどうかは分からないが、次の“職場”ではうまくいくことを願っています。

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ツイッターで「着せ恋」の雫たんのコスプレ写真をアップしていたが、コスプレーヤー的な素質はありそうだなとは思った。アイドルグループのメンバーとしてではないかもしれないが、エンタメ方面には残ってくれそうな気もするので、とりあえず、続報を待つとしよう。

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