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秋の梨セゾン

ビールについて
Fruited Farmhouse Ale
ABV 5%

原料:
梨(東京都東村山市産)
麦芽
ホップ

ラベル:
晴れ間がのぞく(刺繍)
高尾ビール(デザイン)

どんなビール?
梨をガッツリ、原料重量の70%くらい使ったファームハウスエールです。
素朴で優しい、ホッとするビールを目指しました。

過去数年の梨ビールの製造を経て、梨果汁を使うだけでは、梨の風味は突出してこないというのがわかっていました。
梨を加工食品で表現するために、ガリガリ君の梨味を食べてみたり、すりおろした梨を食べてみたりと研究を重ねました。
その結果、梨を構成している要素の中でも、シャクシャクした果肉の食感がとても重要であると結論づけました。果汁だけを飲んでみても、薄い林檎果汁のようだったり、すこし青くさい砂糖水といった印象で、思い描いていたあの梨の存在はありません。
しかしうっすらと、存在を主張こそしない確かな風味を感じます。おそらくこれが梨の正体であり、我々は果肉のシャクシャクした食感にだいぶ意識が持っていかれていたのではないでしょうか。梨を食べているのではなくて、食感を求めていただけなのかもしれません。

その存在を主張こそしない確かな中層の厚みは、ビールになったときにも、確実にフレーバーの核になると思いました。

せっかくたくさんの梨果汁を使えるのですから、ドライなシードルをつくってみたいと思い、ホップアロマも柔らかいノーブルホップ。モルトの構成もシンプルに組み立てました。しかし意外にもボディの存在感が厚い出来上がり。それでいて、しっかりとフルーティな印象を持つお酒になりました。


多摩湖梨のブランドで有名な東村山市の梨をピックアップしてブルワリーに運び、搾汁、麦汁へのコンタクト。全ての工程をフレッシュなうちに、1日の中で行いました。

ちなみに、ガリガリ君の梨味の原材料は
異性化液糖(国内製造)、砂糖、梨果汁、りんご果汁、水あめ、リキュール、食塩/香料、安定剤(ペクチン)、酸味料、カラメル色素、(一部にりんごを含む)

ちゃんと梨果汁も使っていることに安心しつつ、やっぱりりんご果汁+香料でも表現できるのではないでしょうか。
りんご果汁と合わせるのと、食塩を加える。このあたりはビールにも応用できそうです。

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