HIPHOPなポップアート〜現代芸術家はマリリン・モンローがお好き?〜

 こんにちは。先日は記事を読んでくださってありがとうございました。
 今日は、前回の記事のタイトル「ミューズ」に関する話をしていこうと思います。実は私、音楽の他にも美術や文学も好きでして、今回は「現代芸術家にとってのミューズとは」というものを探っていきたいと思います。
 それではまず、ミューズとはなんぞや?ということから復習していきましょう!

「ミューズ」ってどんな意味?

 ミューズとはギリシャ神話に登場する芸術の女神のことで、転じて、芸術家に創作のインスピレーションを与える女性として使われたりもします。そして、古今東西、画家、作曲家、彫刻家、小説家なんか著名な芸術家には必ずと言っていいほど、そのそばに「ミューズ」が存在していました。

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 世界の著名な芸術家と、そのミューズとしては、モディリアーニの恋人、ジャンヌ・エビュテルヌ、ダリの妻、ガラなんかが、一般的には有名ですが、、、
 今回はHIPHOPやポップアートと関わりの深い二人の芸術家の、意外な(意外でもない?笑)ミューズ観、女性観を見ていきましょう。

コラージュの鬼才 田名網 敬一(たなあみ けいいち)

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 田名網 敬一(1936年〜)
  田名網さんは日本のイラストレーターで、その作風は、一言で言うと「サイケデリックで奇抜」。コラージュを多様した作品の中には金魚や橋、アメコミなんかの様々なモチーフが組み込まれ、一見しただけでは、テーマを認識することは難しいのですが、、、小さい頃、高熱を出した時なんかに、悪夢を見た経験はありませんか? まさしくその悪夢の内容がそのままイラストで現されているような、そんな強烈な印象を受ける作風です。

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 最近では、adidasやstussyなんかのアパレルブランドとコラボもしていました(上のイラスト、それぞれ2枚目と3枚目)。去年は情熱大陸やVICE JAPANでも取り上げられ、御年83歳ながら精力的に創作を続ける姿がとても印象的でした。私も頑張らないと!!笑
 そんな、田名網さんの原風景は、幼い頃に起こった東京大空襲、少年時代のアメリカ映画のマリリン・モンローなんかだそうです。田名網さんの作品には様々なモチーフがコラージュとして用いられているのですが、そこにはマリリン・モンローを彷彿とさせる、金髪碧眼の美女もよく顔を出します。

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 やっぱり、青春時代の憧れが、いつまでも忘れられないのが、男性なのかもしれないですね。それにしても、ジョン・F・ケネディはじめ、世界各国の男性を虜にするマリリン・モンロー。。。リスペクトします!笑


近未来のセクシーロボ 空山 基(そらやま はじめ)

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空山 基(1947年〜)
 私は今年で28歳のアラサーなのですが、小学校低学年くらいに、SONYから発売された、家庭用ペットロボット「AIBO」が一大ブームになりました。親におねだりしたのですが相手にされず、結局買ってもらえなかった苦い思い出があります笑。


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 そして、この「AIBO」のデザインを手がけたのが、イラストレーターの空山さんです。家庭用ペットのデザインを手がけると聞くと、「なんだか、ほのぼのしたイラストを書いてそう。。。」とイメージしたそこのアナタ!違うんです!空山さんの真骨頂は、近未来感満載のセクシーなロボットにあります。そんな空山さんの真骨頂をとくとご覧あれ。


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 うーん。官能的😄。実はもっと露骨な表現の作品もあるのですが、「あんまり過激なのここに載せるのもなあ。。。」と思って、割愛させていただきました笑。興味がある方は、空山基でググると出てきますので、見てみてください。

 さて、この空山さん。かなりHIPHOPやストリートカルチャーと関わりが深い方でして、少しその事について紹介していきたいと思います。
 まず、最近のお仕事では、2016年にアパレルブランド「X−LARGE」とコラボ。「X−LARGE」のゴリラのロゴは有名ですが、空山さんの手にかかるとこの通り!

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 ゴリラがロボットになってしまいました!
 他にも、2018年に渋谷道玄坂にオープンしたジェントルマンズクラブ「MADAM WOO TOKYO」。最新のHIPHOPと美味しいお酒、可愛い女の子と遊べるめちゃくちゃイケてるspotなのですが、ここはラッパー兼HIPHOPレーベル「R-RATED RECORDS」の代表、RYUZO(anarchyのボスですね)がプロデュースしているのです! その店内には、空山さんのイラストが飾られていたり、グッズも販売されています。

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 私もまだ行った事がないのですが、東京に行った際には是非是非行って、ダンサーさんにチップを挟みたいです🍑。

 また、空山さんは海外のラッパーのジャケットも手がけてまして、それがコチラ。

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    なんと、2018年リリースのtygaのアルバム「kyoto」のジャケットまで、バッチリ手がけております。ちょっとセクシャルすぎて、tyga日本蔑視か!?なんていう憶測も飛び交ったのですが、日本人の空山さんが書いているとの事で、なんとか沈静化。tygaが空山さんのファンだった事から実現したコラボレーションのようです。

 また、R&Bシンガー、the weekendも空山さんのファンのようで、2019年にはツイッターにこんな作品が載っていました。

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    weekend感はあんまり感じませんが、、、笑。でもweekendは嬉しかったろうなあ💕

 とまあ、かなり長々と書いてしまったのですが、次は空山さんの創作のインスピレーションを探っていきましょう。まずはこちらのインタビューをご覧ください。

 幼少期から絵を描くことが好きだったのですか? と聞くと、「絵も好きだったけど、それより女性が好きだった」と濁さずに答える。だからピンナップのイラストレーターというのは天職だと。「ただ、私がフリーのイラストレーターになった70年代というのは、ピンナップをすでに人々が見慣れてしまった時代でもあった。だから、描く対象を、“正統派”ではない、より過激でフェティッシュなものにしたんだけど、それがまた自分には合っていたんだと思う。どんどん妄想が膨らんで、ずっと机に向かって絵を描いていられるって感じだった(笑)

 なるほどなるほど。空山さんのインスピレーションの源は女性なのですね。他にも、

子供の頃から金属フェチなんです。 飛行機のジェラルミン、日本刀、クロームメッキ、ステンレス工具とか、金属がエロティックでセクシーに感じるんです。 牝ホルモンからの発信で興味は常に異性に向かうのが自然な習いです。 だから女性は好きですね、女神だと思っています。 快楽主義で、自己責任で、この気持ち_良いのを追いかける。 それは、タバコ吸おうが、麻薬やろうが、ギャンブルで身を滅ぼそうが、快楽原則で滅びの美学なんです。 快楽を求めるのは崇高な美学だと思っています。 権利だとか平等だとか理想ではあるけれど、追い求める対象だから永遠に近づけないと考えています。

 https://www.mocmmxw.com/ja/interviews/hajime-sorayama/

  などど答えているインタビューもあるので、大好きな金属と女性の両方を長年創作のモチーフとしているのも頷けます。

 そんな空山さんが、2016年に開催した個展「女優はマシーンではありません。でも機械のように扱われます。」のモチーフはなんと、、、こちら!

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 なんと、空山さんも、マリリン・モンロー信者?と思いきや、、、

まず一番に気になっていた今回のテーマについて、なぜマリリン・モンローなのか。それには「マリリン・モンローには著作権がないから。」とすごくシンプルに答えが返ってきた。
私はその事実自体を知らなかったので意外だと思っていると「まあ、女が好きなんだよなぁ昔から。男なんてバンドをするのもスポーツも、絵を描くのだって結局女にモテたいっていうのが始まりだったりするでしょ。」と言って、空山氏は豪快に笑った。

 と、インタビューで答えているので、空山さんの中でそこまで強いマリリン自体に思い入れはないみたいですね😅。ただ、田名網さんにしろ、空山さんにしろ、70代80代の芸術家の中で、マリリン・モンローと言うのが一つのモチーフになり得るのは確かかもしれません。


 我々世代のミューズ ガッキー 

    いかがでしたか?現代芸術家にとって、一つのミューズとしてマリリン・モンローは不動の位置を築いているようです。どのような芸術家にしろ、少年時代の体験が、その後の創作活動のインスピレーションの根幹を支えている事は間違いですね。私たちの世代で言えば、みんな大好き新垣結衣!なので、私たちが歳をとる頃、同年代の芸術家の作品はみんなガッキーっぽくなっているかも笑。とか考えるのも楽しいですね。

 最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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