光る君へのかなふみ(第35話)
前回、彰子さまが「若紫」の帖を読んだら何を感じ、どんなことを思うだろう…と、その胸の内をお聞きしたいと感想を書きました。
幼い頃に自分の意思から離れた所で、ご自身の身の上が決められてしまったお2人、彰子さまと紫の上が重なるように思えたからでした。
今回、そのお気持ちが聞けた。
「光る君に引き取られて育てられる娘は私のようであった」
彰子さまもそう思ったんだな…って。
こういう気持ち、物語の登場人物に自分を重ねる気持ち、本が好きな人ならきっと知っていますよね。
自分に重ねた紫の上のこれからを心配する気持ち、こうなってほしい、と願う気持ち。
それはそこに重ねた自分の幸せへの願いでもあります。
彰子さまは「光る君の妻になるのがよい」と願いました。
帝は1人の女性だけを寵愛することは良くないことだと当時は考えられていた、と読んだことがあります。
満遍なく女性たちを愛し不満を抱かせないようにすることが大切だ、って。
でも、私はやっぱり現代の価値観の中で生きているから、その考えに心から納得はできません。
でも、現実的に複数の奥さんがいる状況で1人だけを愛し、その他の人達を相手にしないっていうのは酷いとも思えるよなぁ…とも思いました。
どの立場で物事を見るかで、全然違いますよね。
どの姫君も一族の期待を一身に背負っての入内だろうし…それを除いても悲しいですよ。誰だって幸せになりたいはずだもの。愛し愛されたいはずです。
妻となったんだから、心を通わしたいはずですよね。
古典の先生に光源氏の不誠実さ(と私は思った…)への不満を伝えたことがあります。
先生は
「小鳥遊さんの気持ちはよくわかるよ。だけどね、今の倫理観を当時の人に当てはめるのは酷だなぁ」
そう返事が返ってきたことがあります。
そのことを思い出していました。
今の私は彰子さまのことも好きだから、彰子さまにも幸せになってもらいたい。
彰子さまが、あんなふうに辛そうに泣く姿は見たくない。
だから、彰子さまと一条天皇が向き合って心を通わせられて良かった、そう思います。
だからって、定子さまを大切に思った気持ちが消えるわけではないですもんね。
だんだんと「思い」は「記憶」になるのかもしれない。それは少し寂しい気持ちもするけど、でも無くなるわけじゃない。
今の一条天皇を形造る一部になったんだな…そう思いました。
これからどんどん彰子さまが頼もしくなってくるはず!
そんな姿が見られるのが楽しみです。
それはそうと…惟規くんの恋ってあの斎院に忍び込んで和歌で逃げ切ったエピソードのことだったんですね。
惟規くんのあっけらかーんとした様子からだと深刻さは全然感じないな〜とか、惟規くんはたった1人の唯一の人を夢中で好きになることってあるのかな〜とか、逆にもっと知りたくなってきます。
惟規くん、良いキャラですよね 笑
永遠の弟くんだ。
不穏な場面もありました…まひろちゃんと道長さんを厳しい視線でそっとだけど…じっとり覗き見ていたあの女房…え…怖い。
倫子さまに告げ口とか…ないよね…?
やめて…それは震える…
そして予告!!!
ききょうさん!久しぶりのききょうさんの登場!!
お元気でしたか!?!会いたかったですよ!!!
「その物語を私も読みとうございます」
って「源氏物語」のことですよね!?(少しライバル的な気持ちを感じたのは気にしにしすぎ…?)
「枕草子」と対照的な「源氏物語」
ききょうさんはどんなふうに読んで何を感じたのかな。感想が聞きたい…!聞けるかな?楽しみだ!