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空き家の値段はどう決まる

BSテレ東の朝の情報番組「日経モーニングプラス」。今朝の「値段の方程式」のコーナーでは空き家を取り上げました。普段とは少し趣向を変えて、値段がつけられなくて困っている空き家の解決策を考えてみました。
日本の空き家は増え続けており、深刻な社会問題になっています。どんな悪影響があるのでしょうか。

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メンテナンスが行き届かない空き家は地震や台風の際に倒れて、周囲の家に損害をあたえたり、犯罪の温床になる可能性があったりします。空き家が増えるということは住居が余っているということですから住宅市場自体の停滞要因にもなります。
数年前からメディアに多く取り上げられてますね。空き家対策の法整備もされましたけど、まだ増え続けています。

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2018年の全国の空き家戸数は846万戸。全戸数の13.6%が空き家になっています。今後も空き家数は増加する見込みです。野村総合研究所はこのままだと2033年には空き家率が全体の25.2%に達すると予測しています。

なぜ増え続けているのでしょうか。根本的には、人口に対して住居が増えすぎているからです。日本の人口は減少しているのに住宅の数が増えています。また、空き家を更地にしてしまうと、税金が上がるのであえてそのままにしている人が多いようです。
なかでも今回提示したのは

「持ち家志向、新築好きが空き家を増やす原因」ということです。

いろんな見方があります。今回提示するのは
「持ち家志向、新築好きが空き家を増やす原因」です。 

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日本の持ち家率は、50年前からほぼ一貫して60%を超えています。その中でも、「新築が好き」なのが、空き家を増やす原因になっています。日本の新築の着工数は98万戸なのに対して中古の流通量は17万戸にとどまっています。みんな、「家を買いたい」「できれば新築で」と思っているわけです。

この空き家を活用して、「持ち家志向」から変えていこうという試みがあります。アドレス(東京・千代田)という会社の「全国定額住み放題 年間48万円(月4万円)」のサービスです。全国11拠点から始まって年内に50拠点まで増やす計画です。敷金、礼金なども不要。安い空き家を改装した建物を取り扱っており、料金を低く設定しています。まだまだ、規模は小さいですが、「持ち家志向」を見直すきっかけになる可能性があります。
日本では賃貸契約で入居時に敷金、礼金がかかり、2年ごとに更新料がさらにかかる、というシステムが多いです。賃貸料と合わせると、「買った方が得」という考え方には勝てません。でも、この「定額住み放題の取り組みは、「値段」の面でもかなり有利になります。「賃貸の方がトータルで安く済むなら、買わなくていい」という人が増えるかもしれません。
他にも、「値段がつかない空き家に値段をつける方法」を提案する試みもあります。提案しているのは不動産の調査や評価をする会社、三友システムアプレイザル(東京・千代田)です。
・空き家の土地や建物の値段の確認(市場性)
・建物の劣化具合の確認(安全性)

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この2点を軸に、空き家を再調査して、4種類に分類します。
・再利用できるもの
・改修すれば再利用できるもの
・再利用できないが安全上問題ないもの
・ただちに取り壊しが必要なもの

分類して先を見通せるようにすることで、持ち主が具体的な行動をとりやすくなります。
番組では実際に調査されたケースに近い架空の空き家の事例を紹介しました。

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この物件は角地で場所もよく、100万円ほどかけて修繕すれば500万円で売却可能、と診断されました。月4万円の家賃で貸し出すのも可能とのこと。
損傷の激しい空き家も調査したことで使いみちが決まった例もあります。

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激しく損傷した建物で「ただちに取り壊しが必要」と診断されましたが、調査の過程で周辺住宅に駐車場の利用があることが判明。取り壊した後に駐車場として利用することになりました。周辺の住民にとっても良い結果になったわけです。
取材した三友システムアプレイザルの担当者によりますと、空き家の持ち主は自分の状況をよく理解していないため、なんとなく持っている人や面倒だからそのままにしている「先延ばし空き家オーナー」が多いそうです。
空き家が具体的に値段がどのくらいするのか、売ればプラスになるのか、マイナスになるのか、どうすれば解決するのかを示すサービスは空き家問題解決の糸口になりそうです。

最後にキャスターの豊嶋広さんが興味深い話をしてくれました。

米国は日本の逆で、住宅流通市場の8割くらいが中古。経済統計も新築より中古の方が重要です。20年前に家探しした時に、「プリ・ウォー」という物件ばかり紹介されました。確認まで聞いたら「第二次大戦前」ということなので、当時でも半世紀前の物件です。たかだか240年の歴史の国なので、古いものに憧れがあるのかな、と感じます。アトキンソンの会社のように一千年前の国宝を修復する技術を日本は持っているのに、逆に普段の生活周りは新しい方がいい。この風習は変えた方がいいと思いますが、日本人の感性みたいな部分もあり、簡単ではないのかなと思っています。

日本でも古民家再生がブームになっています。空き家の数は今後も増えますから、有効活用を探る動きは広がりそうです。


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きょうは中吉 あすは大吉
村野孝直(値段のプロ、「ながら日経」「ヤング日経」プロデューサー)
「ながら日経」「ヤング日経」総合プロデューサー、「値段のプロ」としてBSテレ東「日経モーニングプラス」の「値段の方程式」に出演《趣味・特技》アマビエ収集、アイドル称賛家、流しそうめんのプロ、生粋のダジャラー、モノマネのスペシャリスト 、1級小型船舶操縦士《活動エリア》いたるところ