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その着せ替え人形は恋をする

覇権アニメという言葉はかつてのようにアニメは長期間にわたって放送するのが当たり前というシステムが続いていたら存在しなかったと思う。

1クール、長くても2クールで終了する(勿論、人気が出れば2期、3期と続編は作られるが)アニメがほとんどで、しかも、一部のファミリー向けを除けば、ほとんどが深夜放送となっているからこそ、今クールで最も優れた、話題になった作品ということで、覇権という称号がアニオタやメディアから与えられるようになったのだと思う。

一時期は死語になりかけていたこの言葉が復活したのは、やっぱり、小説「ハケンアニメ!」の実写映画化が決まった影響なのだろうか?少なくとも、2019年に舞台版が上演された時は、ほぼ死語状態だったからね。

まぁ、でも、その2019年あたりから、アニオタでない人、特に若い女性(10代含む)にアニメを見る人が増えたので、それに伴って、それまで、アニオタやネット民だけが使っていた覇権アニメという言葉が徐々に復活し、一般化したってのはあるのかもしれないなと思う。

今期(2022年1月期)の覇権はと聞かれると、一般人気でいえば、去年12月に放送開始され2月に終了した「鬼滅の刃 遊郭編」になるのだろうし、それに次ぐ存在は1月から放送されている「進撃の巨人 The Final Season Part 2」になるのだろうが、これらはいずれも続編ものなので、1期の作品に限定すると、多くのアニメ好きが覇権アニメとして名をあげるのは本作になるのではないだろうか。

まぁ、ヒロインは男女どちらから見ても可愛いし、イケメンなのに古風で奥手な主人公は腐女子が好きそうだし、多くのオタクが興味を持っているコスプレを題材にしているし、人気コスプレーヤーあかせあかりが歌うED曲“恋ノ行方”はアニソン好きなら間違いなく気にいる神曲だし、劇中劇として登場するゲームやアニメ、漫画の設定も良くできているからね。しかも、このプリキュアとまどマギとセーラームーンが合体したような劇中劇アニメのボイスキャストが豪華だし。それから、そんなにガチなアニオタでなくても、劇中劇ゲームのキャラクターの愛称・雫たんは定着しているしね。

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ただ、全ての回がそうだったとは言わないけれど、全体を通しての感想を言わせてもらうと、これって着衣AVだよね。
高校生を描いた作品で、しかも、TOKYO MXとはいえ、地上波で放送する作品で着衣AVはダメでしょって思う部分も正直なところあった。

いわゆるフェミと呼ばれる人たちに、自治体のキャンペーンなど公の場で性的な要素を含むアニメキャラ、しかも、未成年キャラのポスターなどを掲示したりするのはいかがなものかと指摘されると、アニオタは決まって“フェミのせいで表現の自由が奪われる”と主張するが、個人的にはフェミの主張は全く間違っていないと思う。というか、年齢制限のない作品で、ここまで性的な描写が許されているのなんてアニメだろうとコミックだろうと実写だろうと日本だけだよって思う。

自分は勿論、エロいものは好きだし、風俗やAVだって否定しないから、フェミからすれば敵だと思う。でも、そんな自分からしても、やっぱり、日本はおかしいと思う。公の場に出してはいけないんだよ。ましてや、自治体とか公共性の高い団体のキャンペーンに使うなんてありえない。好きな人間の目にだけふれるようにすればいいんだよ。
結局、オタクしか金を使わない、行動しないから、彼等に媚びることになるんだよね。

また、本来なら女性の権利を主張するフェミに女性アニメファンも賛同すべきなのに、彼女たちって、結構、性的なアニメが好きなんだよね。特に、この「着せ恋」は女子人気が高い。普通に女子が“雫たん”とか言っているしね。

それから、こうした性的なコンテンツのクリエイター側に女性がいることも多い。だから、アニオタは“(性的描写のあるコンテンツを否定する)フェミのせいで女性の仕事が奪われる”などと主張し、フェミ攻撃の材料にしたりもしている。

アニメに限らず、テレビでも政治でもそうだけれど、男社会の業種って、女性が生き残るためには、オッサンに媚びて好かれないとやっていけない面もある。要は名誉男性になるということだ。だから、こういう男の性欲を満たすコンテンツで生計を立てている女性クリエイターも多い。

また、制作側も“フェミのせいで女性の仕事が奪われる”という主張を利用して、批判をかわす盾として女性スタッフを起用している面もあると思う。本作のEDでクレジットを見ると、驚くほど女性スタッフが多いからね。

結局、日本人って、女性でも女性の権利を主張するのを好まない人が多いってことだよね。
非正規労働者が増えているのにもかかわらず、デートの費用は男が全額出せ、収入は男の方が多くて当たり前と思っている女性が多いのは、結局、日本の女性って古くさい専業主婦的生き方が理想の人がいまだに多数ってことなんだと思う。

それはさておき、11話まで自分はエロ要素も含めて、今期の覇権はこれだと思っていたが、一応、最終話(まぁ、人気を考えれば確実に2期はあるだろうが)で一気にさめてしまった…。

原作を読んでいる人は知っていたのだろうが、ヒロインが読モをやっていたって設定なんだよ、それ!それでメイクや衣装、撮影に関する知識がほとんどなかったの?ただのバカじゃん!まぁ、可愛いからいいけれどさ。

あと、コスプレで金がかかるから読モのバイトを増やしたとか言っているけれど、夏休み中に仕事を増やしたのに、その増やした仕事がすぐに夏休み中に発行される雑誌に出るわけないでしょ。まぁ、ヒロインが可愛いからいいんだけれどさ。

しかも、冷静に考えたら、今回放送されたストーリーって、夏の間の数ヵ月間程度の間の話なんだよね。そんなに都合良く進まないよ!まぁ、ヒロインが可愛いからいいんだけれどさ。

それにしても、今期は土曜日の深夜に放送される深夜アニメや深夜ドラマを最大で5本(先に放送終了したものもあるので最終的には3本になったが)もチェックしていたので、日曜日は録画したものや配信でそれらの作品を見るのに忙しくて、全然、日曜日に映画館とか行けなかったな…。

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