見出し画像

トラックガール

地上波で不完全なものを放送しておきながら、完成版を見たければ配信の会員になれと言う日テレのHulu商法に比べればマシかも知れないが、先行して配信された作品を地上波で放送する際にわざとカットしたものを放送して完全版を見たければ配信の会員になれと言うフジテレビのFOD商法もかなりのクソだと思う。

映画や海外ドラマが地上波で放送される時に、エンドロールが短縮・カットされていたり、本編がカットされていたりというのが日本では当たり前になっていて、二次利用の際は不完全なバージョンでも仕方ないという意識が洗脳されているから、二次利用のFODには甘く、一次のHuluには厳しくなっているだけで、どちらも視聴者は勿論、作品そのものに対しても失礼なことをしているのには変わりはないんだけれどね。

本作はSNS上で人気を集めた女性トラックドライバーをモデルにドラマ化した作品だ。

ただ、この女性を巡っては様々な疑惑が持たれている。批判の声も上がっている。そうした意見を持つ人が多いのも当然だと思う。

連日のようにトラックで長距離移動し、仕事終わりに飲みまくり、SNSのアップを頻繁に行っているのに、次の日にアルコールや睡眠不足の影響もなく、また長距離移動しているなんてありえない。
本当にそうだとしたら、所属している運送会社はアルコール検査をまともにやっていないのではないか。あるいは、検査をしていても超絶ブラックな会社なのではないかと思うのが普通だ。

だから、彼女は運送会社のイメージ戦略に使われているだけで実際は運転や配送は行っていない。
あるいは、彼女自身が注目されやすいニッチなジャンルとしてトラックドライバーを選んだだけで、SNSの画作りで多少は本当に運転はしているかも知れないがきちんと物流の仕事はしていないのではとみなされても仕方ないと思う。

ただ、運送業界が男社会・オッサン社会であることは間違いなく、そのイメージとのギャップを埋めるためにこういう“プロモーション”が取られた側面があるのは否定できないと思う。

本作の主人公のような若い女性ドライバーにとって、トラックドライバーを務めることにはメリットとデメリットがあると思う。それは作中でもきちんと描かれていた。

まず、メリットとしては若い女性は少ないから、見た目がちょっとでも良ければ、男のドライバーからチヤホヤしてもらえる。本作でも主人公はやたらと差し入れをもらっていたし、同期入社の若手男性ドライバーからは恋愛の対象にされていた。

一方、デメリットとしては華奢だから荷物が運べない=仕事が遅いと思われることや、女の子なのにこんな仕事をやらされてかわいそうだといった変な同情心を持たれることがあげられるのではないだうか。

とはいえ、ドラマ自体の出来はほとんどほめられる要素はなかった。そうした少しの問題提起と運送業界の蘊蓄が紹介された以外はほとんど内容がなかったからね。
また、芸人が出てきて、主人公たちとアドリブなのか、メタな内輪ネタなのかは知らないが、ダラダラと会話するシーンが多かったことには辟易してしまった。

まぁ、収穫もゼロではなかったが。

これまで、乃木坂46の中では演技メンバーのイメージがなかった遠藤さくらが意外と演技できるようになっていたことを理解できたしね。
また、ドライバー役ということでアイドルとしての魅力を堪能できる衣装では登場しないのにもかかわらず可愛く見えたことも評価したいと思う。さすが、えんさくだ。

※画像は公式HPより

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?