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第33回東京国際映画祭 TOKYOプレミア2020「スレート」

第33回東京国際映画祭出品作品でアクション、ファンタジー、コメディの要素が混じった韓国映画「スレート」を鑑賞した。

東京国際映画祭の小冊子やHPなどでは、「キル・ビル」×︎「カメ止め」みたいな紹介のされ方をしているが、前者は黄色い服を着たヒロインが闘争に巻き込まれ剣を振り回すことになるから、後者は撮影現場を舞台にした話で現実世界とそうでない世界の人物を同じ俳優が演じているからってくらいの共通点しかないような気がする。
どちらかというと、売れない女優の成長ストーリーという点では、チャウ・シンチーの「新喜劇王」の方が近いような気がする。くどいギャグのセンスとかもね。

映画秘宝で取り上げられるような映画が好きな人なら気に入る作品だと思う。「うん?」って思うところは多いけれどね。

あと、女子のパーカー姿っていいよね!主人公の黄色いパーカーもそうだけれど、途中で出てきた敵役女子のストリート系パーカーも可愛いと思った。それから、女性が髪を結っているのに自分は弱いのだが、闘う時に結っている姿にも萌えてしまった。あと、伊藤沙莉を芸人みたいにした女性もちょっと気になったな。
だから、「キル・ビル」でも「カメ止め」でも「新喜劇王」でもいいが、こういういかにも映画オタク好みの作品が好きな人、つまり映画オタクなら楽しめることは間違いないと思う。

そういえば、話はそれるけれど、オタクにはネトウヨっぽい思想の人が多いが、そのうち、アニオタには韓国映画を毛嫌いする人が多いけれど、映画マニアには嫌韓でも韓国映画を全面否定する人間って少ないのは面白いよね。まぁ、きちんと映画を見ている人なら、韓国映画のパワーは否定できないか…。

それから、本作に〝鬼剣〟というのが出てきたが(英訳はソウル・スレイヤー)、いやでも、「鬼滅の刃」(英題:デーモン・スレイヤー)を思い浮かべてしまう…。本作が日本で一般公開された際に、〝鬼〟とか〝刃〟〝スレイヤー〟という言葉が入った邦題になったり、キャッチコピーがつけられたりしそうだが、そうなったら、ネトウヨが騒ぎ出しそうだなと余計な心配をしてしまった。しかも、よく考えると、この映画のストーリーって〝なろう系〟そのものだしね。パクリとか言い出しそう…。


そして、パラレル世界のシーンと現実世界のシーンで画面サイズが違うっていうのも好演出だと思った。

本作は〝国際映画祭〟上映作品なので、下位置に英訳スーパーが表示され日本語字幕は縦に出る形で上映されていた。
今では字幕が下位置に出るのが当たり前になってしまったので、縦って読みにくいよねと思った。昔は、縦の字幕をよく読めたよなと、ちょっと不思議に思った。なので、日本語字幕よりも、下に出ている英訳スーパーを見ている時間の方が長くなってしまった。

ところで、マスコミや関係者に向けた上映会で鑑賞したのだが、エンド・クレジットが流れ出すと同時に席を立つ連中が多かったな。シネコンで観客動員数上位にランクインした作品を鑑賞した時よりも多かったぞ!あんたら、映画を見るプロじゃないのかよ?プロなら、エンド・クレジットを含めた全てを鑑賞した上で批評しろよ!エンド・クレジットを見ないなら、その作品を批評する資格はないぞ!もし、エンド・クレジットを見ないのがカッコいいと思っているのなら、今すぐ映画を見るのをやめてほしい。少なくとも、映画や映像に関する仕事をするのはやめてほしい。お願いします!

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