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chuLa 約束の場所

chuLaの現時点での最古参メンバーである佐藤まりんが卒業を発表したのは2023年4月だ。
この時に1年以内に卒業し、それまでに日本武道館公演を実現させるとの公約を掲げた。
その言葉通り、chuLaの武道館公演(本公演)は決定したし、まりんも24年3月で卒業することになった。

しかし、この武道館公演は必ずしも歓迎のできるものにはならなかった(そもそも、まりん推しの人からすれば卒業は歓迎できないが)。

何故なら、まりんと一緒に他のメンバーもグループを卒業すると発表したからだ。結局、chuLaというグループはまりんを中心に回っていたから、彼女が不在では人気を維持できないということなのだろう。


これで解散となればまだ良かったんだよね。

発表されたのは全員卒業と同時に現体制を終了するというものだった。最近のアイドル、特に地下アイドルや半地下アイドルが使うこの現体制終了という言葉は非常に曖昧だ。
複数のメンバーが卒業するなら、新メンバーが加入し体制が整うまで休業するから現体制終了という言い方も理解できる。

でも、そうでない場合はグループのコンセプトや楽曲を引き継いで活動するから名前は残したいということなんだろうと思う。クラブ・ミュージックなどでは、プロデューサーとかサウンド・クリエイター的な人物が本体で、歌唱や演奏を担当している人はその本体のコマだという形で活動しているユニットがあるから、そういう発想なのかも知れないが、ドルオタでメンバー総取り替えとなったグループを支持できる人はいないと思うんだよね…。



百歩譲って、武道館公演で完全に現メンバー全員のchuLaとしての活動が最後だったらまだマシだった。

武道館公演の数週間後にアフターパーティーと称した公演を実施すると発表したのは興醒めだ。

武道館に来場する観客の人数を考えると、公演当日にチェキ撮影を行うのは不可能に近い。だから、どうしてもチェキを撮りたいファンの要望に応えたと言えば聞こえは良いが、やっぱり、武道館できれいさっぱり終わった方が締まりが良いと思うんだよね。



それから、武道館公演が差し迫ってきた中でいきなり、クラファンを募集しはじめたのもなんだかなという感じだった。

要は運営サイドに武道館公演をやるだけの資金力もなければ、グループ自体に武道館公演を高額チケットでもソールドアウトできるだけのパワーもなかったってことだからね。

地下アイドルが武道館公演を目標にする傾向は「推しが武道館いってくれたら死ぬ」という漫画がスタートしたのが2015年ということを考えると今に始まったことではないが、最近はその武道館公演で活動に終止符を打つ、もしくは一区切りをつける地下アイドルが目立つような気がする。

chuLa同様、#ババババンビも3月の武道館公演をもって現体制を終えると発表しているしね。

まぁ、正確に言うと本当の地下アイドルはZepp系のライブスペースでのワンマンライブですら難しいので、ここで言う地下アイドルというのは全国流通のCDをリリースしたり、アイドルフェスのメインステージに出たりできるレベルのいわゆる半地下アイドルだが。というか、最近は半地上という呼び方が増えているようだ。まぁ、レコ大最優秀新人賞を取ったFRUITS ZIPPERを地下アイドルとは呼びにくいからこういう言い方が出てきたんだろうね。

結局、武道館公演で一区切りつけざるを得ないのは、繰り返しになるけれど、運営サイドに資金力がないから武道館公演をやったら資金が底をついてしまい今後の活動ができなくなるということだし、ファンも盛り上がっているように見せるために知り合いを招待するから金銭的負担に耐えられずオタ活が続かなくなるってことだしね。



そして、実際に武道館公演を見て思った。まぁ、こういう結末を迎えるのも当然だよねと。

メンバーは悪くないんだよね。楽曲も良曲揃いだと思う。好きな曲も何曲もあるしね。

運営やファンが武道館公演をやるアーティストのレベルに達していないから、こういう残念な結果になったという感じかな。

運営は特典付きチケットを売っておきながら、どこで引き換えるかのアナウンスをきちんとしていない。Xの公式アカウントに分かりやすいように書いておきなさいって言いたい。

それから、ファンもダメ。座席指定制のライブなんだから、自分の指定された座席で見ろよ。

運営もファンもライブハウスとか小さめのホールで行われる対バンライブの感覚しか持っていないんだよ。運営は武道館規模の会場で入場特典を配るにはどうしたらいいか、ファンは他の客に迷惑をかけずに盛り上がれるかを理解していない。



それにしても、客席の埋まり具合を見ていると、コロナ禍のレギュレーションが厳しかった2020年秋から21年上半期くらいの市松模様で座席が配置されていた、いわゆる武道半状態に近いと思う。

武道館でライブを見た帰りに歩幅を狭めることなく、すんなり九段下駅まで行けることなんて滅多にないから、やっぱり、武道館でやるほどの集客力はなかったんだと思う。

終盤のメンバーの別れの挨拶を聞いていると、何となく望まない全員卒業のようにも思えた。まりんという人気面でも実力面でも精神面でも支柱だったメンバーがいなくなることでどうしていいか運営が分からなくなり、血迷った結果が全員卒業・現体制終了という判断だったのではないかと思えて仕方ない。

chuLaの楽曲は本当に良い曲が多いだけに残念で仕方ないとしか言えない。ファンの声援は武道館レベルに達していなかったし、運営の集客するためのプロモーションは十分ではなかったと思う。

でも、chuLaの楽曲は武道館という大会場に負けていなかった。しっかりと鳴り響いていたと思う。それだけに何度も言うが、現体制終了という結果になったのは残念で仕方ない。



それにしても、まりんは可愛いな。最初は風俗嬢にいそうみたいな感じで興味を持ったんだけれど(失礼すぎるだろ!)、今ではそんなことは全く思わなくなっていて、普通に可愛いと思うし、グループの音楽面もかなり引っ張っているなと思うようになっているしね。

なのでもう一度言うが、現体制終了となるのは惜しい。

ところで、きちんと本編とアンコールを区切らないタイプのセトリなんだね。まぁ、映像が流れる前までが本編なんだろうが。とりあえず、最近、ジャンルを問わず、こういうどこからがアンコールかをはっきりとさせないセトリのライブって増えたよね。

それにしても明らかにカタギには見えない女性観客が多かったな…。多分、運営が招待した地下アイドルなんだろうね。というか、SNSを見ていると招待されて見に行った地下アイドルは多いようだ。パッと見た感じ、全体の1割くらいかな。
それからファンが招待した一般観客もかなりいたようだ。

武道半に毛が生えた程度の動員なのに、そのうちの数割が運営やファンが自腹を切って集めた観客というのはどうなんだろうか…。

やっぱり、武道館公演は無理があった気がするな。

《追記》
子どものバックダンサーが大勢出てきたのが気になった。公演自体は20時40分前には終わっていたから法律的には問題ないのだろうが、会場を出るのは確実に21時を超えているだろうし、会場を出るまでが、というか子どもなんだから、遠足ではないが、家に着くまでが仕事だと思うんだよね。そう考えると、児童を酷使しているようにも思えてしまう…。せめて、余計な心配させないように子どもの出番は前半で終えるべきだったと思う。




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