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劇場版アイカツプラネット!

アイドルアニメ(男性アイドルものや、バンドやDJを題材としたものも含む)はすっかり、アニメのいちジャンルとして定着し、毎クール複数の作品が放送されている。
今期の注目作品としては、老舗ブランド「ラブライブ!」の第4シリーズ「スーパースター!!」の2期やメディアミックス作品(基本、アイドルアニメはメディアミックスだが)でマネージャーが特殊能力を持っているというファンタジー要素もぶちこんできている「シャインポスト」なんて辺りがあげられるのだろうか。

しかし、これだけアイドルアニメ人気が高くても劇場版というのはあまり作られていない。
「ラブライブ!」シリーズからは無印と「サンシャイン!!」の劇場版が1本ずつ作られただけだ。
「ラブライブ!」と並ぶ老舗というか、プロジェクトの開始時期もアニメの放送開始も「ラブライブ!」よりも先だから、アイドルアニメの先駆者と言ってもいいのかも知れないが、「THE IDOLM@STER」はたったの1本しか劇場版が作られていない。
5本作られている「プリパラ」シリーズは例外中の例外と言える本数かも知れない。
バンドものだと、「BanG Dream!」は本シリーズの劇場版1本、サブキャラでありながらメインのバンドよりも人気があるRoseliaを主人公にしたスピンオフ前後編、登場バンドのライブシーンのみを集めたFILM LIVEシリーズ2作品と計5本が公開されているが、これも異例と言っていい本数だろうか。

男性アイドルものだと、ライブステージの収録ものを入れるとかなりの本数になるものもあるが、純粋なアニメ映画となると、どのコンテンツも実はそんなに本数は多くない。まぁ、女性アイドルものよりは多い印象はあるけれどね。とりあえず、本数の多さが目立つのはキンプリの愛称で親しまれている「KING OF PRISM」かな?テレビシリーズの再編集ものやパフォーマンスシーンを集めたものを含めると7本とあるしね。
そういえば、いつの間にかキンプリの愛称はジャニーズグループ、King & Princeのものになってしまったよね…。カタカナでストーンズと検索すれば、ロック界の生きるレジェンドであるザ・ローリング・ストーンズではなく、SixTONES関連のものが出てくるばかりという嘆かわしい状況になっているけれど、ジャニーズやそのファンって、本当、先人に対するリスペクトがないよね。

本題に入るが、本作は「アイカツ!」シリーズにとっては4作目の劇場版だ。正確に言うと、前作も本作も2本立てだから4番組目と呼んだ方がいいのかな?
そして、前番組からは実に6年ぶりの新作となっている。さらに、前作までは東映の配給だったが、本作は制作会社のバンダイナムコの配給に変わっている。過去3作品は2014年から16年にかけて毎年公開されていた(2作目はライブシーン中心の映画だし、3作目は2本立てなのでコンセプトはぶれてはいたが)。ということは、東映としては、「プリキュア」シリーズ同様に毎年劇場版を公開するコンテンツにしたかったってことなんだろうけれど、そこまで盛り上がらなかったから劇場版の製作はストップしてしまったんだろうね。

何故、アイドルアニメ、特に女性アイドルものの劇場版ってシリーズ化される作品が少ないのだろうか?「プリパラ」の中の人である声優アイドルグループi☆Risはいまだに人気があるし、老舗の「ラブライブ!」にしろ、「アイマス」にしろ、コンテンツ人気は根強い。
テレビシリーズやゲームは勿論、中の人が現実世界で行うライブやCDなどの音源は人気あるのに、劇場版アニメの需要がないというのは謎だよね…。「プリキュア」の劇場版需要はあるのに、女性アイドルアニメの劇場版需要がないのは何故?こじつけの理由も思いつかない…。


今回の久々の劇場版もかなり迷走している内容と言っていいと思う。

実写とアニメのハイブリッド作品として2021年に放送された「アイカツプラネット!」の劇場版と、短編アニメ「アイカツ! 10th STORY ~未来へのSTARWAY」の2本立てだ。
「アイカツ!」というプロジェクトは多少、断続的な面はあるが、今年10周年を迎えた。
おそらく後者はその10周年記念作品ということなのだろう。というか、来春、「アイカツ! 10th STORY ~未来へのSTARWAY」の新作が公開されるということだから、この短編はそれのイントロダクション的作品ってことなのかな?

「アイカツプラネット!」は広義では、女児向け特撮ドラマってことにもなると思うのだが、そういえば、同じテレ東で放送されていた女児向け特撮モノの「ガールズ×戦士シリーズ」って終わってしまっていたのか。劇場版しか見たことないから知らなかった。
「ファントミラージュ! 」や「ラブパトリーナ! 」は劇場版が作られたのに、シリーズ最終作「キラメキパワーズ!」は作られないというのは、テレビシリーズが終わってしまったので、次回作とのクロスオーバーを兼ねた宣伝ができないからってことか?


それぞれの作品について感想を記しておこう。

「劇場版アイカツプラネット!」

良くも悪くもファン向け特典映像といったレベルかな。メンバーが再会してファンのために配信イベントを行うという、それだけの内容のストーリーだしね。ただ、ライブシーンも少ないのでファンサービスになっているのかどうかはよく分からないが。

それから、配信イベント中にメンバー8人の手形で花を作ろうという企画をするのはいいんだけれど、最初のうちの実写パートの時は1人1人やっているのに、後半のアニメパートになると、複数のメンバーまとめてのやっつけ仕事になってしまったのはどうかと思う。そういう企画は映画、ましてや上映時間が40分台という短い作品でやるものではないと思う。テレビシリーズで8週かけてやる内容かな。

「アイカツ! 10th STORY ~未来へのSTARWAY」

予想通り、来春公開作品の序章的な内容の作品だった。まぁ、尺的にはテレビシリーズ1話分をそのまま上映したみたいな感じかな。
アバンがあって、OPやEDもあって、EDの後にもちょこっとあってという感じだし、完全にテレビアニメ1話分の構成だよね。

そして、どちらの作品にも共通していることだが、ファンが女子ばかり。男が混じっていても、若いイケメン風ばかり。いかにもオタクという感じの風貌の男は老若男女問わずいない。

というか、本作に限らず、「ラブライブ!」シリーズでも、「バンドリ 」でもファンは女子ばかりだった。

結局、こういう描写って、アニメやアイドル業界の理想なんだろうね。女性アイドルの運営の連中は、若くてイケメンの男以外のファンはいらない。客席を映した時に見栄えのいい若くて可愛い女性ファンで埋め尽くしたいって思っているんだろうね。

だから、イコノイジョイ(ついこの間まではイコノイだったが)や坂道シリーズのライブのチケットは明らかに女子優先で当選者を決めているんだろうね。

そりゃ、ドルオタが地下に流れていくわけだよね。地下アイドル界隈はオッサンだろうと、ブサメンだろうと、厄介オタとかガチ恋勢でもない限りは排除されないからね。

ついでに一言。本作の登場人物が学生証を携帯していたが、高校生は学生じゃないぞ!なので、学生証という言葉か出てくるのはおかしい!
本当、日本のアニメやドラマ、映画、コミック、小説などを手掛ける人たちって、中高生が学生ではないってことを知らないのが多いよね。
というか、弁護士でも平気で高校生を学生と呼んでいるのいるしね。

学校関係者(塾の講師や家庭教師だと知らない奴も結構いそう)と、新聞やニュース番組で報道原稿を書いたことがあるマスコミ関係者以外、このことを知らないみたいな感じだよね。

まぁ、英語では全てstudentなのに、小学生は児童、中高生は生徒、大学生は学生。さらに、専門学校生は高卒資格がある者しか入れない学校の場合は学生だが、そうではないと生徒といった具合に呼び方が何種類もある日本のシステムがおかしいんだけれどね。


《追記》
今は制作も上映もデジタルなのに、入場者特典としてフィルムをプレゼントするのっておかしいよね。つまり、このフィルムってフェイクってことだよね。


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