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私がラジオをする理由は…愛しいあなた(リスナー)に出会うため

新型コロナウイルス陽性となってしまった都築拓紀さんのピンチヒッターとして三四郎の相田周二さんが担当された『サクラバシ919(ラジオ大阪 深夜11時~1時)』を聴く。
その中で「ラジオ大阪の代表番組はなんですか?」と 質問する相田さんに対して、アシスタントを務めたハナコの秋山さんが答えに窮する場面があった。その後「ラジオ大阪に本気出す意味あるの!?」「ないよ!」と続けて笑いを誘った。
相田さんと秋山さんはきちんとフォローを入れながら話して下さったし、
もちろん私も、心地よい“自虐”と“いじり”を大笑いしながら聴いていたのだが「そう言えば、弊社ラジオ大阪の代表番組」と、ラジオリスナーの間で認識していただいている番組があるだろうか?と一抹の寂しさを覚えてしまった。
現在、朝のワイド番組『ハッピー・プラス』と夕方の『hanashikaの時間』が看板番組として牽引しているが、10年以上継続しているワイド番組は『OBCドラマティック競馬』のみ。

『カットジャパン』『ドンドコドン』『ぬかるみの世界』『ブンブンリクエスト』…かつて多くのキラーコンテンツを持っていたラジオ大阪が、関西人の“聴取習慣”から取り残されてしまって久しい。

それでもラジオ大阪でラジオを続けたい理由がある。

私には、思うように番組を担当できなかった苦しい5年間があった。
様々な悪条件が重なった結果「ただ懸命に仕事をしていただけなのに評価されないばかりか苦境に立たされてしまう」ということが誰の人生にも例外なく起こり得る。
一般論としては、経営者や上司に嫌われたり、他人の悪意によるものだったり、信頼していた人の裏切りだったり、心身の健康を損なってしまったり…いつか真実をリスナーの皆さんにお話しできる日も来るだろう。
これだけは言えるが、私は世間にも自分自身に対しても恥ずかしいことは一切ない。だからこそ、今年4月4日から新しい番組『藤川貴央のニュースでござる』を担当できることになった。

5年ぶりの生ワイドへの復帰。
時間がかかってしまったが、リスナーの皆さんをはじめ、同僚や多くの方に応援していただいた。
そして…その中のお1人との約束があったから、私は苦しい5年間を耐え、ラジオの仕事を続けることができたのだ。
 
以前担当していた朝のワイド番組『モーニングライダー!』のリスナーさんで、S井さんという方がいた。
彼は栃木県の人だったが、毎週水曜日の午前中に私が街頭インタビューのコーナーで千林商店街に行っているのを知り、わざわざ会いに来てくれたのだ。息子さんが、私の大学の後輩ということもあって、親近感を持って番組を聴いて下さっていたらしい。

2017年3月31日『モーニングライダー!藤川貴央です』最終回のスタジオ

そして最終回の朝、ラジオ大阪のスタジオに100本の薔薇の花束が届いた。S井さんが、終了を惜しんで送って下さったものだ。
その後も、ご子息の就職祝いを贈らせていただくなど交流は続いた。

しかし、ある日S井さんは病に倒れてしまう。
「いましばらく養生して復活いたしますので、藤川さんの復活を楽しみに待ってます。」と書かれたメールが最後となった。
その年の11月、天国へ旅立たれた。

S井さんへ

毎朝『モーニングライダー!』を楽しみに聴いて下さったS井さん。
「浜村、道上両氏に勝てるのは藤川さんだけだ!」と、ラジオの神様に挑む私を本気で応援して下さいました。
最終回の朝、スタジオに送って下さった100本の薔薇の花束。
番組終了を惜しみ、私の今後を応援し、そして私の2年半を称えて下さったS井さんのお気持ちに感激しました。心から感謝しています。
本当にありがとうございました。一生忘れません。

もっと早くワイド番組のパーソナリティーに復帰して、お元気な間に聴いていただきたかったのですが…私の力不足で時間がかかってしまいました。申し訳ございません。
天国に届くと信じ、いつもS井さんが聴いて下さっていると思ってマイクに向かいます。

S井さん、天国では世界中どこのラジオも聴きたい放題でしょう?
radikoも真っ青なスーパーエリアフリーで、スーパータイムフリーなのではないでしょうか?
中村鋭一さんや、糸居五郎さんもいらっしゃる中でも、私の放送を選んでいただけるように、より一層精進致します。
大阪を代表する喋り手になりますから。
見てて下さいね!

藤川貴央

私がラジオをする理由は…何処かのあなたに救われて
私がラジオをする理由は…何処かのあなたを救うため。

まともであたたかい発信を続けていれば、必ずあなたが見つけてくれるはず。そう信じて、来月からも誠心誠意マイクに向かう。

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