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すみだストリートジャズフェスティバル 2023

去年からお盆休み期間に1日だけのプレイベントを開催。そして、10月に本イベントを2日間の日程で実施するというスケジュールになった。

強欲な運営サイドが飲み物の持ち込みを禁止したことで(芝生保護のための理由というのはウソもいいところ。本当に保護したいなら大勢の客に踏まれてOKなワケがない)熱中症の人が続出したSUMMER SONICを見れば分かるように、ここ最近の夏場はとてもではないが、野外音楽フェスを楽しめるような環境ではない。

だから、すみジャズがプレイベントは熱中症対策できる室内会場中心(去年は親水公園でも実施)にして、野外ライブは暑さがピークを過ぎた10月にするというのは、さすが、コロナ対策でマスコミや他の自治体からマンセーされた墨田区で開催のイベントだと言いたくなる。

ただ、お盆休み期間で休みの社会人も多い(児童・生徒・学生は原則全員休み)8月に比べたら10月開催では動員が落ちるのも事実。

だから、去年からメイン会場の錦糸公園で「ワンコインオクトーバーフェスト」というビアガーデン的なイベントを併催することにしたのだろう。

そして、このイベントにスペースをさいたため、錦糸公園内のステージは1つだけになってしまった。その影響もあるのだろうが、実際の去年の会場の様子を見ていると、明らかにすみジャズよりもオクトーバーフェストの方が盛り上がっていたように見えた。

その好調なビールイベントのおかげで今年はさらに会場運営に変化が出るようになった。 

メイン会場の錦糸公園はオクトーバーフェストの方がメインイベントに見える。しかも、去年のオクトーバーで人気となったジビエ料理を集めた屋台を今年はオクトーバーから独立させて(といっても地続きだが)「すみだジビエフェスティバル」として開催するのだから、完全に飲食イベントの方がメイン扱いだ。

そして、どう考えても錦糸公園からの移動には不便な隅田公園が錦糸公園に次ぐポジションの事実上の第2メインステージとなり、錦糸公園のオクトーバー同様に屋台も出店されることになった。

去年から始まった錦糸公園でのビアガーデン的イベントだけでも面白くないと思っていたのに、今年は隅田公園でも同様のイベントを行うのだからこれに対して面白くないと思う勢力がいるのは間違いない。おそらく、東武はそうだ。

東京スカイツリーが開業した2012年以来、ソラマチ会場が設けられていたが、今年はソラマチでのステージはなしとなっている。

当初は4階広場を全面的に使った上で、1階広場もサブステージとし、錦糸公園のメインステージ及びサブステージに次ぐ事実上の3番手及び4番手のステージという扱いだった。

しかし、すみジャズは入場無料のイベントなので、守銭奴の東武としては面白くない。だから、4階広場を全面的に開放するのはやめて、独自に設けられるビアガーデン的なイベントを始めるようになった。そして、それに伴い、4階広場のステージは大幅に縮小され、広場のはじの方に狭いステージが設置されるだけになった。また、1階広場のステージも廃止されてしまった。

去年は遂に4階広場のステージがなくなってしまったが、久しぶりに1階ステージが復活した。東武の金儲けイベントの片隅をすみジャズ会場にするというのはそもそも無理があると気付き、やっと、東武も目を覚ましたのかと思ったが、そうではないようだ。

今年は4階、1階問わず、ソラマチでのステージ展開はゼロとなってしまったからだ。

まぁ、錦糸公園だけでなく隅田公園まで会場にしてしまい、しかも、それぞれの会場で飲食イベントをやるとなればソラマチ側としても面白くないとは思うしね。



なので、今年のフェスは去年よりもさらに地味な印象になってしまった。

10月本開催というだけで動員は落ちるし、メイン会場のステージが一つしかないというのは盛り上がりに欠ける。賑わっているように見えるのはビールイベントに来ている人がいるからだしね。

そして、そこへ来て、今年はソラマチ会場もなくなってしまった。

隅田川より東の下町を代表する繁華街の錦糸町や観光施設のスカイツリー。そうしたところで展開しているから盛り上がっていたのに、錦糸町は縮小、スカイツリーの会場は廃止。そして、そのかわりが隅田公園では、盛り上がりに欠けると思う。錦糸町とスカイツリーは地下鉄で一駅だし、歩いても四ツ目通りをまっすぐ進めばあっという間にスカイツリータウンに着いてしまう。でも、いくらバスがあるとはいえ、錦糸公園と隅田公園間の移動は便利ではない。

それから、学生・生徒のブラスバンドをはじめとするアマチュアやセミプロのプライバシーを守るというか、SNSでの攻撃を避ける目的なんだろうが、去年辺りから会場内での撮影が制限されるケースが増えたのもフェスを盛り下げる要因になっていると思う。

入場無料に加えて、邦ロックにしろアイドルにしろ他の音楽フェスに比べて自由度が高いのが売りだったのに、徐々に普通の日本のイベントになりつつあるような気がする。



そんなわけで今年も毎回オープニングを飾っているりっしすいぶ(立志舎高校吹奏楽部)の演奏を見た。

あまり、高校生の部活=アマチュアorセミプロに厳しいことを言うのもなんなんだけれど、年々、演奏のレベルが落ちているような気がする。

その最大の要因は今の日本の若者が昔の音楽や映画に興味を持っていないことだと思う。
別に名作映画やミュージカルの曲をやるからって、その映画やミュージカルを全編見て理解を深めろはと言わない。
ひと時代を築いたアーティストの曲をやるからって、そのアーティストのベスト盤とか代表作と呼ばれるアルバムをきちんと聞けとは言わない。
でも、その映画やミュージカルがどういう作品なのか、そのアーティストがどういう音楽性なのかくらいは調べろよって思う。
5分あればネットで調べられることすらしていないから、曲に対する理解が足りないんだよね。

また、指揮を担当する教師の能力も年々落ちているように思う。見た目、初老という感じなので、1990年代以降の楽曲に対する知識がないのは仕方ない。でも、“幸せの黄色いリボン”やミシェル・ルグランを知らないのは、音楽、しかも、ジャズやクラシックを含む洋楽寄りの音楽で生計をたてている初老の者としては失格でしょ。それに、セトリもロクに覚えていないし、ブラスバンドの本業であるはずのジャズの知識も怪しくなってきている。

約10年、すみジャズでりっしすいぶを見てきた者としてあえて厳しいことを言わせてもらうが、抜本的な改革をしないととりかえしのつかないことになると思う。



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