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音楽のこと

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#音楽

ケヴィン・シールズと私

さる5月21日、マイ・ブラッディ・ヴァレンタインの司令塔ケヴィン・シールズが57歳の誕生日を迎えました。僕は2013年から毎年、彼の誕生日にはお祝いメールを送っていて、返信が来る時もあれば来ない時もあるのですが、今年は珍しく返信がありました。嬉しい内容だったので、今日はケヴィン・シールズのことについて書いていきたいと思います。 といっても、いわゆる音楽的な立ち位置とかそういった話ではなく、「僕から見たケヴィンという人物について」です。とてもパーソナルな話が含まれますので、今

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Ride(ライド)インタビュー(『CDジャーナル 2023年夏号』未掲載分)

英国はオックスフォード出身のRideが今年4月、およそ3年半ぶりに来日を果たし、代表作である『Nowhere』(1990年)と、『Going Blank Again』(1992年)の再現ツアーを日替わりで開催(大阪は『Nowhere』のみ)。さらにオールタイムベスト的な選曲の追加公演まで開催されるなど、彼らの日本での根強い人気を証明してみせた。 このインタビューは、『CDジャーナル 2023年夏号』(音楽出版社)に掲載し切れなかった部分を各位に了承を得た上でお届けする。ソン

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2020年 俺的ベスト・アルバム20(その2)

前回の続き。2020年のベスト・アルバムを20のうち、残り10作品を紹介します。Tennisの『Swimmer』も、Purrの『Like New』もPet Shimmersの『Face Down in Meta』もそうだし他にも色々あったんだけど、今年はビーチ・ハウス(あるいはビーチ・ボーイズ / コクトー・ツインズのビーチ・ハウス的解釈)が、思っていた以上に多くのインディーバンドに影響を与えていることを再認識した1年でした。きっとあと数年したら、ビーチ・ハウスの凄さをもっと

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2020年 俺的ベスト・アルバム20(その1)

2020年のベスト・アルバムを20のうち、まずは前半10枚を紹介していこうと思います。世の中の流行とか、シーンにおける重要性だとか、そんなことは度外視してとにかくコード、メロディ、アレンジ、サウンド・プロダクションなど個人的にツボだったアルバムです。なので、この20枚から今年の流れを分析……みたいなことをするつもりはありません(分析しようもない)。選びながら、「ああ、俺って相変わらずこういう音楽が好きだよなあ」と思った次第。 最近はジェンダーバランスというワードをよく見かけ

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最強のビートルズ遺伝子、フェイマス・グルーピーズにロング・インタビュー

ウィングスの通算6枚目のアルバム『London Town』収録曲から拝借したプロジェクト名や、同じくウィングスのセカンド・アルバム『Red Rose Speedway』を大胆にパロったジャケなど、生粋の〈ビートルマニア魂〉が隅々まで行き届いたスコットランドはグラスゴー出身のマルチ・インストゥルメンタリスト、Kirkcaldy McKenzieによるソロ・プロジェクト、フェイマス・グルーピーズ。そのファースト・アルバム『REHEARSING THE MULTIVERSE』と、新

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英国出身のシューゲイズバンド、bdrmmへのロング・インタビュー

ザ・ビューティフル・サウスやエヴリシング・バット・ザ・ガールなどを生み出した、イギリスはハル出身の5人組bdrmmによるファースト・アルバム『BEDROOM』が、スクール・オブ・セヴン・ベルズやM83らの作品を輩出してきたシューゲイザー系の名門レーベルSonic Cathedralより届けられた。コーラスやフェイザーにより変調されたギターの流麗なアルペジオと、天から降り注ぐオーロラのようなシンセサイザー。幾重にもレイヤーされた儚げなボーカルは、深い森から聴こえてくるような、幻

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2020年 俺的上半期ベスト・ソング100(その4)

さあ、ようやく今回で最後ですよ。早速いきます。ちなみに扉の写真は愛しのベアバッドゥービー(Beabadoobee)です。 ●「You Make Me Hate It All」Blushh Shab Ferdowsiを中心に結成された、LA出身の4人組によるファースト『R.I.P. Apathy』から。ピクシーズの「Wave of Multiation」に(もちろんいい意味で)クリソツなこの曲についてはこちらの記事で取り上げました。 ●「Post - Dick Circle

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2020年 俺的上半期ベスト・ソング100(その3)

ちょっと間が開いちゃいましたが早速いきます。ちなみに扉の写真はいとしのドラッグ・ストア・ロメオズです。 ●「Runner」Tennis詳しくは、こちらを。 ●「I Talk to The Wind」Dana Gavanski カナダはトロントを拠点に活動するシンガー・ソングライター。今年デビュー・アルバム『Full Time Hobby』を出したばかりで早くも新曲です。浮遊感たっぷりの曲調はサヴァス&サヴァラスとか思い出す。 ●「The Hum」Bedouine シリア

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2020年 俺的上半期ベスト・ソング100(その2)

さて、勢いで始めてしまった「2020年 俺的上半期ベスト・ソング100」の第二回目です。早速まいります。 ● 「Walk Soft」Wye Oak ボルチモア出身の男女デュオ。カーペンターズの「Close to You」を彷彿とさせるメロディ、浮遊感たっぷりのコード進行。 ● 「Held Down」Laura Marling ローラ・マーリングは『2020年 俺的上半期ベスト・アルバム(その2)』で取り上げています。 ● 「4 American Dollars」U.S.

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2020年 俺的上半期ベスト・ソング100(その1)

先日、酔っぱらった勢いで上半期ベスト・ソング100を選んでいたら楽しくなってしまったので、その勢いに任せて記事化してみることにしました。 思っていた以上に大変な作業だったのですが、もう後には引き返せないので25曲づつ、全4回にわたって動画をつけて紹介していきます。各曲のコメントについては簡単な印象程度ですがお許しください。いずれにしても、全曲最高です。 ● 「It Might Be Time」Tame Impala インパラちゃんは『2020年 俺的上半期ベスト・アルバム

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2020年 俺的上半期ベスト・アルバム(その2)

前回に引き続き、2020年上半期ベストの残り10枚を紹介していきます。今回も「まずはこの曲!」と思う動画も貼っておきますので、気になったらアルバム単位で聴いてみてください。 ● 「All in One」 Jauntカナダはトロントを拠点に活動する、男女混合6人組によるデビュー作。最初に「Nostalgia For The Present Moment」を聴いて、男女混声ボーカルの絡みがとにかく心地よく、シネマティックな曲構成なども含めてどこかプリファブ・スプラウトを彷彿と

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2020年 俺的上半期ベスト・アルバム(その1)

早いもので気づけば2020年も半分が過ぎようとしています。 今年はもう初っ端からいろんな事があり過ぎですが、ありがたいことに音楽は素晴らしい作品が目白押しでした。そんなわけで、今回は上半期ベスト・アルバムを10枚紹介していこうと思います。それぞれの作品につき「まずはこの1曲!」という動画を貼っておきますので、それを聴いて気になった方は是非ともアルバム単位で聴いてみてください。ちなみに順不同です。 ● 「Floatr」 Happyness この作品は以前の日記で詳しく紹介し

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ジェイ・ソムの「Superbike」が、ひたすら気持ちいい理由

ちょうど今から1年ほど前、ジェイ・ソムの「Superbike」を初めて聴いた時の興奮は、今でもはっきり覚えています。ヘフナーのヴァイオリン・ベースを弾くMVにもブチ上がったなあ。 ジェイ・ソムは、フィリピン系アメリカ人であるメリーナ・ドゥテルテのソロ・プロジェクト。1994年3月25日、カルフォルニア州ウォルナットクリークで「移民の娘」として生まれた彼女は、12歳でトランペットとギターを習い始めたのと同時にベッドルーム・レコーディングをスタート。ちなみに“Jay Som”と

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「ピクシーズっぽさ」ってどこからきてるのだろう? -ピクシーズのDNAを色濃く受け継いだバンドについて

最近、ピクシーズのDNAを色濃く受け継いだバンドが増えている気がします。今回はそんなバンド、そんな楽曲について、僕なりに分析・考察したことをつらつらと書いていこうと思います。

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