[乳がん]告知後の1週間

主治医(女性)は、淡々としている。

告知する口調もとてもさらりとしていて、インフルエンザの検査結果通知かな?くらいの感覚。

すぐに説明用の冊子を出してきて、病変の状況やら、今後どういう治療に入っていくかの説明をサクサクと進めていく。

なんてことないように説明していくので、途中途中で気になることを遠慮なく質問し、教えてもらった。

自分としてはそういう医師で助かったのだが、この先生……合う合わないはあるだろうなと思いつつ。

1週間後に再度、治療方針を正式に決めるための診療予約を取って、この日の診療は終わった。


ここからの1週間がたいそう重かった。。。


告知を受けた直後、支払いを待っている間に、親友・彼・そして父と母へそれぞれチャットで連絡をいれた。

文字を打つ途中、良性と思い込んでいたため、今回の結果をどういう言い方で伝えれば良いのかわからず、思わず空を見つめてしまった。

絞って出た言葉は、『悪い方だった』の一言。

すぐに彼と親友から、あとで父母からレスが届く。

親友「えええええええ! マジかマジか…」

彼「おお… どうなんや("どうなるんだ"の意)」

父「わかりました、大事にしましょう」

母「ほんと? どんなレベルか、詳細を聞きたいね」

チャットだと、親ってなぜ敬語になるんだろうか。笑

仕事明けの母と電話で話して、とりあえず家族へ説明をしに、週末は実家に帰省することにした。


その日の夜、眠れなくなった。

いつもは、Web漫画の閲覧途中で寝落ちするのが常だったが、いつまで経っても眠くない。

かといって、悲壮感で泣いて泣いて……といったものでもなく、なにかをする気力がなくなったような感じ。若干「無」に近かったのではないだろうか。

結局、朝日が昇って明るくなってきた頃(たぶん7時くらい?)に、布団を頭からかぶり、頑張って寝た。


そこから数日間、時をかまわず、突然言いようのない不安がやっては引いてく。

乳がん + ○○ でいろんな検索記事を拾っては見てを繰り返していたのだが、不安になるもの・安心感を与えようとしてくれているもの…どれも信憑性というか合理的じゃない気がして、途中で止めた。

結局、エビデンス(根拠)のないものに一喜一憂するのも嫌になり、ちゃんとした知識をインプットしたくて、『患者さんのための乳癌診療ガイドライン2019年版』をAmazonで購入した。

昔、こういうの勉強したな……と思いながら。


▼一応、ぺた。

日本乳癌学会-ガイドライン

患者さんのための乳癌診療ガイドライン2019年版(今はこれが最新)


週末、実家に帰省すると、心配の嵐。

兄は好物を買って早く帰ってくるし。

父は実家に帰って来いという。

心配はごもっとも。ありがたいのです。

しかし、そういう特別感のある対応をされることが余計に、自分の身に起きていることに対して、重く受け止めざるを得ない状況にさせられる気がした。

とはいえ、この状況で、「普通にしてほしい」というのは、きっとワガママなのだろうと思った。私が勝手に重く感じているだけかもしれなかったから。

理科の実験と一緒で、解決方法がある程度テンプレ化しているのだから、それに従う他ないのであって、それ以外の部分で不必要な感情を持ちたくなかった。『よかった』それに尽きると思わせてほしい。

そんな気持ちを吐露することはなかったが、家族へ説明しにいくことが一番ダメージを負った気がした。


そんな中、日々寝つきが悪くなって苦しんでいたある夜、彼が言った。

「まる 大丈夫、大丈夫や」

そう言ってくれた彼の一言は、きっと根拠はないんだと思う。でも、それは私が冷静でいられるきっかけになった。


告知の時は、思ったより冷静な自分で良かったと思っていたけれど、本当は受け入れたような気持ちになっていただけだった。

ガイドライン(P61)いわく、不安な状態はだいたい2~3週間で前向きな気持ちになるとのこと。誰しも精神的ダメージを抱える期間があり、それは回復できるということを知れて安心した。

復活は思ったより早かった。


自分のこともまだまだ知らないことでいっぱいです。


セカンドオピニオンも検討しようとは思いましたが、先生の説明と自分でガイドラインを読んで、治療方針に合意。

まずは残った腫瘍の摘出手術とリンパの確認を行う手術を受けることになった。コロナ禍なので、万全を期して、かからないように一層気を付けたいところ。

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会社の上長・HRへの報告については、また別の記事で書きたいと思います。🦀

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