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光る君へのかなふみ(第27話)

相対し 心切り裂く 言の葉が
鋭利に深く 互いを刻む

今回の「光る君へ」びっくりしましたよね…
これって「源氏物語」へのオマージュなのかな?
まるで光源氏と藤壺みたいで…まさか、お子さんが…とは…

先週のラスト、石山寺で道長さんが表れた時も、えぇ!?ってのけぞったけど、今週の冒頭で普通に何事もなかったように2人で語らいながら歩いていて…「んん?」と思っていたらあの展開…
本当、びっくりしました。

でも、道長さん不誠実じゃないですか?
宣孝さんが、ああいう方で、全てを受け止めて自身の出世にも良い影響を与えてくれる、と好意的(?)に受け止めてくれる人だから良かったものの、もし生真面目な人だったら、まひろちゃん、離縁していたかもしれなくて…
現代と違って女性が1人で生きていくのが難しいこの平安の世で…ですよ。
道長さん、そういうこと、少しでも考えてくれたのかな、と思ってしまった。
やっぱり、こんなふうに思うのも、私は道長さんには厳しいからなのかな…

宣孝さんだってああ言ってたけど、あれは、まひろちゃんが気に病まないようにとの心遣いで、本当は傷ついていたかもしれないのに。
お互い様と言えばそれはそうなんだけど…でも、本当に好きだったら、やっぱり傷つきますよね。
この時代の男女間、心がもたないな…と、現代の価値観に生きる私は思ってしまった。
(やっぱり、清少納言のように尊敬愛する主に意気揚々とお仕えするのが1番幸せに思える…なぁ、としみじみ)

そんな中で、いつでも、公平の道を真っ直ぐに歩む実資さん。ブレないofブレない!
(実資さん、また「小右記」に思いの丈をしたためて!「小右記」って、祭事や宮中のことや人間関係のことまで記されている現代まで伝わる一級の資料だそうですね。実資さんすごい!有能すぎる!尊敬!)

そして、詮子さま…心が抉られるようでした。
一条天皇のあの言葉
「そういう母上から逃れたくて、朕は中宮に救いを求め、のめり込んで言ったのです。全てはあなたのせいなのです。」
もうやめて、そう思ってしまった。
本当に痛々しくて、心が抉られるようで、詮子さまを見てられなかった。
一条天皇に、もうやめて、と言いたくなってしまった。

だって、一条天皇には定子さまはじめ中関白家の皆さんがいてくれたでしょ。
詮子さまにはいなかったんだよ。一条天皇だけだったんだよ…って。

このドラマの中では、中関白家の人々はあまり良い描かれ方をされてないけど、本当にとても仲の良いご家族だったんです。
道隆さんと貴子さんは当時としては珍しい恋愛結婚でしたよね。
(身分の低かった貴子さまを道隆さんが好きになって)
お互いを尊敬し合う本当に仲睦まじいご夫婦で、そんな両親を見て育った子供たちも含めて優雅で華やか知的で文化的で…私は平穏だった頃はとても素敵なご家族だったと今でも思っています。

詮子さまと共に内裏を出て、ほとんど父親である円融天皇と触れ合うことができなかった一条天皇。
そんな一条天皇が初めて知った家族団欒が中関白家の人々の中に入った時だったんじゃないのかな…と思います。
道隆さん、伊周さまは、初めて知った、父親のような存在、兄のような存在だったんじゃないかな…って。
その初めて知る暖かな家族の中で、一条天皇の最愛にして唯一無二の存在になっていったのが、定子さまだったんじゃないのかな…って。

でも、詮子さまはどうでしょう?
父親である兼家さんも、夫である円融天皇とも暖かな絆を結べたとはとても思えません。
円融天皇は最後まで詮子さまも兼家さんの企ての策略に加担していたと誤解したままだったと思うし…詮子さま、どんなに辛かったことか。せめて、誤解だとわかってもらえていたら…

そんな中、たった一つの拠り所として一条天皇を思ったとしても、それを責める気持ちにはやっぱりなれない。

人の関係は難しいですね。
だったら、どうしたらよかったのかな…と考えてしまいます。
帝位についた時の一条天皇はまだ幼い子供で、母親である詮子さまがあれこれと意見を伝えるのも、それはそうだよなぁ…と思います。
でも、一条天皇にはそれが操られてるように思えていたんだな…
もっと、ちゃんと気持ちをお互いに話してたらよかったのかな?
大切に思う気持ちを伝えてたらよかったのかな…
わからないです。
わからないけど、詮子さまも辛い思いの中で苦しんできたことを知っていてください、と思います。
(冲方丁さんの「月と日の后」を読んだばかりで…詮子さまの苦しい胸の内を切々と知り…)

私の中の一条天皇は、きっと、詮子さまの苦しい胸のうちもちゃんとわかっている方だと思っています。
こんなふうに、責め立てることもなかったんじゃないかな…とも思っています。
むしろ、人を非難出来ずに、全てを自身の不徳の致すところ、と考え己を責めてしまった方なんじゃないかな…と思っています。
だから、詮子さまに思いをぶつける姿に、一条天皇の心の奥に沈めた気持ちを垣間見る思いがしました。

人はいろんなところで苦しみ辛い思いを抱かえています。
そんな中で、小麻呂ちゃん(の子供?孫?)と実資さんのオカメインコ(ですよね?)の愛らしさに癒される思いの27話でした。
動物たちは、いつの世も変わらず愛らしいですね!
(癒しをありがとう…!!!来週も会えるといいな!)

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