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ひげを剃る。そして女子高生を拾う。

第1話を見た時の感想は、これって、性行為に入る前のAVや風俗だよねってものだった。

毎週月曜日の深夜というか、火曜日の早朝というか未明というか、そういう時間帯は仕事をしているので、その勤務明けに帰宅後、予約録画していた「ひげひろ」を見ることが多い。
夜勤明けとか早朝勤務明けといった体力に大きなダメージを与える仕事をした後というのは、種の保存的な本能が働き、性的な気分になることがあるが、そういう状態で見るので、本作はまさに脱ぐ前のAVにしか見えなかった。
というか、乳首は映してはいないが、明らかに女子高生が性行為をしているシーンもあったし、その女子高生は何度も性的な台詞を発していた。
いくらTOKYO MXとはいえ、そんなアニメを地上波で流していいのかよと正直思った。

というか、そもそも、サラリーマンと女子高生の共同生活を描いたという設定だけで、性的な描写があろうがなかろうが、フェミとかリベラルよりの思想を持った人なら、ほぼ100%が批判すること間違いなしだしね。

そして、作中の登場人物に“逮捕されてもおかしくない案件”と言わせることで免罪符でも得たつもりなのかもしれないが、どう考えても主人公のサラリーマン・吉田に対するお咎めが何もないのもおかしい。

本作の吉田のように、親からの虐待や同級生からのいじめなどから逃げてきた女子高生を保護し、その少女とは性的な関係も恋愛感情も一切ないとしても、警察や児相などに何も届けずに女子高生と同居生活していたら逮捕されるのが普通では?

吉田の周囲の人物が、吉田とその“保護”されている女子高生・沙優の関係を知っても、警察とか児相に何も通報しないのはおかしいでしょ!それって、“共犯者”だよね。

ちなみに“共犯者”はこんな面々。

後藤:吉田の女性上司。この関係を知っても、警察や児相に連絡しないどころか、社内の自分より上の人間にも相談しない。女性なら尚更、こういう問題には敏感になってもおかしくないのにね。
まぁ、吉田が好きなのにもかかわらず、吉田から告白された際にわざとふるというワケの分からない人だし、ふっておきながら、吉田を飲食に誘い、その場で処女アピールするくらいだから、この人もダメ人間だとは思う。

三島:吉田の部下。この人も女性で吉田が好き。映画鑑賞が趣味で、吉田が住む街の駅前の映画館によく行くという理由をつけているが、実際は吉田のストーカー。つまり、彼女もダメ人間。

橋本:吉田の同僚で友人。一見、主要登場人物で唯一の常識人っぽいが、こういう関係を黙認している時点で常識があるとは思えない。というか、吉田とBL的な関係だから黙認しているのかと思ったら、結婚していたんだな…。

あさみ:沙優のバイト先のコンビニの同僚ですぐに友人になる。親が金持ちで、親からやりたいことを反対されているということで沙優に通じるものを感じているのだろうが、普通、女子高生だったら、バイト仲間がサラリーマンと同居していたら、バイト仲間に対しても、サラリーマンに対しても気持ち悪いと思うのでは?金持ちだから、世の中をよく分かっていないのかな?それから、沙優チャソって呼び方がオヤジくさい…。

矢口:これもバイト先の同僚。吉田と沙優の関係を知り、多少でも沙優が気になるなら、普通の男なら、嫉妬から吉田のことを通報してもおかしくないのに、通報しないのは、こいつも、沙優を泊めてやっていた過去があるからなんだよな。しかも、コイツは沙優と肉体関係を持っている。つまり、吉田を差し出すと自分も不利になるから黙っているだけってことだよね。要はコイツもダメ人間。

というか、家出少女が何故、バイトできるんだ?身分証は確認したのか?このコンビニ自体、問題あるだろ!

沙優の兄:企業を経営しているらしいが、沙優の捜索をずっとしていて会社は大丈夫なのか?いくら、吉田が“いい人”だとはいえ、普通の兄だったら、自分の妹が彼氏でもなんでもないよく分からない男と同居していたら嫌悪感を示すと思うんだけれどな。やっぱり、世間知らずなんだろうな。

沙優の母:企業経営者である沙優の兄(=自分の息子)に仕事を放っておかせて、妹探しさせるのは意味不明。そして、そこまでして連れ戻させた娘なんだから、そんな娘と同居していた見ず知らずの男の存在を知れば、普通は警察に通報するのにしないってのは、結局、そうすると自分の娘への虐待がバレてしまい、そして、それによって、息子の会社の評判も悪くなり、自分が贅沢暮らしをできなくなるからでは?本当、クソ人間だな。

こうやって、主要キャラを振り返ってみると、女子高生を拾ってきた吉田が一番まともに見えるんだよね…。犯罪行為を働いているのにね…。
とりあえず、ひげを剃ってから女子高生を拾ったのではなく、ストーリー展開は、女子高生を拾ってからひげを剃っていたけれどね。
それだと、略称はひろひげになるけれどね。まぁ、ひろひげでもひげひろでも、そんなに変わらないか…。


それにしても、沙優は可愛い!
こんな娘が一緒に住んでいたら、挿入行為は何とかがまんできても、服の上から胸を触るくらいはしてしまいそうだよな…。というか、キスはがまんできないな…。しかも、相手は泊めてくれるかわりにエッチしてもいいって言っていたんだしさ。
さんざん、作中の描写に関して倫理的になっていないって批判してきたけれど、ごめんなさい!
沙優みたいな娘、好きです!
あと、アラサー処女の後藤も、ウザいストーカーの三島も嫌いじゃありません。こんなに色んなタイプの女性に好かれる吉田がうらやましい!

恋愛感情絡みでないキャラクターである同僚の橋本や沙優兄、あさみも含めて、吉田や沙優の周囲って“いい人”だらけだと思うしね。まぁ、沙優母は好きにはなれないけれどね。矢口は、意外といい奴かもしれないとは思うが…。


そして、本作の最も素晴らしかったことはOP曲もED曲も神曲だということ。
DGALOGUE+によるOP曲“おもいでしりとり”は個人的には上半期リリースの邦楽曲では一番好きな曲だな。
メロディやアレンジもいいけれど、歌詞もいい。本当に歌詞で“しりとり”しているところなんて最高だよね。

それはさておき、サビに入るところの歌詞って、何て言っているんだろうって、しばらく分からなかったが、まさか、“ring ring you”だとは思わなかったな…。
この曲の作詞・作曲を担当したUNISON SQUARE GARDENの田淵って、本当、オタクなんだなってのがよく分かる名曲だよね。
アニメでもアイドルでもいいが、オタ要素のある人間なら、この曲は好きになるよ!

それから、ウザいストーカー・三島役の石原夏織が歌うED曲“Plastic Smile”は石原夏織最高傑作じゃないかな!

サビに入る瞬間の“ポーン”って音が最高!
そういえば、かつて存在していたユニット、ゆいかおりは小倉唯と愉快な仲間たち状態だったけれど(2人組みなのに…)、最近は、石原夏織の方が存在感あるような気がするな。

というわけで、ツッコミながら、そして、時々、エロい気持ちになりながら見てきた「ひげひろ」だが、最終回はまぁ、これがベストだよねという、お手本ともいうべき最終回だった。泣けたしね。


そして、沙優は可愛い!

こんな娘に、好きと言われて、エッチしようと言われて、キスすらしない吉田はありえない!
だからこそ、吉田が本心を開放する可能性を感じられるラスト・シーンは最高だった!

ラストは、「ひげを剃る。そして、女子社員を拾う。」なのかな?
それとも、女子大生?女子フリーター?女子無職?
どうでもいいか。沙優は可愛いし。


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