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納得の仕事 33.タイル目地のセメント役

遣ろうとしない企業内部門間調整

 情報システムが部門横断的情報処理が求められる様になると、部門間で生じる情報処理上の矛盾を担当するSEが解決策提案をせざるを得なくなってなって行きました。

 担当SEは解決策を考えるには、顧客企業の業務実態も十分理解できている訳でもありませんし、解決策を考えてもその策が適切であるかの判断もできません。
そのため、調整案を抱え関連する部門を回りその適応性を調整するしか方法がありませんでした。 その結果、担当SEは顧客企業の部門間メッセンジャーボーイの様な役割を担い、便利屋的存在になり下がった様に感じていました。

 担当SEがその様な役割りを担ってしまうと、調整に時間を取られ本来の仕事である情報システムの開発プロジェクトの遂行が等閑になり、遅滞を招いてしまいます。 その結果、顧客から叱られ、上司から叱られるという納得できない状況に陥ることが多くなってしまいました。

 しかし、顧客に対し不満を抱かせることは避けなければならず、顧客との人間関係を円満に保つために、当時のSEは多面的な活躍が要求され、精神的な負担も大きかったと回顧します。