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文化放送『ニュースパレード賞 最優秀賞』を受賞

文化放送をキーステーションに全国33局で放送されているニュース番組『ニュースパレード』。キャスターニュースの先駆けと呼ばれ、テレビのニュースワイドに影響を与えてきた歴史ある番組だ。
11月29日、東京港区の文化放送で「ニュースパレード総会」が開かれ、光栄にも「ニュースパレード賞 最優秀賞」を受賞した。今年7月に発生した安倍晋三元総理大臣銃撃事件の生中継リポートを評価していただいた。

東京港区浜松町にある文化放送本社

私は2013年の春に、福島県の福島テレビから弊社ラジオ大阪に入社した。
最終面接で、徳永正明社長(当時)に「今、最もインタビューしてみたい人は誰か?」と問われ、迷わず「安倍晋三総理だ」と答えた。ラジオという未知の世界にチャレンジしようとしていた私は、5年の歳月を経て総理大臣の座に返り咲いた安倍さんに「何度でも再チャレンジできる世の中を作るためには何が必要か」伺ってみたかったのだ。

2014年12月の衆院選 大阪・梅田のヨドバシカメラ前 候補者の応援に駆け付けた安倍さん
2016年6月 日本記者クラブで開かれた党首討論会にて

残念ながら、いつか安倍さんにお話しを伺いたいという夢が叶うことはもうない。安倍さんのインタビューを交えた重厚な企画を制作してこの賞をいただくことができていれば、どれだけ良かっただろうかと思う。

2022年7月8日 近鉄 大和西大寺駅前の現場 

今回のリポートは、一切特別なことはしていない。
入っている情報を整理しつつ状況を伝えるという極めて基本的なものだ。
ただ、やはり現場では情報が錯そうした。誤報を防ぐために、できるだけ多くの目撃者に話を聞いた上で、複数の人が同じように語ったものだけを証言として紹介した。例えば、ある人は凶器について「ショットガンを短く切ったものだった」と断言し、またある人は「犯人は2発目を空に向かって撃った」と話した。何れも事実ではなかった。その人しか証言しなかったこれらの内容は誤認の可能性が高いと判断して除外した。
そして、奈良交通のバスが発着できず近隣住民に影響が出ていることを交えて、2分間のリポートを構成した。

山上容疑者が取り押さえられた場所では鑑識作業が続けられていた

民主主義の根幹である選挙期間に起きた凶行への怒りや悲しみ、この日本で総理大臣経験者が銃で撃たれたというショック、そして「何とか生き延びていただきたい」という祈り…さまざまな感情を抑え込んで冷静にお伝えすることに努めた。

文化放送 齋藤清人社長から賞状をいただいた

安倍さんが、非業の死を遂げた場所からのリポートではあったが、取材のあり方や、ラジオの生中継における伝え方を評価していただけたことは、心から光栄に思う。
これからもリスナーの皆さんに正確で分かりやすい情報をお伝えできるよう努力を重ねたい。
伝統ある「ニュースパレード賞 最優秀賞」を、いまは亡き安倍晋三元総理大臣に捧げる。



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