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劇場総集編ぼっち・ざ・ろっく! Re:

この総集編映画のもととなったテレビシリーズが放送されていた時に、アニオタはやたらと覇権アニメと騒ぐし、普段、アニメを見ないような人たち、例えばサブカル系の人たちやミュージシャンまでもが絶賛していたが、作画や演出がすごいような作品には見えなかったので正直なところステマだと思っていた。

また、本作の劇中バンド、結束バンドの担当声優が現実世界で行う活動に関しても、他のガールズバンドアニメと比べると褒められたものではないと思ったのも事実だ。

確かに楽曲は良い。でも、現実世界の結束バンドの演奏は声優が担当していない。現実世界の音楽活動で担当しているのは歌唱パートだけだ。

BanG Dream!のPoppin' Partyのようにプロジェクト始動当初は素人に毛が生えた程度という声もあった担当声優の演奏能力がキャリアを重ねるごとに上達していくというタイプでもなければ、同じくバンドリのMyGO!!!!!のように最初から演奏能力のあるメンバーを声優としてキャスティングしたのでパフォーマンス能力がしっかりしているというわけでもない。

だから絶賛するのは何か違うのではないかと思った。まだ、ボーカルも声優と異なるアーティストが担当していれば、ミュージカル映画でも演技担当と歌唱担当は違うなんてことはよくあるから批判したくはならなかった。
でも、演奏はしないのにボーカルは演技担当の声優というのは完全にアニオタや声豚にCDを買わせたり、ライブに行かせるための金儲けでしかない。

こんなコンテンツをマンセーしている奴はアニソン以外の音楽をまともに聞いたことがないのだろうかと言いたくなる気分だった。



なので、この「ぼっち・ざ・ろっく」というコンテンツを酷評するために、この総集編映画を見たようなものだった。

しかし、実際に見てみると面白かった。

確かにアニメーション技術や作画、演出の面では取り立てて絶賛するような要素は少ない。
同じ音楽ものアニメで言えば、「響け!ユーフォニアム」シリーズのように精緻な作画をしているわけでもないし、「BanG Dream! It's MyGO!!!!!」のようなガールズバンドアニメのテンプレートを大きく逸脱するようなストーリー展開があるわけでもない。

とはいえ、日常会話のダラダラした感じは思わず声を出して笑ってしまったし、陰キャ・コミュ障の主人公・ぼっちの心の動きなんかは良く描けていて我々オタクの心にしみるものがあった。



やっぱり、極端なマンセーが多いと自分みたいな批評精神旺盛なシネフィル的な観客・視聴者は警戒してしまうんだよね。騙された例が多いからね。「すみっコぐらし」の1作目とかね。

というか、「涼宮ハルヒの憂鬱」の文化祭の演奏シーンをアニオタはやたらとマンセーしていたけれど、海外アニメーションではあの程度の音と画が合っている作画なんて当たり前だからね。結局、海外アニメーションはディズニーですら見たことない連中が国産アニメの作画を絶賛しているなんて無知の塊でギャグでしかない。

そういうのを経験していると、どうせ、また無知な内にこもったアニオタが騒いでいるだけでしょとしか思えなかったんだよね。



でも、青春ドラマとしては面白かったし、エモかった。

作品タイトルを回収する台詞が出るところで総集編前編が終わる本作の作りも良かったと思う。まぁ、本作の上映時間は1時間35分だから、前後編にわけずに2時間半くらいの1本にまとめた方がいいのではと思ったりもしたが。商売のためにたいした尺にも行っていない2本の映画にしたって感じだしね。

そういえば、こういう前後編構成の映画って、前編終了後に後編の予告が流れることが多いが、本作ではなかったのは何故?
劇場オリジナル作品なら、制作進行の遅れとかネタバレ防止という理由で見せないというやり方も分かるが総集編映画なんだから、そういうのもないと思うのだが…。

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