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納得の仕事 32.「システム要件」の複雑化

企業における部門間の「夢の懸け橋」として期待

 何時しか、会社における立場も中堅になり、数人のスタッフと共にプロジェクトを担当することが多くなりました。 自分自身も成長したかな?と思えると同時に、顧客における情報システムも成長し、複雑化して行きました。

 企業における情報システム化初期の段階では、それまで手作業で行われていた業務の機械化(コンピュータ処理化)が中心であり、単一業務が対象となっていました。 即ち、
 ・勤怠管理、給与計算、諸税処置、年末調整、給与台帳
 ・製品出荷、入荷、棚卸管理、在庫状態管理
 ・生産予実管理、検品&品質管理、生産進捗管理
 ・出荷指図&納品管理、売上管理、回収管理、販売統計
 ・経理、一般会計
など、それぞれ部門単位の閉鎖した業務が中心でした。

 しかし、企業内における情報処理の定着、対外取引(遣り取り)でのコンピュータ活用の促進といったコンピュータ活用の有効化が故に、単一業務から複合業務が促進されました。

 これにより、情報システムの開発も、特定の部門との打合せにとどまることが難しくなり、複数の部門からの要件聴取や整合性確保のための調整会合を頻繁に行う必要があり、SE業務は多忙を極める様になって行きました。

 また、多忙なだけではなく、部門ごとの要求内容の矛盾や行き違いをSEが一手に受け止める羽目になり、顧客事情をより深く理解し、また要求内容の矛盾点解消の提案も担当SEが負わざるを得ない状況になり、立場は苦しいものとなってしまいました。