ホリミヤ -piece-
2021年1月期に放送された1期では、堀と宮村が仲良くなり、それが恋愛関係に発展し、そして、高校を卒業するまでが描かれていた。
要はきちんと起承転結していた作品だから本来なら2期なんて作られるコンテンツではなかった。
では、何故、2期が作られたのかと言えば、強引に一気に1クール13話で馴れ初めから卒業までを描き切ったから、本来の学園もので描かれるようなシーンを省略せざるを得なくなったからだ。
なので、2期と言っていいのか分からないが、本作では修学旅行や体育祭、バレンタインデーなどといった学園ものアニメの定番とも言えるシチュエーションの場面が盛り込まれている。
つまり、1期の行間を埋めるためのエピソードを集めたのが本作ということだ。
最近は1クール12〜13話で完結するアニメがほとんどで、基本的には原作の区切りの良いところまでを描き、人気を集めれば2期、3期として、その続きを描いていくというものがほとんどだ。
あるいは、きちんと完結させたいのであれば、連続2クール、もしくは分割2クールという形態で集中的に放送する場合もある。
しかし、「ホリミヤ」1期は無理矢理、1クールでラストまで描くことを選んだ。それは、アニメの放送時期とほぼ同じ頃に原作コミックが完結するから、それと合わせてアニメもエンディングまで一気に描こうという相乗効果を狙ったものであることは間違いないと思う。原作が完結していると、2期を求める声も減ってしまう。だから、熱いうちに一気にやってしまおうといったところだろうか。
でも、1期を見た人の多くは(というかスタッフ、キャストもそうかも)、はしょり気味の展開に多少の物足りなさを感じていたようで、2期的な作品を作ることになったのだろう。本来なら「ホリミヤ」というアニメは2クール分の内容があったんだよということかな。
まぁ、この2期の放送形態がこれで良かったのかどうかはちょっと疑問は残るが。
「涼宮ハルヒの憂鬱」の2期は、時系列がデタラメに放送された1期の全話を時系列順に並べて改めて全話再放送するととともに、そのタイムラインの中に新作エピソードを織り込むという形態の全28話構成で放送された。
純粋な2期用のエピソードは14話で、そのうちの8話は毎回ほぼ同じ内容の「エンドレスエイト」というエピソードというのはどうかとは思うが、1期で放送された内容の行間を埋めるエピソードを放送するのであれば、そして、新規ファンの獲得も考慮するのであれば、こういうやり方の方が良いような気もする。実際、自分は「ハルヒ」は1期の時は途中までしか見ていなかったため、この2期のおかげで全話見ることができたわけだしね。
そんなわけで、この「ホリミヤ -piece-」として放送された13話だけでは評価はできないと思う。
1期を見ていた人にとっては、物足りなく感じていた部分を補完してくる好企画だけれど、見ていなかった人からすれば、何のまとまりもない作品だしね。
ただ、レギュラーキャラ(たまにしか出てこない人を含む)はみんな個性的だし、嫌なキャラもほとんどいないから、また、この人たちが出てくるアニメを見たいという気持ちもある。
原作にはスピンオフもあるようだし、1クールアニメでなく、OVAのイベント上映とかでもいいから、また、このキャラたちに会いたいなという気はするかな。
※画像は公式HPより
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