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ハンガー・ゲーム0

「トワイライト」シリーズと並ぶ、世界的には大人気なのに日本では当たらないシリーズとして知られる「ハンガー・ゲーム」シリーズの最新作が8年ぶりに公開された。
米国ではディズニー映画「ウィッシュ」の首位獲得を抑えて2週連続で興行収入ランキングでトップに立つなど根強い人気ぶりを見せつけたが、日本ではその「ウィッシュ」が観客動員数ランキングで初登場首位に輝いたのにもかかわらず、本作はトップ10内にすら入らないという相変わらずの人気のなさだった。
おかげで上映館数も上映回数も大幅に減らされてしまった。なので、慌てて見に行くことにした。

ぶっちゃけ、8年前の前作(正確にはその前年に発表された作品と前後編構成)は面白さの点で失速していたし、本作の内容はシリーズ1作目の前日譚だし、しかも上映時間は2時間37分と長いから、そんなに期待していなかった。
だから、これまで見に行くのを後回しにしていたのだが、意外と面白かった。まぁ、3幕構成になっていて、実質的にはテレビシリーズ3話分を立て続けに見たようなものなので映画としての出来はほめられるようなものではないとは思うが。

また、ヒロイン役にリメイク版「ウエスト・サイド・ストーリー」で注目されたレイチェル・ゼグラーを起用していることから、やたらと彼女が歌うシーンが多く、ミュージカル映画のようになっているのもどうかとは思う。

ただ、これまでのシリーズで悪役として登場したスノー大統領が独裁者になるまでを描くという内容は面白かったと思う。
結局、志位和夫をはじめとする左派思想の政治家連中と同じなのかな。
理想論を語る連中はちょっとでも理想通りに行かないと簡単に道を外れてしまう。でも、自分は外れたとは思っていない。
そして、そのまま権力を得てしまうから一気に独裁者と化してしまうといったところだろうか。

あと、これまでのシリーズの主人公だったカットニスをほうふつとさせるようなヒロインが出てきたのも面白かった。ただ、人種は明らかに違うよね。それから、カットニスとの血縁関係があるのかと期待したけれど(=カットニスとスノーが血縁関係ということにもなる)、そういう展開にならなかったのもちょっと残念だった。

ところで、本作の続編は作られるのだろうか?まだ、スノーが大統領になっていないから、作ろうと思えば作れるんだけれどね…。
でも、「ハリー・ポッター」シリーズの前日譚として作られた「ファンタスティック・ビースト」シリーズは興行面でも評価の面でも「ハリポタ」より劣るから結局、現時点では予定よりも少ないエピソード数しか作らておらず、続編の計画も頓挫状態となっているからね…。前日譚はシリーズ化しない方がいいと思う。やるなら、「スター・ウォーズ」のエピソード1〜3のように最初から3部作と決めてしっかりストーリーを作らないと、つまらない作品にしかならないしね。

それにしても、オリヴィア・ロドリゴの主題歌、これまでの彼女のヒット曲とは路線が違うよね…。これまではどちらかと言うと、90年代オルタナや90〜00年代の女性ポップ・ロック・シンガーを現在の感覚で再現したような音楽性だったからね。

旧シリーズの1作目の主題歌がテイラー・スウィフトだったのは、彼女が本来はカントリー畑の人だったということを考えたら、こういうルーツ系なサウンドの楽曲をやっても何の違和感もないけれど、オリヴィアだと意外性が強いなと思ってしまう。



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