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劇場版 仮面ライダーリバイス/暴太郎戦隊ドンブラザーズ THE MOVIE

夏休み映画として、「仮面ライダー」シリーズと「戦隊」シリーズの最新劇場版を2本立てで公開するのがコロナ前は恒例行事となっていた。

2020年夏に公開される予定だった「劇場版 仮面ライダーゼロワン REAL×TIME」と「魔進戦隊キラメイジャー THE MOVIE ビー・バップ・ドリーム」はコロナの影響で公開延期となってしまった。

その結果、前者は20年12月に同じ「ライダー」シリーズの「劇場短編 仮面ライダーセイバー 不死鳥の剣士と破滅の本」と2本立てで。後者は21年2月に同じ戦隊シリーズの「騎士竜戦隊リュウソウジャー 特別編 メモリー・オブ・ソウルメイツ」、「機界戦隊ゼンカイジャー THE MOVIE 赤い戦い! オール戦隊大集会!!」との3本立てで公開されることになった。

21年夏は「ライダー」と「戦隊」の2本立てではなく、「ライダー」と「戦隊」のクロスオーバー(コラボ)作品「セイバー+ゼンカイジャー スーパーヒーロー戦記」と、「ライダー」シリーズの短編「劇場版 仮面ライダーリバイス」の2本立てというイレギュラーな形となった。

なので、今回の「劇場版 仮面ライダーリバイス バトルファミリア」と「暴太郎戦隊ドンブラザーズ THE MOVIE 新・初恋ヒーロー」は、実に3年ぶりとなる恒例の「ライダー」と「戦隊」の最新劇場版2本立て公開となった。
正確に言うと、「お昼のショッカーさん THE ムービィー」という超短編もついてくるので3本立てではあるが。

ちなみに3年前の19年夏は「劇場版 仮面ライダージオウ Over Quartzer 」と「騎士竜戦隊リュウソウジャー THE MOVIE タイムスリップ!恐竜パニック!!」の2本立てだった。

Vシネクスト(東映特撮版Vシネマ)作品の先行上映や、「ライダー」と「戦隊」のクロスオーバー作品、「ライダー」シリーズの複数作品のクロスオーバー、「戦隊」シリーズの複数作品のクロスオーバーなど、「ライダー」および「戦隊」シリーズ関連の“映画”は次から次へと公開されているけれど、本来の形での公開は3年ぶりというのは感慨深いものがある。

そして、今回の2本立て(オマケの「お昼のショッカーさん」を除くと)もこれまでの2本立てと同様のフォーマットで作られている。
それは、「ライダー」の方は上映時間60分を超える長編映画となっているが、「戦隊」の方は30分前後の短編となっているということだ。

まぁ、「ライダー」シリーズは作品によって、シリアスだったり、コミカルだったりするし、最近の「ライダー」ものは1 つのシリーズの中に多数のライダーが出てくるので長編映画のストーリーにしやすいというのはあると思う。

これに対して、「戦隊」シリーズは基本コミカルな作風だし、「ライダー」に比べると、追加ヒーローの登場も少ないから、どうしても、テレビシリーズの特別エピソードみたいな作りになってしまうといったところだろうか。

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それでは、今回の2本立て(+1)のそれぞれの作品の印象を語っておこう。

「暴太郎戦隊ドンブラザーズ THE MOVIE 新・初恋ヒーロー」

「戦隊」や「ライダー」の劇場版ってメタ設定好きだよね…。本作でも、「ヒーローは仮面ライダーに任せておけばいい」みたいな台詞があったしね。それから、さらにダブルなメタ要素として、映画ネタを取り入れた作品というのも前にもあったしね。ヒーローが映画の世界に迷い込む「魔進戦隊キラメイジャーVSリュウソウジャー」も本作と似たパターンだよね。
あと、東映作品ではないが、ガールズ×戦士シリーズの「劇場版 ひみつ×戦士 ファントミラージュ! 〜映画になってちょーだいします〜」も映画撮影ネタだった。
まぁ、映画撮影現場を舞台にすれば、おかしな展開もごまかせる上にゴージャス感も出るってのもあるとは思うが。

それにしても、最近の特撮モノの女子キャラは本当に可愛い!
本作のオニシスターこと鬼頭はるか役の志田こはくがめちゃくちゃ可愛い!劇中映画で披露するヘタクソな演技とか最高だしね。

「お昼のショッカーさん THE ムービィー」

KINENOTEに作品名は登録されていないけれど、最後に映倫マークが出てきたってことは、一応、映画と扱われているってことだから、今回は3本立てと言っていいのかな?そして、これは一応、アニメ映画ってことになるのかな?
というか、これが映画扱いなら、この3本立ての上映開始前に上映された「NO MORE映画泥棒」とのコラボCMも短編映画扱いでいいんじゃないのか?尺も大して変わらないし…。

「劇場版 仮面ライダーリバイス バトルファミリア」

これは今回の劇場版に限ったことではないと思うが、正直なところ、色々な設定を詰め込み過ぎなんじゃないかなって思う。家族揃って闘う五十嵐一家の話か、悪魔と共闘するヒーローの話、どちらかに絞った方が良かったのでは?テレビシリーズは見たことがないのでよく分からないが(本作と昨夏の短編映画しか見ていない)、少なくとも本作では悪魔と共闘する設定はあまり活かされていなかったように思う。

まぁ、五十嵐一家のバトル・シーンに“フィフティなんちゃら”と歌っているようなBGMというかアタック音というかが流れるのは面白いとは思ったが。五十嵐だからフィフティなんちゃらというルー語的な英語になっているんだろうね。

それから、この五十嵐一家の末っ子(3兄妹の妹)さくら役の井本彩花も、アギレラ役の浅倉唯も可愛い。特にさくらの戦闘服みたいな格好の時がめちゃくちゃ良い!先述の繰り返しになるけれど、本当、最近の東映特撮モノの女子キャラの演者は可愛いよね。

それにしても、日本の映画、ドラマ、アニメの脚本を書く人って、全然、テレビニュースを見ていない、新聞を読んでいないってのがバレバレの脚本を書くよね。テレビニュースでも新聞でも、“本日”なんて言葉は使わないよ!テレビニュースなら“きょう(今日)”だし、新聞なら“○日(当日の日付)”だよ!日本の映画やドラマ、アニメが海外作品に比べてリアリティがないのって、脚本家や演出家がニュースに興味がないから、描写がデタラメってことに尽きると思う。まぁ、長時間労働でロクな休日もないからニュースを追っている時間もないのだろうが。

一方で評価したい点もある。それは、ケイン・コスギを不老不死の悪役としてキャスティングしたことだ。最初、今から3000年前の南米のシーンに現地の人として、いかにもアジア人な顔が出てきた時は、“うーん…”と思ったりもしたけれど、よく考えたら、ケインなら問題ないよね。相変わらず、日本語はたどたどしいから国籍不明なところはあるしね。それに、同世代の俳優と比べると老けのスピードが遅いから不老不死の役というのもピッタリだ。あと、アクション・シーンは他のライダー映画と比べても迫力があった。これは、ケインのおかげと言ってもいいと思う。ただ、やたらと、“パーフェクト・ボディ”というケインの台詞が作中で連呼されるメタな展開はどうかと思うけれどね。

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